2009/04/11(土)

秋葉原駅構内で散髪してから、東京駅に出て京葉線に乗り換える。快速は目的の駅を通過するので各停を待つと、スカイブルーの201系が入線してきた。2つ目の越中島で降りて地上に出てみると、この辺りの道は南北に通っていないので、少々分かり辛い。途中で見付けた案内板も現在地や矢印が間違っていたようで、少々迷いながらも「深川スポーツセンター」に到着。スポーツに縁のない人間が何しに来たかというと、今日から2日間のみ開催の「完全復元伊能図全国巡回フロア展」が目当てなのである。

「伊能大図」の通称で知られる「大日本沿海輿地全図」の大図は、皇居の火災と関東大震災で原本と副本が焼失したため、長らく一部の写しを除き失われたものと思われていたが、今世紀に入っての相次ぐ複製の発見で、全214枚が完全に揃ったのが最近のこと。それを原寸大パネルに転写して繋げて、中図、小図と一緒に纏めて展示しよう~というのが今回の企画であるが、なにせ1枚が畳一畳分もあるのだから、体育館のような大きな床でないと収まり切らないのである。

伊能大図フロア

3階まで上がって受付を済ませ、観客席から“日本全国”を見下ろした後、フロアに降りていよいよ400年前の日本列島の上を北から歩いていく。海岸線の正確さには驚くばかりであるが、原寸大なので小さくびっしり書き込まれた地名も読み取ることが出来る。駅名などで見覚えがあるものも多かったりする。一方、すっかり様変わりした場所もある訳で、例えば干拓前の八郎潟は日本で二番目の大きさだったし、象潟も地震で陸地化する直前の姿を留めている。西に行く程、後からの測量になるためか、地図も精細になっていく。南の端は種子島と屋久島までだが、伊豆諸島は八丈島の先の青ヶ島まで描かれている。北海道は知床半島の部分がないものの、ほぼ完全な形をしていて地名も細かく書き込まれている。礼文が「レブンシリ」など微妙な違いがあるものの、これだけの数の名前をどうやって確認したのだろうか。

地図自体は見飽きることがないのだが、足下ばかりずっと眺めていると頭に血が上ってくるし、空腹のせいか軽いめまいを覚えるようになってきたので、適当なところで切り上げる。全ての大図を収録した本も売っていたけれど、さすがにA4サイズでは地名の字はもの凄く小さくて、ルーペを使っても読み取るのが大変そうだったので、後ろ髪を引かれながらもパスしておく。

帰りは門前仲町から地下鉄で移動。「青山ティーファクトリー」でワッフルを食べてから、新宿の東急ハンズにも立ち寄る。都内で用事を済ませてから、夕方前に帰宅。

ロイス・マクマスター・ビジョルド「チャリオンの影」読了