2019/08/03(土)

サンフランシスコ名物のケーブルカーに乗るなら今日しかないのだけど、土曜日なので昼間はこれまで以上に混雑が予想される。ということで朝6時に宿を出て、地下鉄の駅で一日乗車券カードを購入してから地上に出たら、乗り場には誰もいない。そしてケーブルカーも暫く来る気配がない。始発は6時のはずだけど、さすがにこの時間帯は運転本数が少ないのだろうか。若干の人通りがあるとはいえ、まだ薄暗いなかでじっと待つのもちょっと不安だったので、一旦宿に戻って朝食を取ってから出直す。

ケーブルカー

7時過ぎに乗り場に行ったら、もう30人近く並んでいた。折り返しのケーブルカーが見えていたけど、車体表示を見るとパウエル・メイソン線(Powell-Mason Line)になっている。観光客に人気なのはもう一つのパウエル・ハイド線(Powell-Hyde Line)の方で、手動転車台を使って折り返した後、乗務員も次のケーブルカーの方が眺めが良いと案内している。どうしようかなと思っているうちに、直前で座席が埋まったので、次の車両を待つ。といってもまだ運転間隔が長いせいか、見通しが良いのになかなか姿を現さない。10分以上経ってようやく到着し、暫くしてから折り返したパウエル・ハイド線車両に乗り込む。車両番号はトップナンバーの1。横向き座席だけど、一番前なので眺めは抜群。ほぼ満員となったところで発車。

朝の海岸通り

サンフランシスコのケーブルカーは、3路線のみが現存。路面電車のように街中を走るため、線路の間の循環式ケーブルが、道路の下を回っている。各車両はそれを掴んだり離したりすることで、走行と停車を切り替えている。その操作をする係員をグリップ・マン(grip man)と呼び、車掌とペアを組んで乗務している。乗車後暫くすると車掌が来たので、カードを提示すると読み取り機で確認。観光客で常時混雑しているからか、1乗車7ドルとかなり高めの値段設定だけど、路面電車やバスと共通の1日乗車券(12ドル+初回はカード代3ドル)が使える。パウエル通りをぐんぐん 登り詰めた後は、一旦下ってカーブを曲がって細い急坂を登る。パウエル・メイソン線の軌道と分かれ、坂を下ったり上ったりを繰り返して、ロンバート通りのつづら折れの上側に出る。ここで半数以上の乗客が下車。前方にサンフランシスコ湾やアルカトラズ島を見ながら、最後の急坂を下ってフィッシャーマンズワーフ地区の終点に到着。3日前に利用した店のすぐ目の前だったりする。まだ人影もまばらな海岸通りを歩いて、パウエル・メイソン線の始発停留所に行く。後から車番をみると、さっき見送った車両だった。さすがにこの時間だとがら空き。パウエル・ハイド線とほぼ並行しているが、こちらは単調に上って降りるだけとなる。

ダウンタウンに戻ってホテルの部屋で荷造り。昨日の夜、大きめのスーパーで1巻単位のキッチンペーパー(99セント)を入手したので、ワインボトルをこれでもかという程ぐるぐる巻きにする。これなら緩衝材になると共に、万一破損しても吸収出来るという算段。念のためビニール袋と交互に3重に包んで、スーツケースの端の方に入れ、ケース全体も隙間なく詰め込んで完了。チェックアウトして荷物を預けた後は、近くの停留所でバスを待つ。この辺りは路線が並行しているため、1つの停留所に事実上1つの系統しか来ないので、迷うことはない。38R系統(快速)に乗って西に向かうと、途中から通りの名前が数字になるので、目的地までの進み具合も分かりやすくなる。33番通り(33rd Street)で降りてバス停を移動したら、次のバスは10分以上先という表示。ダウンタウンを出た時はほぼ快晴だったが、街の西側に来ると霧に覆われていて、風が少し肌寒い。ようやくやって来た18系統に乗って、折り返し点となる丘の上で下車。晴れていれば見晴らしがいいのだろうけど、霧なので周囲は何も見えず、ただ船の警笛らしきものが響く。

リージョンオブオナー

ダウンタウンから1時間掛けてやって来たのは、リージョンオブオナー(Legion of Honor)美術館。特別展まで見ている時間はなさそうだったので、常設展のチケットを購入。ロッカーやクロークはないようだったので、そのままカバンを持ったまま鑑賞。ロダンの彫刻群やフランスの調度品展示の他は、ヨーロッパの絵画が中心で、中世・ルネサンスから、エル・グレコ、レンブラント、そしてモネ、ルノワール、ゴッホなど印象派の作品も。ただ建物は思った程大きくなかったので、意外と早く常設展を一巡。途中で地下のカフェに行って、ホットサンドイッチを食べて休憩。メニュー名は特別展に因み、「ルーベンス」になっていた。美術館を出て停留所に行ったら、次のバスは20分以上先という表示だったので、歩いて麓まで降りる。帰りは始発の1系統に乗ったら、トロリーバスだった。各停系統といってもバスなのでそれ程時間に差がある訳ではない。パウエル通り(Powell Street)を過ぎたグラント通り(Grant Street)で下車して、全米最大級のチャイナタウンを散策してからダウンタウンに歩く。ケーブルカー博物館(Cable Car Museum)も行ってみたかったけど、時間がなかったので断念。

宿で荷物を受け取って、地下駅でBARTの切符を購入してホームに降りると、次の列車は20分先という表示。時刻表からすると10分遅れになっているけれど、どうやら保守工事の影響らしい。途中のデイリー・シティー(Daly City)までの列車を何本か見送って、やっと来た10両編成の列車に乗って空港入り。市街地を出てからずっと霧の中を走っていたが、空港周辺は快晴。さすがに霧の影響を受け難い場所に空港を作ったのかな。カウンターで確認したところ、別切りチケットだとスルーチェックインは出来ないとのことだったので、最初の目的地であるロサンゼルスまでの搭乗手続きを済ませる。優先レーンも混雑していて、保安検査にも時間を要したため、ラウンジで小休止しただけですぐに搭乗口に向かう。帰りもB737-900かと思ったら機材変更になったようで、B757の国際線仕様だった。全員の搭乗が終わってからも30分近く待機していたが、荷物の積み込みに時間を要していた模様。サンフランシスコ湾やシリコンバレー方面を見ながら上昇したが、後方の市街地は殆ど霧に隠れていた。今回もスナック菓子はパスして、機内では白ワインと水だけを飲む。

ハンバーガー

ロサンゼルス市街地では北側から旋回したので、今度はハリウッド・サインを肉眼で確認することが出来た。遠くにサンタ・カタリナ島を見ながらロサンゼルス空港に着陸。手荷物を受け取った後は、ターミナル間連絡バスで移動。トム・ブラッドレー国際線ターミナル(Tom Bradley International Terminal)に到着した時点で、搭乗手続き開始の2時間前。出発ロビーは大勢の乗客で混雑していたが、奥の方に飲食店があったので、夕食にハンバーガーを注文。待ち時間を含めて1時間を過ごしたが、ずっと座っているのも疲れるので、店を出てロビー内を歩いたりベンチに座ったりを繰り返す。ようやく搭乗手続開始となり、荷物を預けて保安検査を済ませ、免税店で買い物をしてからエレベーターに乗って上階ラウンジへ。特に空腹ではなかったので、ソフトドリンクを飲みながらネットサーフィン。じっとしていると眠くなりそうだったので、散歩がてらラウンジ内の屋外デッキに出てみたら、各テーブルで炎を揺らめかせる演出があった。搭乗開始が少し遅れるとのことだったが、搭乗口まで距離があるので、適当なところでラウンジを出る。