2008/06/21(土)

7時前に家を出て羽田空港に向かう。ターミナル内の書店でガイドブックを買おうと思ったら、2軒とも道東方面のが殆ど品切れで、かといって全道の本を持ち歩くのは重いので今回はなしにしておく。南ピアの一番奥から搭乗して、一年半ぶりの釧路空港へ。

マリモ水槽

天気予報では曇りのはずが、到着してみると外は雨。といっても内地のような蒸し暑さはなく、気温は10℃くらい低い。釧路市街地とは逆方向に向かうバスに乗って、終点の阿寒湖バスターミナルで下車。荷物をロッカーに預けてから、湖畔の乗船場に急ぐ。幸い雨は降っていなかった。高速遊覧船の切符を買って乗船したら乗客は2名だけだったので、モーターボートに乗り換えて出発。湖を横切り、マリモ生息地の近くのチュウルイ島に上陸。特別天然記念物の保護のため生息地には近付けないが、この島にあるマリモ展示観察センターで見ることが出来る。生息地からセンターに移したマリモは、一定期間公開した後戻すとのこと。大水槽には直径20cm以上の深緑の球体がごろごろ並んでいて、その脇の小水槽には直径40cmを超える地球儀サイズ(?)のマリモが鎮座している。このサイズになると中は空洞になっているので、水から引き上げるとぺしゃんこになるのだとか。生まれたばかりのマリモから、球体が崩壊した後まで、成長過程を順に展示する水槽もあった。センターの辺りから湖が一望出来て、天気がよければ雄阿寒岳や雌阿寒岳が見えるはずなのだが、どんよりとした雲に覆われていて、岸辺ですら霞んでいる。

船に乗って島を離れ、湖の南東端にある滝口へ。この辺りは小島が散在し、岸辺の木々は岩場に直接生えている。もう少ししたらシャクナゲが咲き始めるらしいが、今は新緑のシーズン。亀の形に見える小島の上にナナカマドの白い花が咲いていたが、毎年は咲かないらしい。紅葉の季節は見事らしいので、また来てみたいものである。出来れば晴れている時に。

アイヌコタン

港に戻ると雨が降り始めていたので、傘を差してアイヌコタンまで歩く。坂道の両側に店が並び、奥がアイヌ生活記念館となっている。11年前に阿寒湖を訪れた時は、乗り合い観光バスの途中下車だったので、遊覧船に乗っている時間はなく、アイヌコタンでムックリ(口琴)とバンダナを買ったのだが、記念館を見学したかどうか記憶が定かでない。行動パターンからすると多分見学しているはずだけどね。ということで雨から逃れるように中に入って、日常や祭事に使用した民具を見学。

ボッケ

アイヌコタンを後にして、港を通り越し、阿寒湖畔エコミュージアムセンターへ。ここでは阿寒湖周辺の動植物が紹介されていて、イトウも水槽の中を悠々と泳いでいるが、展示の中心は何といってもマリモ。全国各地のマリモを集めた水槽も並んでいたが、丸くなるのは阿寒湖の限られた場所ぐらいだそうな。そしてラムサールがイランの地名ということを初めて知る。センターの裏手から遊歩道に出る。林間の木陰にはトリカブトに似た黄色い花や、アスチルベの仲間も咲いている。湖岸に出れば先程船から見たボッケがある。アイヌ語で“煮えたぎる”という名前の通り熱水が沸き出していて、辺りには硫黄のにおいが立ちこめている。天気が良ければもう少しゆっくりして5時のバスに乗るつもりだったが、ちょうど3時のバスに間に合うところだったので、寄り道をせずにバスターミナルに戻る。

空港経由で釧路駅前に出て、ホテルにチェックイン。夕食は駅構内の蕎麦屋で豚丼の単品を注文したら、「かしわぬき」がついてきた。何かからカシワを抜いたような名前だが、カシワそばから蕎麦を抜いたもので、いうなれば大阪の「肉吸い」のようなものか。バスの中で少々眠ったものの、睡眠不足だったので夜は早めに就寝。