2009/10/12(月)

イチジクのタルト

荷物を北浜駅のコインロッカーに預けて、周辺のレトロビル巡り。まず最初は旧報徳銀行大阪支店だった新井ビル、ということで「五感」2階のティサロンでイチジクのタルトとカフェクレーム~と初っ端から少し脱線。店を出た後は堺筋沿いに高麗橋野村ビルディング、三井住友銀行大阪中央支店(旧三井銀行大阪支店)、コニシボンド(旧小西儀助商店)と巡り、路地に入って青山ビル(旧野田源次郎邸)、伏見ビルへ。夏場は青山ビルを覆い尽くしている蔦が落葉していたため、建物の外観がはっきり分かるようになっていた。堺筋に戻って時計台のある生駒ビルディング(旧生駒時計店)の前を経由して、南西に向かう。

高麗橋ビルディング

重要文化財に指定されている綿業会館から北上し、高麗橋ビルディング(旧大阪教育姓名保険ビル)、八木通商大阪本社ビル、大阪市立愛珠幼稚園と辿って土佐堀川の近くに戻ったところで、重要文化財「適塾」の内部を見学。名前に聞き覚えがあってもどういう施設だったかちゃんと認識していなかったが、幕末に緒方洪庵が開いた蘭学の私塾で、一万円札の人も門下生だったことを今頃知る元大阪府民。町屋の建物は昔のままだったが、茸と菌糸を題材にしたアート作品があちこちに展示してあったので、不思議な空間となっていた。北浜のレトロビルといえば北浜レトロビルヂング(旧桂隆産業ビル)を忘れてはいけないというか、いつもの「北浜レトロ」で昼食を取るのも予定のうち。席に案内されるまで少し待つことになったけれど、アフターヌーンティーを注文してウバ茶とカボチャのタルトを選択。ビル巡りの締め括りとして大阪証券取引所ビル(大阪証券取引所旧市場館)を見学してから、川を渡って中之島公園へ。秋バラはちらほらとしか咲いていなかったが、花壇は各品種の作出年代順に並んでいたことを知る。

大阪くらしの今昔館

地下鉄で天六に移動して、住まい情報センターにある「大阪くらしの今昔館」へ。8階から入館して10階の展望フロアから9階の「なにわ町屋の歳時記」のセットを眺めた後は、階段を下りて江戸時代の町家と長屋を再現した街並みへとタイムスリップ。商家は風呂屋、薬屋、本屋、人形屋から“しもた屋(=商売をたたんだ家)”まであり、それぞれの店に相応しい小道具も並んでいる。店の奥も省略せずに再現されていて、台所は適塾で見たのと同じ造りになっていた。長屋の方も住人の職業に応じた生活用具が置いてあって、何もない所は空き部屋という想定。軒下の地面には雨だれの凹みがあるとは、なかなか芸が細かい。短い周期で昼→夜→朝と移り変わるのに合わせて、夕立の音やカラスの鳴き声がしたり、室内の照明が灯ったりするだけでなく、雁の群れが月を横切ったりもする。8階は「モダン大阪パノラマ遊覧」で、明治以降の様々な時代と場所を模型で紹介している。路面電車が走る北船場の街並みには、昼間見たばかりのコニシボンドや生駒ビルがあった。他にも川口居留地や古市中団地、新世界とルナパークなど興味深い展示があったが、閉館時間が迫っていたので最後の方は急ぎ足となった。

帰りは混雑を避けて、阪急千里線とモノレールを乗り継いで空港入り。ワインショップのカウンターは営業を終了していたが、某コミックで有名になったChâteau Mont-Pérat 2007を売っていたので、迷わず衝動買い(?)してから保安検査場に進む。最終便で羽田に戻り、高速バスで帰宅。