2015/07/31(金)

昨日に続いて今日も朝から良い天気。ウィーン市内ではまだベルヴェデーレ宮殿(Schloss Belvedere)に行っていないのだけど、当初予定していた通りに遠出することに。地下鉄を乗り継いでウィーン中央駅(Wien Hauptbahnhof)に出て、券売機で切符を購入。ウィーン中央駅は、頭端式だった旧ウィーン南駅の隣に、通過式の新ターミナルとして今年開業したばかりの真新しい駅。案内に従って高架ホームから、4両編成の快速列車に乗り込む。ドナウ川(Donau)を渡って東に向かい、5箇所に停車してから国境を越える。といってもシェンゲン域内なので手続きはない。スロヴァキア国内に入り、2つ目の停車駅が終点のブラチスラヴァ中央駅(Bratislava hlavná stanica)に到着。ウィーンはオーストリアのほぼ東端にあり、ブラチスラヴァはスロバキアの西端にあるので、直線距離にして50km程度。ローマとバチカンという例外を除けば、欧州の首都同士では最も近くにある。両首都を結ぶ快速列車は、1時間に1本の運転(バスの他、船便もある)。通貨はユーロなので、ウィーンからは国内感覚で訪れることが出来る。駅構内の観光案内窓口で地図を貰ってから、旧市街に向かって歩き始める。

ミハエル門

中央駅から旧市街までは坂道を下って約20分。かつての城壁の名残であるミハエル門(Michalská brána)を潜ると、昔ながらの家並みが目の前に広がる。ガイドブックはスーツケースの中だけど、ある程度予習していたので、手元の地図のお勧めコースを辿って旧市街散策。旧市庁舎(Stará radnica)に面したフラヴネー広場(Hlavné námestie)を経由し、スロバキア国立劇場(Slovenské národné divadlo)の前を通って、ドナウ川(Dunaj)の畔に出る。大型船が停泊しているので、写真を撮ろうとしてもなかなか難しい。

ブラチスラヴァ城

そのまま河岸を歩いて、橋に繋がる高架道路の下を潜って、丘の上に続く坂道を登り始める。途中の景色も眺めながら、たどり着いたのがブラチスラヴァ城(Bratislavsk将hrad)。四隅に塔を持つ四角い建物で、“テーブルをひっくり返したような”と形容される。17世紀に現在の姿となったが、19世紀の火災以降は荒廃した後、戦後になって復旧。入場券を購入し、城内の礼拝堂や常設の絵画、特別展や宝物庫などを一通り見学。コースの途中で塔の一つに登れるようになっていたので行ってみたら、階段が急で結構大変だったけど、ドナウ川や周囲の景色を見渡すことが出来た。ただし旧市街方面は城の建物の陰になっていたのが残念。

ブラチスラヴァ旧市街

ちょうどいい頃合いになったので、城の近くのレストランに入って昼食。注文したのはドナウの川魚のスープとグラーシュ(guláš)。グラーシュはもともとハンガリー料理だけど、中欧諸国に広まっているので、ウィーンやプラハでも食べたことがある。レストランは高台の端にあるので、テラス席からは旧市街の赤い屋根を眺めることが出来る。近くに展望台があったので、食後に行ってみたが、ドナウ川方面は展望が開けていたものの、旧市街から北側に掛けては木々が視界を遮っていた。あまり時間がなかったので、さっきとは違うルートで旧市街を歩き、坂道を登って中央駅に戻る。

列車でウィーンに引き返して、地下鉄で美術史美術館(Kunsthistorisches Museum)へ。目的は勿論、フェルメール作品「絵画芸術」。10年前に見た際、表現力に驚いたことがフェルメールにハマるきっかけとなったので、パリで全作品(暫定)コンプリートした直後としてふさわしいかも。カナレット、ルーベンス、レンブラントやブリューゲルなどを中心に、絵画部門のみを一通り鑑賞しておく。外に出て一旦宿に戻ってみたら、無事荷物が届いていた。今朝の段階で、オンラインで状況確認したら「配達開始」となっていたので、多分大丈夫だとは思いつつも、今日中に受け取れなかったらさらにややこしいことになっていたので、一安心。

楽友協会

環状道路に出て、周辺を回って時間調整してから、国立オペラ座(Staatsoper)近くの店で夕食。ツアーを通じての予約で、コース料理とウェルカムドリンクのスパークリングワインは料金に含まれていたので、グラスワインの赤と食後のコーヒーを追加注文。時間に余裕があったので、席でゆったりと過ごしてから、少し離れた場所にある楽友協会(Musikverein)まで徒歩で移動。今夜のメインイベントは、「黄金のホール(Goldener Saal)」でのコンサート。その名もウィーン・モーツッアルト・オーケストラという楽団が、このホールを中心に、夏場はほぼ毎晩モーツァルトの演奏を行っているのである。しかも全員当時のコスチューム(カツラを含む)で。指定された席は、中2階の前方最前列だった。服装はカジュアルで大丈夫そうと思いつつ、念のためジャケット着用でいったけど、Tシャツの観光客もいたりする。コンサートは2部構成で、器楽曲や声楽曲も含めたモーツァルトづくし。中でも「小夜曲」や「トルコ行進曲」といった知っている曲が演奏されると、やっぱり嬉しくなる。最後の2曲だけはモーツァルトではなく、ヨハンシュトラウス2世の「美しき青きドナウ」と、同1世「ラデツキー行進曲」。アンコール扱いの後者は、観客の手拍子付きだったことは言うまでもない(^o^)  終演後、外に出るとすっかり暗くなっていたので、わずか2駅だったけれど地下鉄に乗って宿に帰る。