2005/05/02(月)

滞在中の宿は、朝食が7時半からと少し遅め。ロンドンの宿の朝食は、コンチネンタルが基本で、イングリッシュが追加料金だったが、ここはトラディショナルなスコティッシュが基本だった。さすがはスコットランド(^o^) ソーセージや玉子の他に、炒めたマッシュルームがごろごろと。そして紅茶とミルクもたっぷりで、窓から旧市街の街並みを眺めながら、のんびりと朝のひととき。昨日の夕方は晴れていたのに、今朝はまたどんよりとしている...

今日はいよいよ旧市街へ。駅を橋で越えると、どちらを見ても風格のある建物が並んでいる。カーブを描く坂を上ると、旧市街を貫くロイヤル・マイル(Royal Mile)に出る。その名の通り王城と王宮を結ぶ約1マイルの通りで、正しくはCastle Hill、Lawnmarket、High Street、Cannon Gateという4つの連続した通りの総称になるらしい。道は西の王城から東の王宮に向かって下っていて、その延長線上には遙か海が見えている。まずは道を上ってエジンバラ城に向かう。門の前の広場をうろついてみると、両側が崖になっていて、どちらも眺めが良い。城はさらに3方を崖に囲まれていて、文字通り天然の要塞。城門をくぐると、敷地内には様々な建物が並んでいるので、王宮や礼拝堂などを順に見学。王宮の見所は、三種の宝器(Honours of Scotland)と運命の石(Stone of Destiny)。どちらもスコットランドの王位を象徴するもので、イングランドに持ち去られたり、破壊されそうになったり、一旦封印されたり、と数々の遍歴を経て、現在この場所に集められて展示されているものである。途中、雨も降ったりしたが、一通り見終えた頃には天気も良くなり始めていた。

ロイヤル・マイル

城を出るとすぐの所にある、タータン織工房(Tartan Weaving Mill and Exhibition)をちょっと除いてみるつもりが、中は結構広い。タータンをはじめとする各種展示品や販売品を見ながら通路を降りてゆくと、地下ではタータン織りの実演中。途中、キルト(スカート)を広げたものを展示してあった。ガイドブックでは7mの生地を使用と書いてあったが、実物を目の当たりにしてびっくり。重くないのかなぁ(笑) オーダーメードとか、写真撮影も出来るんだね。小型バグパイプなんてのも売っていたけれど、買うとしたらやはりフルサイズでないと(^^; ロイヤル・マイルを下りながら、旧家グラッドストーンズ・ランド(Gladstone's Land)、作家博物館(The Writers' Museum)、聖ジャイルズ大聖堂(St. Giles' Cathedral)、エジンバラ最古の建物であるジョン・ノックスの家(John Knox House)を見て回る。そろそろ昼食かな~という頃合いで近くのパブを覗いてみたら、結構混んでいたので、一旦城の近くまで戻って、スコッチウィスキー・ヘリテージセンター(The Scotch Whisky Heritage Centre)併設のレストランに入る。折角だからウィスキーも注文してみようかな~って専門店だけにリストにぎっしり記載されているし。ワインでさえ良く分からないのに、ウィスキーの違いなんてなおさら~と言っても仕方がないので、そこはフィーリングと値段で、ハイランド地方のシングルモルト3年ものを注文。水も要る?と聞かれたので頼んだら、水割りではなく別のグラスで出て来た。ということは、あくまでも原液(?)を楽しむっちゅうこっちゃね。どれどれ、おぉ、こうして飲んだ方が、風味がよく味わえるんだね。

昼からはロイヤル・マイルの続きということで、庶民史博物館ともいうべきピープルズ・ストーリー(The People's Story)、エジンバラ博物館(The Museum of Edinburgh)を経て、終点まで辿り着く。すると、昨日スコット記念碑から見た街の東にある崖が、すぐ近くにあって斜面はオレンジ色に染まっている。ここからは何の花かまでは分からないが、街のこんなに近くまで迫っているとは驚いた。地図にやたらと広い公園が載っていたが、崖と丘陵地帯を表していたということか。チケット売り場を探して、宮殿と美術館の共通券を買って、まずはクイーンズ・ギャラリー(The Queen's Gallery)から。現女王のコレクションを展示した美術館で、入場料に音声ガイドが含まれていたので、折角だから借りてみる。英語だったのでちょっと不安だったが、そんなに早口ではなく明瞭な発音だったので、大体は理解することが出来た。結構いろいろ勉強になるものである。次のホリルードハウス宮殿(The Palace of Holyrood House)でも音声ガイドを借りたが、こちらは日本語もあったので楽をすることに(笑) この宮殿は現女王の滞在先として使われるため、各部屋の調度品も現役で、絨毯を一部折り返して見学者通路としている。見所はやはり、グレート・ギャラリー(Great Gallery)にある、歴代スコットランド王全ての肖像画。初期の伝説の王も含め、想像で描かれたものも多いようだが、これだけぎっしり並ぶと圧巻である。音声ガイドでは肖像画の専門家も登場して、小物や仕草が表象することまで詳しく解説。う~みゅ、肖像画一つとっても結構奥が深いんやね。庭園や修道院跡も見学してから外に出て、崖の麓まで行ってみる。ガイドブックによると、ホリルード公園(Holyrood Park)と呼ばれ、その上の展望所からの眺めが素晴らしいようだが、山歩きの覚悟が要りそうなので断念。

カールトン・ヒル

新市街の側に戻って、東の外れにあるカールトン・ヒル(Calton Hill)に向かう。ホリルード公園ほどではないが、こちらもそこそこの勾配を上る。頂上付近にあるのは、旧天文台とギリシャ神殿を模したナショナル・モニュメント(National Monument)と展望塔になっているネルソン記念碑(Nelson Monument)。とりあえず主目的であるネルソン記念碑に入って螺旋階段をひたすら上ると、苦労した甲斐あって、昨日よりもさらに遠くまで見渡すことが出来た。新旧市街地も少し離れて見ると、また少し違った風景。展望塔を降りて丘の上を散策すると、東側を見下ろす場所に出たが、向こうの丘だけでなく、手前の斜面もオレンジ色に染まっている。ここに来るまでにちらほらと見ていたエニシダだったんだ。ホリルードハウス宮殿を挟んで、手前と奥に一面のエニシダという風景は、一年のうちでも今の季節だけなんだろうね。見事すぎる~

エレファント・ハウス

疲れていたけれど宿の前を素通りして、頑張って旧市街に戻り、グラス・マーケット(Grass Market)、忠犬ボビーの像を見てから、エレファント・ハウス(The Elephant House)という名のカフェに入る。ここは、無名の頃のJ.K.ローリング(J.K. Rowling)が通い詰め、「ハリー・ポッターと賢者の石(Harry Potter and the Philosopher's Stone)」の原稿を書いた場所、つまりはハリポタ誕生の地、なのである。店先にはそのことを示す記事などが張ってあったが、中はあくまでも普通のカフェ。諸般の事情により、パニーニとカプチーノを注文したりして。

さすがに一日半では見たいところを全て回ることは出来なかったが、主立ったところは大体見たし、ホリルード公園や植物園はまた次回(?)の課題ということにして、宿に帰って荷物の整理。実は部屋の中で無線LANが使えるということが分かったので、持参したCLIEで確認したところ、最低課金単位は30分だった。メールを受信して天気予報を確認するには丁度いい位かな~あれれ、アクセス権購入のための情報を入力しようとすると、フリーズしてしまう。何度かやり直してみたが、やっぱりどこかでフリーズしてしまう。えーん、PDAだとやはり不具合が起こりやすいのかな~てことであえなく断念(T_T)