2010/08/02(月)

イスタンブル3日目の午前中は、旧市街で行き残した場所を巡ることにして、まずはスルタンアフメット公園へ。この時間だとブルーモスクが順光になるのだけど、空も晴れていたので撮影には好適。カメラの進化により逆光でも平気になったとはいえ、空が白く飛んでコントラストも下がるので、順光で撮れるならそれにこしたことはない。

グランドバザール

路面電車沿いにベヤズット(Beyazıt)まで歩いて、南東端のヌルオスマニエ門(Nuruosmaniye Kapsı)からグランドバザール(Kapalı Çarşı)に入る。起源は15世紀まで遡る中東最大の屋根付市場で、4千以上の店が集まっているとのこと。中は迷路のようになっているが幅の広い通路が多く、大体の地図を頭に入れておけば迷うことはなさそうである。建てられた時代を反映しているのか、場所ごとに通路の造りが異なり、店は業種別にある程度纏まっているので、角を曲がる度に雰囲気が変わる。雑貨、土産物から絨毯、宝石まで様々な店があったけれど、特に買いたい物や目に止まる物はなかったので、内部をざっと見て回るに留める。まだ早い時間なので水飲み場から水を汲んで掃除をする人を多く見掛けたが、チャイの出前も度々目にする。北端のオリュジュレル門(Örücüler Kapsı)から出ても、付近は場外市場になっていた。

ヴァレンス水道橋

イスタンブル大学(İstanbul Üniversitesi)とシュレイマニエ・ジャミイ(Süleymaniye Camii)の間を通り、坂道を下って次なる目的地はヴァレンス水道橋(Bozdoğan Kemeri)。4世紀に完成した東ローマ帝国時代の水道橋で、現存するのは800mということだが、地図などではっきり分かるのは400m程度。本来の長さも約1kmだったらしい。基本的にはスペインのセゴビアで見た物と同じような構造であるが、車がひっきりなしに通るアタテュルク大通(Atatürk Bulvarı)を跨いでいるので、さながら古代と現代の対比といったところか。

元来た道を引き返し、丘の上にあるシュレイマニエ・ジャミイに行ってみたが、裏手にある霊廟(Türbe)は月曜休みとなっていて、モスクの方は改装工事中で中に入れなかったので、せめて外観だけでも撮影しておく。帰りは金角湾側に下りて、ガラタ橋近くのイェニ・ジャミイ(Yeni Camii)とリュステム・パシャ・ジャミイ(Rüstem Paşa Camii)に続けて訪れる。海に近い広場に面し遠くからでも目立ち多くの観光客が訪れる前者に対し、街並みに埋もれ路地の階段から入る後者はひっそりとしていたが、内部はどちらもタイル装飾や窓からの光で荘厳な空間となっていた。

ちょっと早いけどそろそろ昼食にしようかなと、ガイドブックに載っていた店を探したが見付からない。“入口が分かり辛い”と書いてあったので、再度注意深く探してみたが見付からない。そもそも地図に長さ100mの路地が通っているはずの場所には、短い袋小路しかないのだけど。他に手頃な候補が近くになかったので、午後から訪れる予定だった場所に先に行くことに。本当はどこにあったのだろうと、後から航空写真付き地図で調べてみたところ、ガイドブックの地図では“路地”の場所がずれていたこと、そして“路地”だと思っていた道は広場の外縁だったことが判明。これじゃ分からなくても仕方がないか。

ケバブプレート

ガラタ橋東側のエミノニュ(Eninönü)は、各方面への旅客船が発着する桟橋。ここでもジェトンを購入してから、自動改札を通って待合室に進むようになっている。今回利用する航路は所要30分で、1時間に2便程度。予想よりも大きな船が来てびっくりしたが、朝夕は通勤客で混雑するそうなので、これぐらいの大きさが必要だということなのかな。旧市街とアジア側は架橋により新市街を介して繋がっているものの、陸上交通利用だとかなり大回りになるからね。エミノニュを発った船は、ボスポラス海峡の入口を横断し、クズ塔(Kız Kulesi)を見ながら岸に沿って進み、長距離列車のアジア側の終点であるハイダルパシャ駅(Haydarpaşa Garı)を過ぎたところでカドゥキョイ(Kadıköy)に到着。船着き場周辺を撮影した後、路面電車の線路を目印に店を探すと、今度は簡単に見付かった。これで食事場所を、ヨーロッパ大陸からアジア大陸に変更したことになるのだろうか(笑) それはさておき、メインはケバブのプレートにして、肉料理に合うというアイラン(Ayran)を試してみる。ヨーグルト飲料と言っても甘くはないどころか、塩味だったりする。

カドゥキョイの繁華街を散策した後、船でエミノニュに戻る。帰りも大型船だったが、旧型で客室は非冷房だった。そのまま宿で休憩するにも早い時間だったので、ガラタ橋近くのカフェに入る。今日の夕食は遅くなるから今のうちに間食をという訳で、フルン・シュトラッチ(fırın Sütlaç)を注文。早い話がライスプディングで、甘党の日本人でさえかなり甘く感じたが、砂糖なしのチャイと一緒食べると歩き疲れた体にはちょうど良いかも。昨日この辺りを歩いていた時は、炎天下ながら景色が良かったのだけど、今日は昼前からどんよりと曇っているので対岸の眺めは今ひとつ。長距離列車のヨーロッパ側の終点であるシルケジ駅(Sirkeci Garı)もすぐ近くだが、そこは往年のオリエント急行の終着駅だったところ。

ディナーショー

夕方前に宿に戻って部屋で涼んでから、午後7時半に迎えに来た車に乗って、夜のツアーに参加。アタテュルク大橋(Atatürk Köprüsü)を渡って新市街に入り、タクシム広場を経由してディナーショーの会場へ。後から調べてみたら、昨日訪れた軍事博物館のすぐ近くだった。食事付きのツアーでも飲物は通常別料金になっているが、今回は込みだったので赤ワインを注文。コースはメゼ、スープ、メイン、デザートと続いたが、このとろりとした食感のアイスクリームは、屋台で売っているドンドゥルマ(donduruma)と同種なのだろうか。ショーの方はバンド演奏の後、フォークダンス、コサックダンスを挟んでベリーダンス。締めは観客の出身国の歌を順に歌っていったが、十ヶ国以上だったので結構長く掛かった。因みに日本は定番の「上を向いて歩こう」と、何故か「ソーラン節」だった。ショーが終わったのは午後11時過ぎ。日付が変わる前に宿に帰ることが出来たが、とにかく眠かったので即座に就寝。