2015/04/30(木)

グエル邸屋上

地下鉄を乗り継いで、バルセロナ旧市街にあるランプラス通り(Las Ramblas)に出る。予約時刻までまだ時間があったので、ミロの路面モザイク、サン・ジュゼップ市場(Mercat de Sant Josep)、ガウディの街灯があるレイアール広場(Plaça Reial)を見て回る。それでもまだ時間が余ったので、周辺を散策してから、路地に面したグエル邸(Palau Güell)へ。アントニ・ガウディ(Antoni Plàcid Guillem Gaudí i Cornet)が最大の後援者である実業家エウゼビ・グエイ・イ・バシガルピ(Eusebi Güell i Bacigalupi)のためにデザインした私邸で、オーディオガイドの案内に従って地下から屋上まで余すところなく見学。曲線を多用したデザインは、あるいは重厚、あるいは斬新で、一つ一つの部屋が驚きの連続となって現れる。パイプオルガンのある吹き抜けの広間や住居階を見た後に屋上に出ると、色とりどりに装飾された煙突が立ち並んでいる。地下や屋上といった、通常は“舞台裏”となる場所までも見所になっている。

サンパウ病院

地下鉄でアシャンプラ(Eixample)地区に移動して、サン・パウ病院(Hospital de Sant Pau)を見学。カタルーニャ音楽堂と同じくムンタネー設計のモデルニスモ建築で、地下通路から中庭に出ると、異国風の建物が左右対称に整然と並んでいる。病院としての役目は終え、現在は再整備した一部の区画を公開している。ガイドツアーでしか入れない場所もあるらしいが、今回は時間が合わなかったので自由見学のチケット(日付指定)を事前手配。あまり時間に余裕がなかったので、中庭や周囲の建物を一通り巡ってから外に出る。この辺りは19世紀に開発された新市街で、正方形の街区が続いているが、サン・パウ病院の正面から対角線をなして伸びるのがガウディ通り。前方にあるサグラダ・ファミリア(Sagrada Família)を見ながら、反対側の端まで歩いて、予約が入っている店で昼食。メニューはハモンセラーノ、マッシュルームのソテーとジャガイモのトルティーヤの3品。暑かったので飲み物はサングリア(sangría)を注文。

サグラダファミリア

時間調整にサグラダ・ファミリア(聖家族贖罪教会/Temple Expiatori de la Sagrada Família)の周囲を回って、様々な方向からの外観を眺めた後は、「生誕のファサード(Façada del Naixement)」を通っていよいよ教会内部へ。白を基調とした空間に、ステンドグラス越しに鮮やかな色の光が映し出され、精緻な装飾が見上げる天井まで続いている。鐘楼のエレベーターも予約に含まれていたが、乗場が2カ所あることを直前になって知り、手元のチケットで確認しておいた「受難のファサード(Façada del Passió)」の方に向かう。鐘楼の上に出ると、今日は天気がとても良いので、バルセロナ市街地が遠くまでくっきりと見渡せる。こちら側の鐘楼は下りもエレベーターが利用可能らしいが、階段ルートを辿って下に降りる。途中の窓からは、今も続く建築工事の作業現場を近くから見ることが出来た。続いて地下にある資料館も見学したが、一部改装中で、ガウディがアーチ曲線を求めるために使用した“逆さ吊り模型”は見られなかった。教会内部を再び眺めた後は、「受難のファサード」の側から外に出る。

カサミラ

またしても次の予約時間まで間があったので、長距離列車のターミナルであるサンツ駅(Estació de Barcelona-Sants)に移動して、構内のカフェテリアで休憩してから、明後日の下見をしておく。再びアシャンプラ地区に戻って、本日3件目となるガウディ建築、カサ・ミラ(Casa Milà)に入る。今も現役の共同住宅は、コンクリートが波打つような外観で、ラ・ペドレラ(石切場/La Pedrera)という別名がある。吹き抜けを通ってエレベーターに乗り、屋上に出るとそこはまるで月世界のような不思議な空間。不思議な形の煙突が立ち並び、それらを迷路のように曲線と階段が結んでいて、広くて平らな場所は殆どない。一つ下の階は共用スペースとして設計された屋根裏で、様々な大きさのアーチの連続が、あの屋上を形作りながら支えている。もう一つ下の階は、居間、寝室、台所など20世紀初頭の生活空間を再現していて、どちらの階も一周して見学するようになっている。そこより下の階は入居者がいるため非公開で、階段を降りて通過する。

昨日に続いて今日も結構歩き回ったので、途中で飲料だけ調達してから宿に戻り、夜は携行食で済ませる。