2010/10/25(月)

朝起きて予報を確認すると風速は3メートルくらいになっていて、船会社のサイトでも予定通り運航となっていたので、早めに宿を出てバスターミナルに荷物を預けてから長崎港ターミナルビルへ。窓口で乗船券と上陸券を購入し、乗船時間20分前に埠頭に移動すると、雨が結構降っていたりする。傘は持って来ていても、現地では雨傘・日傘は使用禁止。売店で雨合羽は販売していなかったのでどうなるのかと心配になったが、後から船内販売があることが判明。2階デッキに座って出航を待つ。

長崎港を出た船は造船所を見ながら女神大橋を潜り、上ノ島沖合を通って角力灘へ。雨は強くなったり弱くなったりしたが、一向に止む気配はない。伊王島・沖ノ島と長崎半島を結ぶ橋(現在工事中)を潜って、高島を過ぎた辺りでようやく目的の島が見えて来る。中ノ島の向こうにあるのが、「軍艦島」の通称で知られる端島である。最盛期には5千人を越える海底炭坑関係者が暮らしていた島で、小さな島を埋め立てて高層建築がぎっしり並ぶ様子が、戦艦「土佐」に似ていたのだとか。軍艦島の上陸条件は厳しく、風速5メートル以下、波高0.5メートル以下、視程500メートル以上となっている。このため島に着いても桟橋が使用出来ない場合もあるが、程なく下船案内が始まったので一安心。上陸率は平均して7割程度らしい。

高層住宅

<島内は南西部にある3つの見学広場と、桟橋からそれらを順に繋ぐ見学通路のみが行動範囲となる。上陸後は第1見学広場に一旦集合し、そこから2班に分かれての見学となる。島の中央は丘になっていて、北東側に建ち並ぶ高層住宅は大体の形を留めているが、南西側にあった事務所などの低層建築は殆ど朽ち果てている。第1、第2、第3見学広場を順に回り、写真を使いながら小中学校跡など各所から見える建物の説明を聞く。最初は雨が強くてカメラのフィルターに水滴がすぐに付着して困ったが、途中で止んだので助かった。

軍艦島

約1時間で島内見学は終了し、桟橋を離れた後は島の回りを船で一周したので、見学コースでは見られなかった北東側の建物群や、島の全景を見ることが出来た。帰りは船内の資料映像を見ながら長崎港に戻り、船を降りたところで上陸証明書を受け取る。前半は生憎の天気だったけれど、今回はほとんど諦めていた上陸が出来ただけでも幸運だったと言えるだろう。昼は行こうと思っていた紅茶店が月曜定休だったので、すぐ近くの出島ワーフでトルコライス。

出島復元

<午後は高校の修学旅行以来、四半世紀ぶりに出島を見学。前回来たときは「ミニ出島」ぐらいしか見る物がなかったはずだが、現在は建物の復元が進められていて、既に西側の家並みが再現されている。「ヘトル(副商館長)部屋」「料理部屋」や倉の内部を順に見学した後、喫茶室に入ってカステラセットで休憩。帰りは東側から出て、銀行に立ち寄ってからバスで空港入り。カウンターでプレミアムクラスにアップグレードしようとしたら、使用機材変更のため登場手続きを一時停止とのこと。約1時間後に再開されたところで手続きを済ませ、カード会社のラウンジで休憩してから搭乗。B777からB747への変更となったので、座席には余裕があったようである。羽田からは高速バスで帰宅。