2002/02/13(水)

ヘブライ文字アラビア文字では、通常子音だけを書き連ねる。母音を表す記号がないわけではないが、日本語のルビのようにあくまでもオプション。外国語として学ぼうとすると、文脈だけで発音を決めるなんて、なんだかとても難しそうに聞こえるが、添える母音を数種類の中から選ぶだけと言ってしまえばそれまでのこと。それからすると、日本語表記を外国語として学ぶとなると、困難を極めるではないだろうか。なんてったって一万種類以上あって、それぞれの漢字に音読みと訓読みが時には多数あり、文字の形からは音を推察する手だてはほとんどない。例えば「上」という字は何と読む? 「じょう」「しょう」「うえ」「うわ」「かみ」「あ(げる)」「のぼ(る)」~日本語ネイティブにはごく当たり前の使い分けだけれど、北京語では読み方は一種類「シャン(shang)」のみ。英語の「up」を文脈によって読み分けるところを想像してみれば、その特異さが分かるかもしれない。

高島俊男「漢字と日本人」読了
日本語とはあまりにもかけ離れた中国語を表すための文字だから、どうしても無理が生じる。でも今更捨てるに捨てられない...