2010/12/25(土)

奥武島

朝からどんよりと曇っていて地面も濡れているが、とりあえず出掛ける時は雨は降っていなかった。バスターミナルから本島南部に向かうバスに乗り、東風平(こちんだ)、具志頭(ぐしちゃん)を経由して、南城市の富里(ふさと)で下車。この辺りの国道は高台を走っていて、眼下の海岸のすぐ近くに奥武(おう)島が見えるが、手前の建物に一部が隠れているため島の全景ははっきりとは判らない。坂を下って長さ100メートルの橋を渡って、奥武島に上陸。沖縄には同名の島が多いが、久米島町、名護市につづいて3つ目の奥武島上陸となる。これで公共交通(定期便)または橋で行ける沖縄県の島のうち、訪れていないのはあと5つ~と思っていたら橋で繋がった小さな2つを数え忘れていたことに後から気付いたので、残るはあと7つ。

まずは漁港や埋め立て地となっている島の東側へ。堤防の向こうは淡い色の浅瀬で、晴れている日にはさぞや綺麗なのだろうけど、どんよりと曇っているので海の色は今ひとつ。島内一周道路を歩いて、中央部の高台を通って南岸に出た後、南西側の岬に立ち寄ってから西岸を北上すると、わずか30分で島を一周したことになる。そして奥武橋の袂にある名物の天ぷら店「みなと」が丁度開いたところ、とタイミングを合わせていたりする。天ぷらは1個60円で、数ある種類の中から「さかな」と「やさい(かき揚げ風)」と「いも(紫芋)」を選ぶ。出来たてを冷めないうちに食べたのでいずれも美味だったけれど、揚げ物ばかりなのでちょいと胃にもたれるかも(^^;

本島に戻って住宅街を抜け、川を渡って県道を北へとひたすら歩き、約1時間掛けて玉泉洞のある「おきなわワールド」の入口に辿り着く。といっても今日の目的はその向かいにある「ガンガラーの谷」の方。聞き慣れない名前だけれど、2年前に出来たばかりの施設だから無理もない。天気の悪い日でもお勧めと一昨日紹介され、内部見学はガイドツアーのみだったので、昨日粟国島から予約を入れておいたのである。入口は洞窟を利用した「ケイブカフェ」となっていて、受付を済ませてからホットコーヒーで一服。

ガンガラーの谷

集合時間になり、ガイドから説明を受けた後、洞窟を出て見学コースに入る。大昔に鍾乳洞の天井が崩落して出来た谷で、所々に石灰岩が露出している。クワズイモ、ゾウダケ、オオタニワタリなどの解説を聞きながら、川沿いの道を進む。途中にイナグ洞とイキガ洞からなる種之子御嶽(サニヌーシウタキ)があり、前者は狭い洞窟の奥深くにあるので非公開となっているが、後者は広い洞窟の奥にあるので見学可能。大きな岩の間を通って開けた場所に出ると、大主(ウフシュ)ガジュマルと呼ばれる巨木が眼前に聳える。ガンガラーという名前は、昔この辺りにあった穴に石を投げ入れた時の擬声音に由来するのだとか。さらに進むと別のガジュマルの大木の上にテラスへの階段があり、樹上から南側の海まで見下ろすことが出来るが、今日は天気が悪いので景色は霞んでいる。先程から雨が降り始めたが、木々に遮られているので傘は差す必要はなかった。見学コースの最後は武芸洞で、昔稽古場として使われていたことがある洞窟。海岸近くで発見された港川人(1万7千年前)が住んでいた跡が残っているのでは~と期待して発掘を始めたら、それよりも新しい時代の遺跡が見付かったとのこと。現在も断続的に発掘作業が続いているので、そのうちまた新たな発見があるかもしれない。長い階段を上って解散となったが、どこかと思えば「おきなわワールド」の中だったりする。玉泉洞は一昨年二度目の見学をしたところなので、売店で時間調整してから玉泉洞前始発のバスに乗って那覇に戻る。

波照間の泡波

午後から雨が降ったり止んだりだったので、夕方まで宿の部屋で休憩。夜は今日も「くまのみ」に行って、幻の泡盛と呼ばれる波照間の「泡波」を初めて飲む。事前情報通り他の泡盛と比べて際だって美味という訳ではなく、流通量の少なさによる希少価値が出ているようである。昔ながらの泡盛という感じの風味なのだそうな。

ロビン・ホブ「騎士の息子(ファーシーアの一族1)」読了