2008/09/16(火)

朝起きて窓の外を見ると空は雲で覆われていたが、とりあえず雨は降らなさそうである。今日は午前中にサンゴ草をもう一度見に行くことだけは決まっていたが、その後はどうしたものか。バスの本数が少ないのでサロマ湖まで行くのはちょっと厳しいし、天都山方面はといえば一番行ってみたい北方民族博物館が、生憎の休館日だったりする。浜小清水の原生花園を再訪するのも悪くなかったが、前から一度やってみたことを実行に移すことにする。即ち網走から卯原内方面まで旧国鉄湧網線の廃線跡を自転車で走るというものである。そうと決まれば実行あるのみ、宿を出て駅のロッカーに荷物を預け、コンビニで買い物を済ませてから駅レンタカーで自転車を借りて出発。網走市街地は暫く国道を走ることになり、網走川を渡る手前の大曲という場所から廃線跡を整備した自転車道に入る。国道と着かず離れず進むと、網走湖畔に出る。最初は湖岸側だった自転車道は国道をオーバークロスして山側に移る。その陸橋の部分だけカーブや勾配が急になっていたが、基本的に鉄道規格なので国道よりも坂はなだらかで、カーブも緩い。単線分の幅しかないものの、他の自転車や歩行者を見かけることはまれで、自動車はまず入ってこないので、快適に走ることが出来る。二見が丘の前後は坂になっているが、変速機なしでも全く苦にならなかった。

約一時間で卯原内のサンゴ草群落に到着。昨日は夕日のせいで実際以上に赤く見えていたかもしれないと思っていたが、今朝のサンゴ草も相変わらず赤かった。ただ空はどんよりとした雲に覆われていたため、青空との対比を見ることが出来なかった。バスで訪れていたなら2ん時間近くここに滞在しなければならなかったのだが、自転車なので適当なところで切り上げて先に進む。蒸気機関車と客車が静態保存されている卯原内駅の跡を通過し、小学校の体育の授業と遭遇したのでびっくり。その先はずっと湖の近くを走ることになる。湖岸のところどころが赤く染まっているのはサンゴ草で、その都度自転車を止めて撮影するが、距離が少し遠いので望遠側にしても一面の赤とはならない。とはいえ規模が小さい群落は思っていたよりも多く散在していた。

能取のサンゴ草

卯原内から約1時間で能取駅の跡に到着。休憩施設があったので少し一休み。桁外れに広い卯原内の群落ほどではなかったが、サンゴ草の赤がかなりまとまって見られた。ここから引き返して、能取岬を回って帰ることも考えたが、廃線跡と違って国道だとそれなりに高低差がありそうだし、地図で確認すると途中に延長1kmのトンネルがあって、自転車が安全に通行出来るかどうか不明だったので、自転車道をもう少し進んでみることにする。国道をアンダークロスして内陸部に入ると、緩やかな峠越えとなる。今日は雨が降らない予報だったはずが、ぽつぽつと雨が降り始めたので、向こうに見えるアンダークロスに入って雨宿りしようとペダルを漕いでいるうちに、霧雨程度になったのでそのまま先に進む。常呂に近付いたところで自転車道が折れ曲がって国道に合流。廃線跡はそのまままっすぐ続いていたはずだが、自転車道として整備したのはここまでなのだろう、ということで元来た道を引き返す。

卯原内のサンゴ草

能取駅跡を過ぎて卯原内に近付くにつれ、天気は徐々に回復してきた。卯原内の駅跡で休憩してから、再びすぐ近くのサンゴ草群落へ。午前中に訪れた時とは打って変わって、雲は空の半分程度まで減っていて、青空と真っ赤なサンゴ草の対比を今度は見ることが出来た。バスで訪れるとしたら午前中の一度きりだったので、今日は自転車にして正解だった。とはいえここまでで既に30km以上走っているので、足がだいぶ疲れてきたが、漕ぎ続けないことには網走に戻れない~ということでもうひと頑張りで二見が丘を越え、網走湖畔を走って大曲で小休止。最後の3kmは国道を走って、網走駅前に到着したところで自転車を返却。相当疲れたとはいえ、道が平坦だと変速なしのママチャリでも50km走れるものなんだね。

チャンチャン焼

駅近くの喫茶店に入るつもりだったが、昼営業と夜営業の谷間で一旦休業している時間帯だったので、代わりにコンビニで間食を購入。一時間くらい待合室で休憩してから、早めの空港連絡バスに乗って網走を後にする。女満別空港に到着後、カウンターで手荷物を預けて、ターミナル内で夕食。鮭のチャンチャン焼き定食を注文しようとしたら品切れだったので、ジンギスカン定食と青い発泡酒を注文。流氷をイメージした色なのだとか。羽田空港混雑のため離陸が少し遅れたが、つくばゆきの最終バスには余裕で間に合った。