2010/08/03(火)

スパイスマーケット

昨夜は遅かったのでぎりぎりまで寝ているつもりが、午前6時前に目が覚めてしまった。今日は一日ツアーを手配しておいたので、迎えのバスに乗って宿を出る。金角湾を渡って新市街に入り、丘の中腹にある駐車場でバスを乗り換える。そして最初に向かったのが“スパイス・マーケット”とも呼ばれるエジプシャン・バザール(Mısır Çarşısı)。ガラタ橋の近くという宿から思いっきり徒歩圏内の所に、わざわざ新市街を経由してやって来たことになるが、そういうツアーなのだから仕方がない。名前はエジプトからの貢ぎ物を集めて始めたことに因む名前で、当初はスパイスの取扱が多かったそうだが、現在はターキッシュ・ディライト(ロクム)専門店や、土産物店等が多い。広大なグランド・バザールとは異なりL字型の通路が1つあるだけの建物で、中をざっと一往復した後は周辺を散策。

ボスポラス海峡

次はは船に乗ることになっていたので、すぐ近くのエミノニュに行くのかと思ったら、新市街のカバタシュからの乗船となった。桟橋で待っていると程なくやって来た船に、他のツアーと一緒に乗り込む。出航後は、丘の上まで広がる新市街を背景としたドルマバフチェ宮殿を見ながら、ボスポラス海峡のヨーロッパ側の岸に沿って北に進む。今日は良く晴れて眺めが良い。その分日差しは暑くても風があるし、時々屋根の日陰に入れば問題なし。海峡を跨ぐボスポラス大橋(Boğaziçi Köprüsü)の下を潜った後も、さらに北上を続ける。イスタンブル陥落前に急拵えで建てられた砦ルメリ・ヒサル(Rumeli Hisalı)の前を通り過ぎ、海峡に架かる2本目のファティフ・スルタン・メフメット大橋(Fatih Sultan Mehmet Köprüsü)を潜ったところで方向転換し、帰路はアジア側の岸に沿って進む。この辺りが、マルマラ海と黒海を結ぶ海峡のほぼ中間地点である。ヨーロッパとアジアの境は昨日も越えたけれど、今日はその境に沿っての旅となる。ユーラシア大陸をどこでヨーロッパとアジアに分けるか、一義的に決まっている訳ではないが、ボスポラス海峡は2つの地域の境目をはっきりと実感出来る場所である。ルメリ・ヒサルの対岸にはアナドル・ヒサル(Anadolu Hisalı)があるが、こちらは一部しか残っていないのでかなり近付かないと分からない。ベイレルベイ宮殿(Beylerbeyi Sarayı)の前を過ぎ、再びボスポラス大橋の下を潜ると、そのままカバタシュに直行したので、トプカプ宮殿を近くから見ることは出来なかった。

下船後はバスで旧市街に戻り、宿のすぐ近くの昼食会場へ。日本のサイトからは食事なしのツアーしか申し込めなかったが、追加料金(15ユーロ)を払えば予約なしでも大丈夫だった。金角湾を見下ろしながらの昼食は魚料理がメインで、"sea bass"の塩焼きが出て来たけれど、後から調べたらヨーロッパスズキのことだった。デザートはシロップに浸したケーキが出て来たが、これがシェケルパレ(şekerpare)というトルコ菓子なのだろうか。

チャムルジャ丘より

午後は再びバスに乗って新市街を経由して、ボスポラス大橋を渡る。高さは64m、全長1,510mであるが、車で走るとあっという間である。アジア側に入り、チャムルジャの丘(Çamlıca Tepesi)で見学下車。海峡を見下ろすイスタンブル最高地点とのことで、昼になっても晴れていたので、さぞや素晴らしい景色なのだろうと期待していたのであるが、なだらかな丘からの眺めは木々に遮られて下界を一望することが出来ない(T_T) 所々で見える景色は確かに良かったが、やっぱり歓声をあげながら海峡を右から左へと眺めたかったよぉ。。。

ベイレルベイ宮殿

坂道を下りて、橋の袂にあるベイレルベイ宮殿が本日最後の目的地。海峡を望む場所にあるスルタンの夏の離宮で、各部屋の絨毯の下には、湿気を吸わせるために藁の茣蓙を敷いている。そして海風が吹き込むような構造となっているので、窓を開け放してあると冷房がなくてもかなり過ごしやすい。ドルマバフチェ宮殿に比べるとかなり小さな建物であるが、それぞれの部屋の装飾は凝っていて、そしてここでも男性用と女性用の区画は厳密に分かれている。

帰りもボスポラス大橋を渡り、新市街経由で宿の近くまで送って貰う。部屋で休憩した後、スルタンアフメットのピデ(pide)専門店で夕食。トルコ風ピザのピデは細長く、見た目はかなり大きかったが、生地が薄かったので難なく間食。睡眠不足だったので、宿に戻った後は明日の支度をして早めに就寝。