2010/05/29(土)

今日は昼前に高知駅を発つことになったので、午前中は20年ぶりに桂浜に行って見ようかと思っていたが、調べてみたらバスで片道40分。桂浜に行くならやっぱり水族館にも行ってみたいけど、そうすると完全に時間が足りなくなってしまうので、またの機会にしておこう。という訳で急に時間が余ってしまったのだが、高知駅周辺で特に行きたい場所はない。かといって宿でじっとしていても仕方ないので、適当な時間にチェックアウトして高知駅に向かう。窓口で「しまんと宇和海フリーきっぷ」を買ったところで、一本早い特急「しまんと」に丁度良い時間だったため、そのまま乗ってしまう。途中の須崎や窪川あたりで駅近くに見所があれば下車してもよかったのだけど、特になさそうだったので終点のそのまま中村まで乗り通すことに。JR土讃線から土佐くろしお鉄道の中村線に入り、終点の手前で乗車前に買ったパンを食べておく。

中半家沈下橋

窪川以西がフリーきっぷの自由乗降区間なので、中村から普通列車で折り返すと、車内で時間つぶしが出来るという算段。車窓の太平洋を見ながら窪川に戻り、JR予土線の単行列車に乗り換える。「しまんとグリーンライン」という愛称の通り、途中の江川崎までは四万十川に沿って走る路線で、鉄橋を渡る度に川が車窓の反対側に移る。四万十川といえば沈下橋ということで、予土線の駅から歩ける場所を探した結果、江川崎の一つ手前の半家(はげ)で下車することに。地名の由来として、平家の落人が素性を隠すために、「平」の字の横棒をずらしたという説があるらしい。片面ホームに降り立ち、階段を下って国道に出て、まずは上流に向かって歩き始める。予土線の鉄橋の下を潜ると、道路橋の向こうに見えてくるのが中半家沈下橋。道路橋から川面近くの沈下橋を見下ろした写真を撮影してから、一旦対岸に渡ってから川端に下りる。欄干のないコンクリート製の橋は、川面からの高さは2メートル程度で、増水時にあえて沈ませることで流出を防いでいるのだとか。四万十川水系には50近くの沈下橋があるらしい。天気の良い今日は谷間の景色は穏やかで、“最後の清流”の名にふさわしく青緑の水が美しいが、水音からすると流れは結構速いようである。

長生沈下橋

右岸に戻って国道を引き返し、駅を通り過ぎて下流側にある長生(ながおい)沈下橋へ。こちらは昨夏の増水時に流失したものが、今春復旧したばかりなので、修復部分のコンクリートがつぎはぎ模様になっている。国道から急な階段を下りて、沈下橋を一往復してから国道への坂道を上る。そのまま半家駅に戻ると、一時間半近く持て余してしまうことになるので、隣の江川崎駅まで歩くことにする。駅間距離は3km弱とそれ程遠くないし、線路と国道は川にぴったり沿っているので、道に迷う心配もない。途中でネット検索で見付けた喫茶店に入るつもりだったが、少し探しても見当たらなかったので、江川崎で合流する広見川を渡って駅の待合室で休憩。どうやら最初に見たグルメサイトの地図が間違っていたようで、実際は広見川の反対側にあったらしい。

郷土料理づくし

30分くらいしてやって来たのが、通常の普通列車にトロッコ車両を連結した「清流しまんと号」。トロッコ車両(指定席)の乗車区間は江川崎までなので、この先は普通車両が混むのかと思っていたら、トロッコ車両の乗客はごっそり降りてバスに乗り換えた。トロッコ列車体験を組み込んだ、バスツアーだったんだね。締め切りとなったトロッコ車両を連結したまま、列車は県境を越え、約1時間で終点の宇和島に到着。宿に向かう途中で、駅近くの店に入って郷土料理づくしのセットを注文。「さつま」や「じゃこ天」は松山でも食べたことがあるけれど、細切りのこんにゃくに薬味をかけた「ふくめん」は今回が初めて。酒もやっぱり地元のものということで、「うしおに」を冷やで飲む。