2012/10/08(月)

三段壁

今日も早めにチェックアウトして、バスで一旦駅に出て荷物をロッカーに預ける。往復で1時間近くロスすることになるけれど、ずっと重い荷物を背負ったままだと疲れるからね。折り返しのバスに終点の三段壁まで乗って、展望所から海へと続く崖を眺める。今日は晴れの予報だったのに朝から曇っているけれど、時々日が射している。割引券を使って近くの受付でチケットを買い、エレベーターで一挙に36m真下に降りる。その昔熊の水軍が船を隠したと言われる洞窟があり、当時を再現した小屋もある。海面とほぼ同じ高さに通路があり、外から押し寄せた波が目の前を過ぎて、奥の岩壁で砕け散る。今日は小潮なのだそうだが、それでも十分な迫力である。小規模ながら潮吹き岩もあったので撮影を試みるが、暗い環境で一瞬のことなのでなかなか難しい。エレベーターで崖の上に戻り、付近を散策してから、予定していたバスで次の目的地に向かう。

町内循環線でバスセンターを過ぎ、臨海で下車して港に沿って歩く。道なりに海から離れると「南方熊楠記念館」の門が見えて来る。敷地内には様々な木が植えられているが、急な坂道が続き最後は階段となり、高台にある記念館の建物に辿り着くまでが結構キツい。昨日に続いて今日も登ることになるとは思わなかった。1階で入館券を購入し、2階の展示室に上がる。南方熊楠は博物学者、生物学者そして民俗学者で、語学も堪能だったそうで、展示室は小さめだけど生涯にわたる縁の品々が所狭しと並んでいる。子供の頃は様々な書物を模写して内容を暗記したとのことだが、その写本も展示されている。見学が済んでから屋上に出ると、周囲360度を見渡すことが出来たが、空が曇っていたので景色としては今ひとつ。

円月島

帰りは道の途中にあった京都大学白浜水族館に立ち寄る。昔は全国各地に大学の水族館があったそうだが、現存では唯一らしい。小さいながらも生物の種類が多いのが特徴で、通常の水族館に比べると魚類の比重が小さく、無脊椎動物の水槽が半数を占めている。見学後はバス停を通り越して海沿いを歩き、円月島を正面から眺める。2つの岩の間に円形の穴が貫通していることから、その名がある。季節と角度を選べば、円窓越しに沈む夕日が見られるようである。まだ曇っていたので写真のコントラストが低くなるが、午後になって晴れたとしても逆光になってしまう。昼を過ぎて空腹になっていたけれど、近くに適当な食事処がなかったので、そのままバスに乗って千畳口に移動し、昨日と同じコンビニで軽食を調達。

白良浜

腹ごしらえしたところで海辺まで歩き、昨日は夕日の撮影だけで立ち去った千畳敷を、明るい時にじっくりと眺める。水平の地層が走る岩場が浸食され、独特の景色になっている。撮影終了後は再びバスに乗って白良浜に向かう。先程の千畳敷から1kmも離れていないのに、景色は打って変わって、真っ白な砂浜が弓なりに青い海を取り囲んでいる。天気はすっかり回復して青空が広がり、より一層南国らしい風景になっている。次の目的地はそれ程遠くなかったので、海岸沿いに県道を歩き、分岐点から細道を進んで岬の先端にある「崎の湯」へ。脱衣所があるだけの岩場の露天風呂で、目の前の太平洋を見ながらのんびりと過ごす。

一通り観光を終えたところで、バスに乗って駅に戻る。白浜にはアドベンチャーワールドやとれとれ市場といったメジャーな施設もあるけれど、連休中は混んでそうだったので最初から選択肢に入っていない。土産を買って荷物を取り出し、待合室で時間調整してから改札を通ってホームに出る。白浜始発の特急「くろしお」は、最新型の287系。車内設備は新しいけれど、振り子機能がないので、在来形式よりも所要時間が数分長いらしい。臨時増発列車だったせいか、連休最終日の午後だというのに、車内は思ったよりずっと空いていた。紀伊田辺、和歌山を過ぎ、阪和線に入って日根野で下車。関空快速との接続が良くなくて、ホームで20分以上待つことになる。

終点の関西空港に到着した時は既に暗くなっていた。秋葉原からここまで乗車券としては片道1枚で、特急券5枚と組み合わせて使う。関東から関西に来る時は、まず使うことのない関西空港も、和歌山からだと便利である。それを言うと白浜にも空港があって、羽田までの直行便があるのだけど、普段利用する航空会社は就航していないという理由で、わざわざ関空まで来てたりする。今日も昼を軽く済ませていたので、とりあえずターミナルビルで店を探して夕食。保安検査後は、最近改装が終わったばかりのラウンジでネットをしながら休憩。

搭乗したのはB737-800。今月飛行機に乗るのはこの1回きりなので、機内誌に一通り目を通しておく。羽田に到着すると久しぶりの沖止めでバス連絡。空港から最終の高速バスに乗って帰宅。