2003/09/28(日)

今日もとても良い天気。乾燥地帯のリッチランドは当然としても、シアトル到着時からずっと天気は快晴。宿を出て近所のスタンレー公園を散策することに。バラード入江が作る細長い三角形の底辺にいる格好だから、朝靄のバンクーバーと北バンクーバーの両方の市街が海越しに見渡せる。日曜の朝なので、ジョギングやサイクリングをする人達が沢山追い抜いてゆく。トーテムポール群(ネーティブアメリカン・カナディアンのうち、トーテムポールを作っていたのは米大陸北西沿岸部のみ)や、見晴らしポイントを巡ってから、公園内の水族館へ。開館30分前だったので暫く待ってから入館。“カナダ随一の規模を誇る”とガイドブックには書いてあったけど、大阪の海遊館や名古屋の名港水族館よりはずっと小さくて、蒲郡の水族館とあまり変わらないくらいだった。それでもカナダ各地の海中を再現した水槽群や、カエルのコレクションは、ここでしか見られないもの。そしてここの一番人気はベルーガ(白イルカ)で、ちゃんと芸もしてくれる。受付で貰った日本語ガイドで「白クジラ」となっているのはまだしも、ラッコのことが「カワウソ」になっていたのはおったまげた。確かに英語では"Sea Otter(海のカワウソ)"なんだけどね。日本語ネイティブが翻訳したと思しき文章だったけど、きっと手渡された文書を機械的に訳しただけだったんだろうね(^^; そういえば、カナダに入国してから見かける表記は、"centre", "colour"などすべて綴りが英国式だったので驚き。さすが“ブリティッシュ・コロンビア州”を名乗るだけあるな。歴史的にも米国文化と対抗してきたとガイドブックにも書いてあったし。でも"elevator"とか"exit"とか単語は米国式だったりする(^^;

あまり時間がないので水族館を駆け足で巡ってから、外に出る。公園内をロスト・ラグーン(陸地に囲まれてしまった潟湖)まで歩いてから、バス停でバスを待つ。うぉっ、バス停の標識があるだけで、時刻表どころか、どの系統が来るのかすら書いていない(驚) この辺りのバスはとりあえずダウンタウンに向かうはずだから、来たバスに乗ってみる。日本国内ですらバスは地域によって微妙に乗り方が違うけど、海外ともなるとシステムはかなり違ったりするので、事前情報がないと戸惑うよね。バンクーバーの場合、運転手横の運賃箱に2ドル丁度を投入(お釣りは出ない)してから、隣から出て来るチケットを受け取ることになっていて、1時間半以内ならそのチケットを持って次のバス(スカイトレインを含む)にそのまま追加料金なしで乗り継ぐことが出来る。降りる時は車内の紐を引っ張って知らせる(新型車両はボタンを押す)。バス停に着いたらステップを一段降りたらドアが開くのが在来型で、ドア上のランプが点灯した時にドアに付いているバーを押せば開くのが新型だそうな。見分けるポイントはステップの有無。海外の例に漏れず、特に車内アナウンスもないので、旅行者は運転手に事前に頼んでおくか、地図と睨めっこするしかない。なお、バンクーバー市内のバスは殆どがトロリーバスになっているので、道路に架線があればそこがバス通りであることがすぐに判別出来るという利点がある。

以上の点を踏まえて、少し緊張しながらも、無事ダウンタウンのバラード通りで下車。そこから植物園のあるオーク通り方面のバスに乗り継ごうとしたが、その系統の来るバス停が見当たらない。中心部のバス停だとさすがに何系統のバスが停まるかは示してあるが、相変わらず時刻表や路線図はない。おかしいなぁ、ガイドブックによると、この通りを経由するはずなのだけど。しばらく歩き回ってようやく、少し離れたところに系統番号を見付ける。それだと手元の地図と合わないってことは、系統整理が最近行われたのだろうか。ともあれバス停が見付かったので目的のバスを待つ。時刻表がないということは、それだけ運転頻度が高いのかと思ったら、20分以上待たされた。ようやく乗り込んだバスで南に向かう。フォールズ入り江を越え、オーク通りに入る。ここからは札幌のように通り名が数字になっていて、36番街付近で下車。ヴァン・デューセン植物園の門は目の前だった。

植物園の方はかなりの広さで、見応えがあった。色付いた木々と色取り取りの秋の花と真っ青な空のコントラストが美しかった。カエデ樹林の方は、まだあまり紅葉が進んでいない木がもあった。カナダのカエデはワインレッドに色付くのかなぁ。真っ赤に紅葉している木があると思ったら、ジャパニーズ・メープルだった(笑) カナダ各地の見本樹林もあり、その中にサトウカエデ(シュガー・メープル)があった。どうやら東部が産地らしい。ゆっくり見て歩いたら何時間も掛かりそうな園内だったが、関西人の早足に任せて2時間弱でほぼ隈無く回る。園外に出てバス停に向かうと、無情にも丁度出たところだった。当然時刻表がないので、次のバスがいつ来るか分からない状況では、バス停で待ち続けるしかない。陽射しが強く、かなり暑く感じられる。幸い約十分で次のバスが来た。

ダウンタウンに戻り、スタバでサンドイッチとカフェラテの遅い昼食。そして学会開始に間に合うように会場に辿り着く。初日なので基調講演が連続し、夕方からは懇親会。夜は日本の大学や企業の人達と一緒に食事に行くことになったので、昨日のレストランを推薦。大人数だったのでワインセラーのような部屋に案内された。昨日迷って食べなかった方のメニューを注文。これまで海外ではほとんど一人だったから、夜も軽食で済ますことが多かったけど、今回は同行者が多いので連日しっかり食事を楽しんでいる(^o^)