2016/04/30(土)

今朝も良い天気だけど、予報では午後から天気は下り坂。今日も宿から旧市街まで歩いて、昨日はそばを通過しただけのサンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂(Cattedrale di Santa Maria del Fiore)へ。切符売り場で共通券を購入してから、クーポラ(cupola)の行列に並ぶ。少し出遅れたけど、待ち時間は20分と少しで済んだ。入口のゲートを通った後は、ひたすら階段を登り続ける。途中、祭壇上方にある天井画の周囲を巡る通路に出る以外は、ずっと狭い空間を進むことになる。上りと下のルートが一部重なっているため、ところどころで行き違い待ちとなる。ようやく展望台に出ると、周囲には赤い屋根の街並みが広がっていて、それを取り囲む山々の緑や、空の青との対比が美しい。いつまでも眺めていたい景色だけど、時間の都合もあるので、写真を取りながら何周か回ってから、階段を降りる。帰りは天井画の反対側を通って外に出る。

ジョットの鐘楼

サン・ジョヴァンニ洗礼堂(Battistero di San Giovanni)に続いて大聖堂内部と地下を見学した後は、ジョットの鐘楼(Campanile di Giotto)にも登る。こちらは上りと下のルートが完全に同じで、ほぼ垂直方向に階段を登ることになるが、途中階が幾つかあって適宜休憩することが出来る。最上階からの景色はクーポラとあまり変わらないが、クーポラを同じような高さから眺められるのが最大の特徴である。丸天蓋をよく見ると、テラスに人影を確認出来たので、先程いた場所であることを実感。 こちらでも一通り景色を眺めてから、階段を降りて外に出る。

フィレンツェ旧市街

まだ天気はもちそうだったので、景色を求めてもうひと頑張りいうことで、ヴェッキオ橋を渡って、アルノー川の対岸を歩き続ける。ジュゼッペ・ポッジ広場(Piazza Giuseppe Poggi)から斜面の階段を登り続け、その先にある坂道を登り続け、やっとたどり着いたのがミケランジェロ広場(Piazzale Michelangelo)。高台からは、アルノー川の向こうに、フィレンツェの旧市街地が広がっていて、さっき登ったばかりのクーポラやジョットの塔が浮き上がるように見える。ダビデ像のレプリカ(青銅製)の前を通って、山に繋がる北側の景色も見てから麓に降り、ピッティ宮殿の近くの店で昼食。注文したのはトマトとモッツァレラのサラダと、チキンソテー。グラスワイン(白)も勿論忘れずに。

ボーボリ庭園

午後は昨日パスしたピッティ宮殿に入る。共通券が2種類あるのだけど、行きたい2つの施設が別々になっていたので、やむなく両方を購入。まずはパラティーナ美術館 (Galleria Palatina)を見学。ラファエロ・サンティ(Raffaello Santi)のコレクションで知られるとのことだが、通常の美術館と異なり絵画には作者や題名を示すプレートはなくて、部屋に備え付けの一覧表で照合するようになっている。恐らく家具などの調度品と同じく、宮殿の装飾の一部という位置付けなのだろう。あまり時間がないので、いちいち確認するのは大変かなと思っていたら、画風からするとなんとなくこの絵かな、とあたりを付ければ大体は正解だったし、額縁に作者名が記されたものもあった。続いて宮殿の中庭を通って、ボーボリ庭園(Giardini di Boboli)を散策。入口から斜面を登って噴水広場を通り、宮殿を見下ろす高台に出る。庭園はかなり広くて西側に並木道が続いていたが、次の予約の時間が迫っていたので、そちらの方向を一瞥しただけで、そのまま宮殿を通って外に出る。

ヴェッキオ橋を渡って旧市街を急ぎ、予約時間の少し前にアカデミア美術館(La Galleria dell'Accademia a Firenze)に到着。専用窓口でバウチャーをチケットに引き換えてから、通りの反対側の入口に向かう。ルネサンス絵画や彫刻、楽器などが展示されているが、最も有名なのがミケランジェロのダビデ像(David di Michelangelo)のオリジナル。16世紀当初はヴェッキオ宮殿(Palazzo Vecchio)の前に設置されていたが、19世紀に現在地に移され、元の場所は後にレプリカが置かれている。高さ5メートルの像を間近から見上げると一層の迫力があるが、横からも後ろからも鑑賞出来るようになっている。館内を見学した後、外に出ると本格的な雨が降っていたが、傘を持参していたのでそのまま近くのサン・マルコ美術館(Museo di San Marco)に移動。修道院だった建物の中に展示されている絵画や彫刻を見て回っている間に、雨は殆ど止んでいた

タリアータ

旧市街を横切って宿に一旦戻り、夕方になって再び外出。再び本降りになっていた雨の中、サンタ・マリア・ノヴェッラ駅に立ち寄って構内の構造を確認してから、その向こうにあるトラットリアで夕食。一応事前に予約しておいたのだけど、開店と同時に入ったので必要なかったかも。メニューの中から選んだのは、地元料理のリボッリータ(Ribollita)とビーフのタリアータ(Tagliata)。フィレンツェが属するトスカーナはワインの産地として知られるだけあって、ハウスワイン(赤)のグラスでも十分美味で、料理と一緒に堪能。勢いでデザートも注文。帰る頃には雨脚が強まっていたが、頑張って宿まで戻る。今日は3箇所の展望台に登っただけでなく、水平方向にも6キロ以上は歩いた計算になる。