2015/04/29(水)

モンジュイック城

宿を出て旧市街の北にあるカタルーニャ広場(Plaça de Catalunya)まで歩き、地下の観光案内所で事前購入していた「バルセロナ・カード」を受け取ってから観光開始。地下鉄でエスパーニャ広場(Plaça d'Espanya)に移動して地上に出ると、2本の巨大な柱が門のように聳え、そこから続く道の奥に丘の上に立つ美術館がある。バス停で時刻を確認したら、次は10分くらいで来ることになっていたので、そのまま待つ。混雑している連接バスに乗って、モンジュイック(Montjuïc)の丘に上ると、停留所ごとに乗客は減ってゆき、終点まで乗り通す人は僅かだった。まずは一番奥まったところから、ということでモンジュイック城(Castell de Montjuïc)を訪れる。18世紀に築かれた要塞で、屋上に出ると視界はさらに広がる。空は薄曇りで、遠くの山は少し霞んでいるものの、地中海に臨むバルセロナの市街地が一望できる。

帰りはゴンドラに乗って丘の上の高台に戻り、ミロ美術館(Fundació de Joan Miró)を訪れる。直訳すると「ミロ財団」で、ミロの絵画や彫刻作品のみならず、現代芸術作家たちの作品を集めた企画展も行われている。続いて訪れたのが、カタルーニャ美術館(Museu Nacional d'Art de Catalunya)。先ほどスペイン広場から見えていた建物で、カタルーニャを中心とした中世から現代までの作品が展示されているが、内部はかなり広いので早足で見て回る。教会の壁画が数多くあり、元あった礼拝堂の状態を立体的に復元している。近代以降のコーナーには、エル・グレコ、ゴヤ、ルーベンスといった有名画家の作品もある。もちろんピカソ、ミロ、ガウディも。美術館前の大階段を降りてスペイン広場に戻る。途中にあった噴水で夏場は毎晩、光と水のショーを行っているらしい。

パエリア

地下鉄を乗り継いで、ガイドブックに載っていた店で昼食。通常は2人前以上となっているパエリア(paella)が、この店では1人前から注文可~と有名ガイドブックで紹介されている上、午後2時前というのは当地では昼食には少し早いせいか、店内は日本人客が多かった。日本ではパエリアというと魚介が定番だけど、本場スペインでは色んな種類がある。注文したのは、パエリア発祥の地の名を持つパエリア・バレンシアーナ(paella valenciana)で、肉と豆が入っている。思ったよりも食事に時間が掛かったので、店を出た後は急いで次の場所に向かう。

カタルーニャ音楽堂

地図を頼りにカタルーニャ音楽堂(Palau de la Música Catalana)にたどり着くと、正面にあるのは券売所のみで、見学用の入口は隣に増築した建物の横手だった。現在もコンサートが開催される現役の劇場だが、ガイドツアー(英語、カタルーニャ語、スペイン語)で内部を見学することも出来る。解説映像を観た後、上階のロビーやテラスに続いて音楽堂内部へ。ガラスや彫刻で埋め尽くされた空間は荘厳というより他ない。建物全体を設計したのは、モデルニスモ建築を代表するリュイス・ドメネク・イ・ムンタネー(Lluís Domènech i Montaner)。クラシックからポピュラー、ロックまで演目はジャンルを問わないが、舞台が狭いためオーケストラは無理なのだとか。

次の予約まで時間があったので、一旦宿に戻ってチケットが届いていることを確認してから、旧市街に出直す。地下鉄の駅から細い道を辿ってピカソ美術館(Museu Picasso)へ。中世の城館を利用した建物で、内部は意外と広く少々複雑な構造になっている。まずは常設展からということで、年代順に作品を鑑賞。初期は写実的な絵を描いていたことは知っていたけど、ここまで沢山集まっていると、後年とは全く異なる画風に驚かされる。少年期から青年期にかけての作品が充実しているが、パリ移住以降の抽象画はあまり多くない。館内で少し時間調整してから特別展「ピカソ/ダリ、ダリ/ピカソ」も鑑賞。外はまだ明るかったけれど、すでに歩き疲れていたので、すぐ近くのサンタ・マリア・ダル・マル教会(Església de Santa Maria del Mar)に立ち寄ってから宿に戻る。