2013/09/23(月)

今日も朝から良い天気。宿をチェックアウトして、中央線上り列車に乗ること約30分で、勝沼ぶどう郷に到着。現在のホームよりも低い位置に、スイッチバック時代の旧ホームが残っている。改札を出てロッカーに荷物を預け、EF64が静態保存されている広場を通って、スイッチバック跡を越えると、大日影トンネルの入口が見えて来る。中央線開通時以来のトンネルで、複線化後も1997年に新大日影トンネルが開通するまで、下り線専用になっていたもの。現在は遊歩道となっているが、線路や標識はそのまま残されている。全長は約1.4kmで、壁に掲示されている解説板を読みながら歩いて、大体30分くらい。トンネルを出た先の廃線跡はすぐ次の深沢トンネルとなっていて、こちらはワインカーヴ(地下貯蔵所)として使用されている。遊歩道としてはそこから川沿いに曲がり、谷間のブドウ畑の間を通って県道に合流する。

ぶどう寺

県道から国道に入り、少し歩くと大善寺の前に出る。「ぶどう寺」という別名があり、日本の葡萄栽培の発祥の地とされている。言い伝えによると、行基がこの地を訪れた際、葡萄を手にした薬師如来が夢に現れたのだとか。階段を上った先にある本堂(薬師堂)は国宝に指定されていて、本尊として安置されている薬師如来像は葡萄を手にしているが、普段は非公開となっている。本堂近くからは甲府盆地を眺めることが出来る。また、麓にある宿坊に入って、庭園を見学することも可能である。

ぶどうの丘

道路沿いにはずっとブドウ畑が続いているが、観光農園もあってぶどう狩りの案内も多く見られる。ちょうど収穫の季節を迎え、様々な品種のブドウが実っている。一旦高台にある駅前に戻って、案内標識に従って谷底まで下った後、再び坂道を登る。どちらを向いても斜面にはブドウ畑が広がっている。駅から直接歩くと20分くらいだけど、いろいろ寄り道したため、合計10kmくらい歩いてようやく「ぶどうの丘」に辿り着く。旧勝沼町営、現甲州市営の観光施設で、駅と向かい合う丘の上に位置する。小さな丘なので、どちら側からも眺めが良い。

ワインカーヴ

まずは開店時間直後のレストランで昼食。注文したのはサーモンのソテーと、甲州(樽熟成)のグラス。食後は売店を覗いた後、「天空の湯」でリラックス。その名の通り、露天風呂からの眺めは最高。そしていよいよ、売店の地下にあるワインカーヴへ。専用のタートヴァン(試飲容器)を購入すると、百種類以上あるワインが試飲し放題となる。赤白ロゼ、甘口辛口などに分類された地元ワインの中から、マスカットベリーA、メルロー、甲州、デラウェアなど様々なワインを味見。試飲はその日のうちなら時間制限がないのだけど、後先を考えて十数種類程度に留めておく。一通り用事が済んだところで「ぶどうの丘」を後にすると、駅に向かう途中、ヤマブドウの色とりどりの実を見付ける。

旧高野家住宅

とりあえず勝沼ぶどう郷駅に戻ったものの、予約した列車がくるのは大分先のこと。連休最終日で午後の列車は全て満席なので、指定を変更することは出来ない。そのまま普通列車に乗れば、予定列車よりも早く新宿に戻ることが出来るけれど、さすがにそれは勿体ない。さりとて駅近くで時間を過ごせる場所もなさそうなので、行き当たりばったりで隣の塩山駅に移動。付近に名所はないかなと案内板を見たら、なんとも都合良く、駅のすぐ近くに重要文化財があるではないか。ということで旧高野家住宅、通称「甘草屋敷」を見学。江戸時代後期の建築で、幕府に納める甘草を栽培していたことに因む。主屋以外の建物も一緒に重文に指定されている。

塩山駅前にコンビニが見当たらなかったので、売店でパンを買ってから勝沼ぶどう郷駅に戻る。夕方になって風が強くなり、じっとしているとかなり肌寒く感じる。臨時列車を立て続けに見送った後、ようやくやって来た「かいじ」に乗車。終点の新宿で下車すると、東京の気温はそれ程下がっていなかった。新宿から御茶ノ水・秋葉原を経由して帰宅。