2011/08/16(火)

出発地と目的地の両方がバス停から遠く、荷物も多いのでタクシーで移動。羽地内海に出て本部循環線に入り、今帰仁村仲宗根から運天港へ。旅客ターミナルで行き先を確認して往復券を購入し、「フェリーニューいぜな」に乗船。運天港を出て古宇利大橋や古宇利島を見ながら北に向かう。本部半島の向こうには伊江島の独特な島影が見える。周りがほぼ海ばかりとなったところで、空調の効いた船室に戻る。運天港を出てから約1時間で、伊是名島の仲田港に到着。

屋那覇島

港からは迎えの車に乗って、島中央部にある宿へ。部屋に荷物を置いてから、自転車を借りて観光開始。当初は港の近くで昼食と買い物をする予定だったが、標高差があるのでそのまま島南部に向かう。まずは伊是名森林公園の入口で自転車を止めて、遊歩道に入る。沖縄は真夏でも気温は30℃を少し越えるくらいで湿度もそれ程高くないので、日陰にいる限りは猛暑の本土よりもずっと過ごし易いのであるが、緯度が低いため直射日光がとても強くて、そこら中に光が溢れている。そして舗道は勿論のこと、林の中の遊歩道でさえ地面からの熱気に包まれている。そのため冬場ならそれ程大したことがなさそうな道でも、思った以上に体力を消耗してしまう。クモの巣をかき分けながら階段を登っていると、途中で気分が悪くなりかけたので休みながらペースを落として歩く。最初の展望台から北東方面の景色を垣間見た後、チヂン山頂からを南方向を見渡す。階段を下りて舗道の反対側に続いている遊歩道を上ると、展望が開けて海の向こうに横たわる沖縄本島や屋那覇島が一望出来る。その辺りで美織所(ちゅらうぃんじょ)の方角を示す案内があったが、それらしい場所が見当たらないまま舗道に下りてしまったので、一旦自転車を取りに戻る。北側から出直すと標識が容易に見付かり、脇道を登って行くと「美織所」と記した石碑の前に出るが、畳石らしきものは見当たらない。もしかしてとさらに登り続けると、ようやく見晴らしの良い場所にある平たい大岩が見付かる。

伊是名集落

この近くには「風の岩」という名所もあるのだけど、そこに行くためには別の山道を登らなければならず、これ以上無茶をしたら途中でリタイアということになりかねないので止めておく。アハラ御嶽も道が険しそうだったので、建物を下から確認するに留める。南に向かって進み続けて峠を越え、「陸ギタラ」「海ギタラ」と呼ばれる奇岩を眺めながら坂道を快調に下り、海岸近くの展望台へ。風が吹き抜ける日陰は、とても涼しく感じる。少し長めに休憩した後、外周道路を走って伊是名集落に入る。まずは自販機を見付けて水分補給をしてから集落内の名所を探したが、手元の地図がアバウトだったのでなかなか見付からない。珊瑚の石垣とフクギが続く家並みの中を彷徨い、ようやく辿り着いた銘苅家住宅は、百年前に建てられた国指定重要文化財で、敷地内に入って見学可能。ノロ殿内のデイゴの大木は結局場所が分からなかったので、諦めて先に進む。

島の西岸には「夕日の浜」と呼ばれる場所があったが、気付かないまま通り過ぎて勢理客(じっちゃく)の集落に入る。ビーチに立ち寄ってから集落を出て、島の西端にある飛行場(伊是名場外離着陸場)を見学。エアードルフィンによるチャーター便が飛んでいたこともあるが、現在は緊急輸送のみとなっている。外周道路に戻って小さな峠を越え、島の北部にある内花橋公園へ。巨大なシーサーの形をした展望台らしきものがあったが、周囲は立入禁止となっていたので、近くの海から伊平屋島を眺める。川沿いに一旦内陸部に入って、逆田(さーた)を見学。多の田が涸れている時も高台にあるこの田だけは水があったので、下から上に水が流れたということで付いた名前だそうだが、由来には別の説もある模様。帰りは別の道を通って最北端の打鼻岬に行ってみたが、漁港となっていて展望が開けた場所はなかった。

満月の光の道

島の東側に回り込み、尚円王生誕地に立ち寄ってから仲田港に出る。ここからもうひと頑張りしようにもかなり疲れていたので、余力が残っているうちにと宿に向かったが、最後の坂道が辛かったりする。なんとか宿に帰り着いて、空調の効いた部屋でひたすら休憩。一日で外周道路を一周だとか、夕日の浜の日没を見に行くとかはとても無理。それでも夕食が終わる頃にはだいぶ元気を取り戻したので、近くで星でも観に出掛けようかなと窓の外を見たら、煌煌と輝く満月。という訳で取り止めた訳であるが、その代わり昇ったばかりの月が海に光の道を投げかけていたので、カメラを窓に置いて撮影してから寝床に入る。