2003/04/13(日)

宿を出て、観光開始は五島邸と心字池から。堀に架かる橋を渡って、城門を潜ってすぐのところに入り口。管理事務所で入館料を払って見学。明治維新直前の建築・造営。池はその名の通り「心」という字を象ったのだそうだけれど、間近で見るとどちらが上なのかよく判らない(汗) 池の畔の巨木は樹齢800年の楠。城が出来る遙か以前の鎌倉時代から生き続けていることになる。城趾に建つ五島高校を横目に反対側の堀に出て、五島観光歴史資料館へ。古代の福江島は遣唐使を乗せた船が、国内最後の補給を行い、大陸へと旅だった中継地としての役割を果たしていたのだとか。資料館を出たらすぐ港で、常鼻灯という昔の灯台跡を見学してから、島内北部の戸岐ゆきのバスに乗る。

福江の市街地にいる限りは、五島に来たという実感があまりなくても、郊外に出れば昨夕、飛行機の窓から見た複雑な海岸線が地上でも確認出来る。約20分で堂崎天主堂入口に到着。ここから岬に向かって歩くこと10分。明治初期の煉瓦建築の見事な堂崎教会がひっそりと建っている。内部の大半は展示に充てられていた。

次のバスで市街に戻って、昼食。念願の五島うどん。地鶏仕立ての味付けで、蕎麦のような細い麺は独特の食感。食後は唐人町跡を散策し、航海の安全を祈願した明人堂や、船に積む水を汲み上げた中国風の六角井戸を見学。財政立て直しのため、当時の藩主によって、明の商人が呼び寄せられた訳だが、中国側の歴史では和冦と呼ばれる海賊に相当。でも碑文によると、当時の明は鎖国だったから、民間の通商行為そのものが犯罪だったのだとか。商店街を経て、町名にまで名を留める武家屋敷通りへ。中流武士の住まいが連なっていた場所で、今でも通りに沿ってずっと石垣が残っていて、屋敷跡の一軒は「ふるさと館」として解放されている。庭園は当時の名残を留め、八重桜がほどよい咲き具合。まっすぐ伸びた巨木は、日本では珍しいナンヨウスギ。当初は盆栽として持ち込まれたというからびっくり。ここの喫茶コーナーでも五島うどんがメニューに挙がっていたけれど、さっき定食を食べたばっかりだし、しかも焼きおにぎりとのセットと書いてあるから、無理だべさ(^^;

とりあえず港に戻ってみたけれど、飛行機まではまだまだ時間があるし、このままここでボーっとしているのはあまりに勿体ない。ということでタクシーに乗って福江郊外の明星院に行くことに。ここは自由拝観ではなくて、寺務所で申し込むと係員付き添いで中に入れてもらう方式。解説付きは有り難かったけれど、本堂の天井画をもっとじっくり見たかったなぁ。とまれ高野山よりも古い歴史を誇り(弘法大師が帰国して最初に立ち寄った場所ゆえ)、大正以前は藩主一族しか立ち入ることが出来なかったため、仏像も見事で保存状態が良い。近くにバス停が見当たらなかったので、帰りもタクシーを携帯で呼んだけど、来る時には気付かなかったバス停が結構近くにあったりする。でも都合良くバスが来るわけでもないからね。港のターミナルで早めの夕食として五島うどん。今度は釜揚げで(^o^)  特産の椿油を使ってのばす独自の製法のためか、つるっとした舌触りで、時間が経ってもほとんどのびない。

バスで空港に戻る。一泊といっても実質半日というのは勿体なかったけど、市内は十分に巡ったから、今度は鐙瀬や三井楽にも行ってみたいな。でも上五島も行ってみたいし~と行きたい所は永遠になくならない(^^;

定刻通りに福岡空港に到着。羽田ゆきに乗り継ごうと思ったら、ロビー内には戻れないようになっている。地上係員に確認したら、一旦外に出なければならないとのこと。で、出てみたけれど、どこから乗り継ぐのだろう。うーむ、探し回ってもそれらしい案内はないし、そもそもANAの表示はなくてANKのロゴしか見当たらない。別の係員に尋ねたら、隣のターミナルビルに行くように言われた。ので、一旦建物の外に出て、えっちらおっちら歩いてみたけれど、到着ロビーの案内はあれど、出発ロビーはどこ? もう一度尋ねてみたら、さらに先のエスカレーターで2階に上がるよう指示。もう一度手荷物検査を受けてから、ようやく見付けた搭乗口まで、また少し歩くことに。どうやら他の空港と違って福岡は系列別ではなく、JALとANAが同じゲートを使っているのに、ANAとANKが別ターミナルになっている模様。う~みゅ、空港それぞれの事情があるにせよ、もう少し案内をちゃんと出しておいて欲しかったなぁ。それとももしかしたら聞き落としたか見落としたのだろうか。いずれにせよ、昨日の乗り継ぎが慌ただしかったのも無理ないってことか...

羽田からは例によってつくばゆき最終バス。しかし例ならず半分以上の乗車率(^^; 東京はなま暖かいような陽気だったけれど、つくばでは肌寒く感じたのは、時間差のせいだけではないのかも.....

栗本薫「夢魔の王子(グイン・サーガ89)」読了