2011/03/11(金)

平日朝なので早めに移動ということで、6時過ぎの区間快速に乗って羽田に向かう。北ピアのラウンジで休憩してから、軽食を調達してB737-800に搭乗。D滑走路から離陸した後、東斜面に雪を被った富士山を見ながら西進し、紀伊半島を横断して徳島阿波おどり空港に着陸。ANAの羽田-徳島線は2003年に一旦廃止となったが、羽田の拡張により昨秋再開となり、今回が初めての利用となる。空港も昨春滑走路を延長して新ターミナルが開業したばかりである。館内には阿波踊りをモチーフとした銅像や陶版画があり、阿波踊りの音楽が流れロビーではDVDを再生と、その名の通り阿波踊り一色である。3階の展望デッキは屋内にあったけれど、搭乗橋の近くまで張り出しているので、滑走路以外にも淡路島や眉山など全方向を見渡すことが出来る。1階に降りて乗車券を購入してから、鳴門方面に向かうバスに乗る。

大鳴門橋

旧ターミナルの前を通って鳴門市街に入り、鳴門駅前経由で大毛島の海岸線を北上。観光船乗り場に立ち寄ってから坂道を上って、終点の鳴戸公園で下車。バスを降りたら観光施設まですぐだと思っていたら、バス停の近くには土産物屋と駐車場があるのみ。そこから急な階段を上ってようやく大鳴門橋架橋記念館の前に出て、「渦の道」はそこからさらに歩くことになる。荷物を全て抱えていたのでなければ、それ程大した距離でもなかったのだけれどと思いつつ、券売機の近くにロッカーがあったので、これ幸いと荷物を預けてから大鳴門橋の自動車道直下の遊歩道に入る。瀬戸大橋と同じく鉄道用に用意された空間であるが、開通は事実上不可能となったため一部を渦潮見学施設として利用しているのである。天気は良いが海上の強風が吹き抜けるため、かなり寒く感じる。450m歩くと展望室に出るが、肝心の渦潮はといえば、満潮と干潮の谷間にあたる時間帯のため、海峡の両側から2つの潮が干渉していても渦を形作る程ではなかった。次の干潮は4時間も先だったので、今回は諦めて入口に引き返し、千畳敷とお茶園の展望台から景色を眺めてからバス停に戻る。再び空港前を経由して徳島駅前に向かったが、寝不足と疲れから徳島市街地に入るまで殆どずっと眠ってしまった。

表御殿庭園

徳島駅構内のロッカーに荷物を預けて、線路沿いに歩くと徳島運転所のすぐ近くを通る。ディーゼルカーが多数停泊していたけど、そういえば1500形の実物を見るのは初めてだったっけ。跨線橋を渡ると、徳島城趾である徳島中央公園に入る。復元された鷺の門を見学してから、徳島嬢博物館で徳島市の歴史を勉強。隣接する表御殿庭園は数少ない現存施設で、枯山水庭と築山泉水庭からなる国指定の名勝。園内を散策している時に茨城方面で大きな地震があったことを携帯メールで知るが、出先だと情報収集もままならない。とりあえず城山に登ってから麓にある静態保存のSLを見学した後、新町川を渡って眉山ロープウェイの山麓駅に向かう。

徳島市街

阿波おどり会館の5階がロープウェイ乗り場になっていて、2つの小さなゴンドラがワンセットで上下するという変わった形式。山上駅付近からは徳島平野を一望することが出来るが、午後から雲が多くなっていて街並みは日向と日陰のまだら模様。視界もそれ程良くないので淡路島も一部しか見えない。山の上も風が冷たいので帰りの時間まで屋内展望台で待つ。山麓駅に到着後、徳島駅に戻って列車の時刻を確認しようとしたら、津波警報が発令となったため牟岐線のみ運転を見合わせ中。仕方がないので夕食を取って、喫茶店にも入って時間潰しをしてみたけれど、一向に再開されそうにない。相当大きな地震だったようで、今日中に津波警報が解除されない可能性もあるので、宿泊予定だった阿南への移動は諦めてケータイで徳島市内の宿を予約。幸い駅近くに取れたので、すぐにチェックインしてテレビやネットで情報収集。そしてあまりの被害の大きさに言葉を失う。震度6弱だったというつくばの自宅のことも気になるが、関東地方の交通機関が全て停止している状態ではたとえ東京まで帰れたとしてもどうにもならないので、体力確保のため不安ながらも眠りに就く。