2023/08/28(月)

英語の"cello"は、イタリア語からの借用語として“チェロゥ”と発音するらしい。元々は"violoncello"なので、その省略形ということになるが、"violoncello"は"violone"に指小辞"-cello"が付いたもので、“小さなヴィオローネ”くらいの意味になる。ヴィオローネは大きな擦弦楽器のことで、コントラバスもその一種になるらしい。そして"violone"というのは"viola"に増大辞"-one"が付いたもので、“大きなヴィオラ”くらいの意味になる。つまりは、"violoncello"は“大きなヴィオラの小さいの”ということになるのか。現在では"viola"というと特定の楽器を指すが、擦弦楽器の総称にもなっていたようである。因みに"viola"に指小辞"-ino"が付くと"violino"で、これが英語に入って"violin"となる一方、フランス語ではバイオリンのことを"violon"というからややこしい。この場合の"-on"は、増大辞ではなく指小辞になるのだとか。

イタリア語の指小辞"-cello"について調べたところ、"-ne"や"-na"で終わる名詞に付くようで、例えばレモンから作るリキュールのことをリモンチェッロ(limoncello)と呼ぶが、これも"limone"に"-one"が付いた形らしい。リモンチェッロはローマのレストランで飲んだ記憶があるが、フォルダを確認したところ写真は撮っていなかった。