2003/07/06(日)

オタトマリ沼

宿を早く出て、バス営業所から定期観光バスに乗車。営業は鴛泊からだけど、沓形からも回送車に乗車できることになっている。鴛泊フェリーターミナルで稚内からの船を待ってから、観光バスとしての運行開始。さすがは人気上昇スポットのハイシーズンだけあって、個人客だけなのに観光バスが満員御礼。レジャーが多様化してレンタカーが普及しているご時世に、こんなのは初めての経験。姫沼、オタトマリ沼、仙法志御崎と丸い島の外周道路を時計回りに巡る。利尻富士は見る角度によって16の表情を持つのだそうで、片側から見えていても反対側には雲が掛かっていることが多いのだとか。今日はいくら言っても信じて貰えないかもしれませんが、どこから見てもこんなによく見えるのは非常に珍しいことなのです~とガイド嬢。因みにオタトマリ沼から見た利尻富士が、実は札幌銘菓として名高い「白い恋人」の絵柄になっているのだそうな。

バスが沓形に戻ったところで営業所に立ち寄って、昼食の弁当の積み込み。そこから5合目の見返台公園へと向かう。山道に入ったところで、盛大な音を立てて車体が揺れる。砂利道でもないのに、どうして?と思っているうちに、嫌な音がして、車内にも微かに嫌な臭いが漂う。ドライバー氏曰く、“運転出来なくなりました” ぎょえ~!!? こんな山の中で? なんでもプロペラシャフトとやらが脱落したのだとか。ドライバー氏が矯めつ眇めつ様子見する度に、坂道を後じさるバス。ひえぇ、大丈夫なのかいな。“私も車外に出て確認したいのですが、私が足を踏んでないとブレーキが効かないのです” どぇぇ、一目散に車外に飛び出したくなるようなお言葉。幸い乗客の一人がすぐに木製の車止めを置いてくれたので、無事に完全停止(^^;;;;;;;

利尻山でも中腹以上だと電波を遮るものがないのだけど、この辺りは木々が遮り、電波も途切れ途切れ。それでも一旦営業所に携帯電話が通じるや、代車がすぐに来るとのこと。不幸中の幸いだったのが、全島の中でも最も営業所に近い地域での故障だったこと。とはいえ代車が到着して全員が乗り換えるまで、現場に30分近く足止めされたことに。何はともあれ、ようやく見返台公園に到着し、弁当をかっ込んでから、早足で展望台へ。筋肉痛で大型バスの乗り降りにさえ脚が痛む状況では、ちょいとハードだったかも(汗) 山頂には雲が懸かり始めていたものの、樹海の中に浮かぶ雄大な山容と、振り返れば海まで続く裾野は見事。

時間が押していたのでバスは慌ただしく引き返す。途中、まだ現場に停まったままの故障車とすれ違い、市街地に戻ってフェリーターミナルへ。ここで礼文ゆきフェリーに乗る客を降ろしてから、オプションのグラスボート乗り場へ。時間の都合上、危うくキャンセルされるところだった。グラスボートといえば、通常色取り取りの珊瑚や熱帯魚が見られる南の海と相場が決まっているものだけど、ここは北の海なので、“綺麗なもの”の代わりに“美味しそうなもの”が見られるのだとか。実際に船から見えたのは、名物の利尻昆布や雲丹。それからホッケなどの魚も泳いでいたらしいが、動きが速すぎて一部の客にしか見えなかった模様。港から再びバスに乗って、鴛泊に戻る。温泉の隣にあるカルチャーセンターが最後の観光スポット。自然紹介ビデオを半分も見る間もなくバスに戻れば、終着のフェリーターミナルへ。ここから空港に向かう路線バスに十分間に合う時間だったけど、少しでも早く空港に入りたかったので、タクシーを利用。

一日一便では、さすがに自動チェックイン機は設置されていなかったので、久しぶりにカウンターでチェックイン。念のため札幌からの乗り継ぎ便が早く出来ないか確認したが、やはり全便満席とのこと。日曜日の夕方だから、無理もないか。展望デッキで着陸を眺めてから、搭乗ゲートへ。定刻通り離陸した飛行機からは、利尻富士が遠ざかる。気が付いたらフライトの半分以上を熟睡していた。新千歳ではやはり一旦外に出ることになっていたので、これ幸いと売店で土産を購入してから早めの夕食。試しにキャンセル待ちを掛けてみたところ、次の便が取れてしまった。ので、予定より1時間以上早く臨時便に搭乗。機材の到着が遅れたため出発も遅れ、途中梅雨前線の影響でかなり揺れたが、羽田に到着後はつくばゆきバス1本前に余裕で間に合う。休日の夜は高速道路の流れもスムーズで、1時間半足らずでつくばに到着。