札幌地方は今日も真夏日の予報。朝早く宿を出て、札幌駅前から空港連絡バスに乗車。丘珠空港までの所要時間は約30分。JRの快速だと新千歳空港まで40分弱だから、距離の差は大きくてもアクセスの面ではあまり変わらないんだね。空港到着後、屋上デッキから滑走路を眺める。モエレ山が見えているということは、向こうからこちらも見えていたってことだから、昨日撮った写真で確認してみよう。程なくANA塗装のプロペラ機が到着したので、撮影しておく。ANAグループは来月から丘珠発着便を全て新千歳に移すので、この風景が見られるのも今月限り。ということで一度ぐらいは丘珠空港を利用しておこうと、今日の予約を入れたのである。といっても道内路線しか就航していないので、必然的に道内を往復することになる訳である。保安検査を済ませて制限エリアに入ると、搭乗口は一ヶ所のみ。自動改札も一台のみだったが、いつものようにおサイフケータイでSKiPして搭乗。プロペラ機はジェット機よりも巡航高度が低いので、地上の景色も見やすいはずだけれど、全体的に霞んでいるので視界は今ひとつ。内陸側だと朱鞠内湖がようやく識別できた程度。
丘珠空港を出発してから一時間弱で稚内空港に着陸。札幌より気温が5度以上低いので、かなり涼しく感じる。空港内のロッカーに荷物を預けてから、バスで稚内市街地に出る。稚内駅前でバスに乗り継ぐが、市内線のバス停は通り3つ隔てたところにある。市街地が南北に細長いため、市内線は1時間に4本もあって便利である。終点でバスを降りた後、少し歩いて野寒布(ノシャップ)岬へ。天気が良ければ礼文島や利尻島が見えるそうだが、今日は晴れていても遠くは霞んでいるので島影は見当たらない。じっと目を凝らしていると、利尻富士の中腹から上がうっすらと見えてきた。前回訪れた20年前に、2つの島が見えたかどうかは記憶にない。続いて訪れたノシャップ寒流水族館は岬のすぐ近く。その名の通り寒流に棲むニシンやクリオネ、北海道の代表的な淡水魚イトウなどが泳いでいたが、熱帯魚水槽や金魚コレクションもあったりする。小さな水族館を見学した後もまだ少し時間があったので、隣の青少年科学館に行ってみたら月曜は休館日だった。そこで予定より早めに稚内駅前に戻ったが、付近は再開発中のせいか店があまりなかったので、駅構内の売店で駅弁を買って昼食とする。
駅前から郊外線に乗って東に向かうと、声問(こえとい)あたりでノシャップ岬や市街地が海の向こうに見えてくる。反対側は宗谷岬方面に海岸線が続いているが、途中に小さい岬が幾つもあるため、最北端の岬は直前まで見ることは出来ない。稚内駅前から1時間足らずで、終点少し手前の宗谷岬に到着。さすがに平日でも観光客が多いので、人がいない状態で「日本最北端の地」の碑を撮影するのは難しい。すぐ近くには「宗谷岬」の歌碑があり、スピーカーから同じ歌が繰り返し流れている。20年前に来た時にはサハリンの島影を見た記憶がはっきりと残っているが、今日は霞んでいて見ることが出来ない。丘の上にある大岬旧海軍望楼から、なだらかな岬の全景は見下ろせても、やはりサハリンは見えない。記念碑の並ぶ丘を下り、バス停で折り返しのバスを待っていると、風が少し肌寒く感じるようになっていた。約30分の滞在で、最北端の地を後にする。
空港は稚内市街に戻る途中にあるので、自動車学校前で下車してターミナルを目指す。滑走路は宗谷国道の近くにあっても、空港施設は反対側にあるので、バス停から1km以上歩くことになる。空港を通り越してさらに1km以上歩くとメグマ沼の畔に出て、季節の花を探しながら木道を散策することも可能だったが、それで飛行機に乗り遅れたりしたらシャレにならないので止めておく。ターミナル3階の屋外デッキは閉鎖されていたので、外を眺めるなら4階の屋内展望室から。条件が良ければここからでもサハリンは見えるらしい。次の飛行機が到着するのはだいぶ先だったので、1階に降りてロッカーから荷物を取り出し、2階の売店で「じゃがポックル」を購入してから、搭乗待合室に入って文庫本を読んで過ごす。現行ダイヤでも午後便は新千歳発着なので、そのまま羽田行きに乗り継げるという算段である。考えようによっては、札幌市内から新千歳まで飛行機で移動(稚内経由で^^;)することになるのかもしれない。
新千歳の乗り継ぎに余裕があったので、食事と買い物をするため一旦外に出る。新千歳の売店で「じゃがポックル」が平積みになっていて驚いたが、単に平日だったせいなのだろうか。夕食は3階の店でスープカレー。2階の店で十勝ワインを購入してから、ラウンジ直結の保安検査場に進む。搭乗便の機材は、ポケモンジェットの一種である「お花ジャンボ」。出発が5分遅れたが、羽田到着は定刻通り。ちょうどTXの快速に間に合う時間だったので、浜松町経由で秋葉原に向かう。さすがに平日だと混雑していて、守谷まで座れなかった。