2018/07/21(土)

宿をチェックアウトして、コンビニで買い物してからバス乗り場に向かうと、既に行列が出来ていた。案内所の自動券売機で2日間有効のフリーきっぷを購入してから列に並び、やって来た始発のバスに乗車。大型バスだったので乗車率は半分くらい。青森市街地を出て、国道102号線で山間部に向かう。車内でWiFiが使えたので、ようやく落ち着いて情報収集出来ると言いたいところだけど、揺れる車内では長時間は無理。東北北部は昨日梅雨明けしたが、今日の午前中はまだ曇っているので、途中の「岩木山展望所」バス停付近から岩木山は見えなかった。萱野茶屋で1回目の休憩となったので、一旦車外に出て体を伸ばす。八甲田山を見ながら酸ヶ湯温泉を過ぎ、峠を越して猿倉温泉や谷地温泉を経由して、蔦温泉で2回目の休憩。その後は十和田湖温泉郷、焼山を通って、奥入瀬川沿いに走る。遊歩道は焼山から始まっているが、2つ先の石ヶ戸(いしげど)で下車。

奥入瀬渓流

休憩所近くから遊歩道に入り、奥入瀬川沿いに歩き始める。川は湖から流れ出ているので、上流に遡る方向になるが、高低差は大きくないので歩くのは大変ではない。緑の木陰の中をゆるやかに水が流れているが、所々で段差があって白く濁った急流となっている。巨石が作る岩屋である石ヶ戸や、川崖の屏風岩を通り過ぎ、馬門橋を渡って左岸に出ると、程なく「阿修羅の流れ」に行き着く。奥入瀬渓流を代表する景色で、苔むした岩の周りを急流が洗ってゆく。

銚子大滝

裸渡橋で右岸に戻ると、両岸からはしばらくの間、様々な滝が流れ込む。そのうち雲井の滝や九段の滝は、本流から奥まった場所まで遊歩道が続いていて、間近から滝を見ることが出来るが、その他の滝は川向こうの木々の間だったり、斜面上方の車道の向こうだったりと、一部しか姿を見られないものが多い。歩き始めてから2時間半で、銚子大滝が見えて来る。奥入瀬川本流が滝となっていて、落差7メートル、幅20メートルの堂々とした姿は、“大滝”の名にふさわしい。その先は遊歩道が一部通行止めとなっているため、神明橋から百両橋まで車道を歩くことになる。遊歩道に戻って水門を通り過ぎると、ようやく終点の十和田湖畔の子ノ口(ねのくち)に到着する。

十和田湖

時刻表を確認せずに、完全にマイペースで歩いていたら、ちょうど船が出た直後の到着となってしまった。子ノ口から少し離れた場所に見所があったようだが、既に荷物を背負って3時間歩いた後だったので、乗船券を買ってから待合室で休憩すること1時間。乗船開始となったところで双胴船に乗り込む。連休中の箱根に比べると、さすがに空いている。十和田湖の標高(湖面)は400メートルと芦ノ湖よりも低いものの、北にあるので猛暑の大阪から来るとやっぱり涼しい。十和田湖は南岸から御倉(おぐら)半島と中山半島が突き出ているが、子ノ口港を出た船は御倉半島の先端を過ぎると、二つの半島の間を回り込む。若干雲が多いものの、午後から晴れているので景色は上々。小さな島々を見ながら中山半島沿いに進んで、1時間弱で休屋港に到着。

まだ時間に余裕があったので、下船後は湖岸沿いに歩いて御前ヶ浜へ。湖岸に建つ「乙女の像」は、高村光太郎最後の作品なのだとか。すぐ近くの十和田神社に立ち寄ってから、参道の杉林を経由して港前に戻り、さらに少し歩いて宿にチェックイン。夕方になって雲が多くなって来たので、湖岸に沈む夕日は見られず。夕食は奥入瀬ポークと青森名物せんべい汁。