2013/05/02(木)

国立美術館

朝起きた時は空一面雲に覆われていたが、次第に晴れ間が増えて来る。宿を出て暫く歩いて、ナショナル・モール(National Mall)へ。首都の中心部を東西に横切る緑地帯で、両側にはスミソニアン博物館群(Smithsonian Museum)が建ち並んでいる。今日最初の目的は、その建物の中の一つだが、スミソニアンには属していないナショナル・ギャラリー(National Gallery of Art)。開館と同時に西館(West Building)正面から入って、まず目指すのはオランダ絵画の小部屋で、フェルメールの4作品と対面。昨夜のうちに公式サイトで作品検索をして、展示場所が出ていることを確認しておいたけど、実物が確かにあったので一安心。一昨年日本に来た「手紙を書く女」の両側に「赤い帽子の女」と「フルートを持つ女」が、それらと少し離れて「天秤を持つ女」が展示されている。「赤い帽子」と「フルート」は、他のフェルメール作品に比べてサイズが小さく、カンバス材料も異なるため、真贋論争があるらしいが、とりわけ「フルート」は比較的最近になって同定されたため、作者蘭にも"Attributed to~"と表示されている。部屋にはずっと他に人がいない状態だったので、各作品の前で数分ずつ立ち止まって、日本のフェルメール展では考えられない程に贅沢な鑑賞をする。主目的を果たしたところで、西館の西側の各部屋を順に見て行く。ラファエロ、ダビンチ、エルグレコ、レンブラント、ルーベンスなど、錚々たるコレクション。地下のカフェテリアでの昼食を挟んで、ゴッホやルノワール、ドガなどの印象派作品も鑑賞。モネも初期作品でははっきりとした色合いで描いていたんだね。西館を一通り回ったところで、最後にもう一度フェルメールを見てから退館。

航空宇宙博物館

続いて訪れたのはナショナル・モールの向かい側にある、国立航空宇宙博物館(The National Air and Space Museum)。入口のロビーにはアポロ11号の司令船などが展示されていて、月の石にも直に触れるようになっていたが、感触としては“つるつるとした石”である。展示をじっくり見て行ったらかなり時間を要することになるので、ライト兄弟の飛行機「ライトフライヤー号(Wright Flyer)」、零戦、ボーイング747のコックピットなど、主な見所を足早に回るだけにする。外に出るとすっかり天気が良くなっていて、雲一つない青空が広がっている。ナショナル・モールを東に歩いて、グラント記念碑(Ulysses S. Grant Memorial)を経由して、アメリカ合衆国議会議事堂(United States Capitol)の正面に出る。かなり大くて荘厳な建物で、頂上には星条旗がはためいている。そのすぐ近くにはアメリカ植物庭園(The United States Botanic Garden)があったので、温室や庭園を見学。

ホワイトハウス

歩き疲れていたので、次の移動は地下鉄で~ということで、フェデラル・センター駅(Federal Center SW)を見付けてエスカレーターを下る。ニューヨークの地下鉄が全線均一料金なのに対し、ワシントンは区間制で時間帯によっても料金が異なる。そのため金額を細かく指定して乗車券を買えるようになっているが、プリペイドカードのように複数回使うことも可能なので、適当に10ドル分を購入。路線は色別になっていて、同じホームにブルー・ライン(Blue Line)とオレンジ・ライン(Orange Line)の両方が系統が停車するが、市中心部では全く同じルートなので、次に来た列車に乗り込む。ニューヨークは古くからある地下鉄の雰囲気で駅ごとに個性があったが、ワシントンはどの駅も近代的で、どの駅も共通デザインで照明がかなり暗いので驚く。マクファーソン・スクエア(McPherson Square)で下車して地上に出てから暫く歩くと、大統領官邸であるホワイト・ハウス(White House)の前に着く。自動車は通行禁止になっていたが、歩行者はフェンス越しに建物を見ることが出来た。

夕食は近くのレストランにしようかなと思いつつ、特に食べてみたい地元料理がある訳ではなかったし、税金やチップや円安のことをつい考えてパスしてしまった。すごすごと地下鉄でウォーターフロント駅(Water Front)に向かい、昨日と同じスーパーでフォカッチャやブレッド・プディングを買って、宿に戻ってから食べる。