2019/09/28(土)

霧の阿寒湖

朝起きて部屋のカーテンを開けたら、窓の外の阿寒湖は霧の中。朝食後に湖岸に出ても視界は数百メートルで、時折吹く風に霧が渦巻くのみ。この調子だと午後まで残るのかな~と思いつつ、ツアーの時間が近付いていたので部屋で支度をしていたら、午前8時ごろになって急に霧が消えて、雲ひとつない青空が広がる。今日の行き先は峠の向こうなので、過度の期待は禁物と思いつつ、阿寒でこれだけ回復していれば大丈夫かな。宿をチェックアウトして、バスターミナルのロッカーに荷物を預けてから、ツアーデスクに急ぐ。

阿寒湖温泉を出発して足寄町に入り、峠まで来ても天気は良いまま。野中温泉で一旦下車して、遊歩道を途中まで歩き、エゾアカマツの純林を見に行く。続いて錦沼を再訪すると、褐色の水面が日差しを受けて煌めいていた。そしてオンネトーに到着し湖岸に出ると、やや逆光気味だけど雌阿寒岳と阿寒富士がはっきり見えている。6月に来た時は雨模様で、対岸すら霞んでいた状況とは遥かに違う。秋は天候が安定していそうと9月末に再訪することにしたのだけど、必ずしも晴れるとは限らない。特に朝の濃霧にやきもきした後だけに、これ以上ない好天に感激。

オンネトー

ツアー自体は2度目の参加なので、湯の滝を訪れた前回とは違うコースということで、湖岸を一周する遊歩道を歩き続ける。エゾアカマツの根元にシャクナゲがあるのを沢山見掛けたけど、初夏に来たら花がさぞや見事なのだろう。前回は花が咲いていたゴゼンタチバナやフッキソウは目立つ実を付けている。反対側のキャンプ場あたりから景色は順光に変わる。オンネトーの湖水は場所や天候によって変わると言われているが、昔に比べると青くは見えなくなっているらしい。近年は台風が北海道を直撃するようになって、湖水が攪拌されたのが原因ではないかと言われているらしい。湖面は全体的に風で漣立っていたが、一部風の影響を受けづらい場所があって、そこから眺めると雌阿寒岳と阿寒富士の姿が水面に綺麗に写っている(逆さ阿寒富士?)。道路沿いに何箇所か展望所があり、景色は大体似ているのだけど、湖面が鏡のように静かだったのは1箇所のみだった。

湖岸一周を終えてオンネトーを後にし、阿寒湖畔で下車して雄阿寒岳を眺めてから、阿寒湖温泉に戻って午前のツアーが終了。早めの昼食はアイヌコタンの店でスープカレー。エゾシカとギョウジャニンニクの「縄文カレー」にも惹かれたけど、今日の気分で野菜カレーを注文。午後のツアーまで時間があったので、食後はエコミュージアムセンターまで往復してからツアーデスクに戻る。

太郎湖

今度は阿寒湖温泉を出て東に向かい、滝口バス停の近くで車を降りてトレッキング開始。瀧口は阿寒湖から阿寒川に流れ出す所で、これまで遊覧船で2回、徒歩で1回来ているけど、晴れているのは今回が初めて。雄阿寒岳の登山ルートにもなっている道を歩き、小高い場所を通って太郎湖のほとりに出る。阿寒湖からの水が流れ込み、阿寒川となって流れ出すということは、阿寒湖には滝口が2つあることになるが、現在のメインは太郎湖側で、少し下流側で合流しているとのこと。水が注ぎ込む付近は水紋が広がり続けているが、全体的に湖面は静かで、ウグイの群れが泳いでいるのが見える。

雌阿寒シュー

太郎湖を離れて山道を歩き、登山道と分かれてから次郎湖の岸辺に降りる。こちらは湖に出入りする川はなく、水深も浅いのだけど、冬になっても何故か凍らないらしい。先ほどの太郎湖が青みがかっていたのに対し、次郎湖の方は緑がかって見える。湖岸でカモの群れを眺めながら休憩してから元来た道を引き返し、太郎湖経由でバス停付近に戻る。まだ少し時間があったので、滝見橋まで歩いて紅葉の名所(時期的には見頃前)を見てから、阿寒川の岸まで降りて少し散策。ツアー終了後は温泉街にあるベーカリー前で降ろして貰う。前回は確か「雄阿寒シュー」を食べたはずなので、今回は「雌阿寒シュー」を選択。

午後4時の路線バスに乗って、2時間掛けて釧路駅バスターミナルに移動。駅前の宿にチェックインし、今回も夕食はコンビニで済ませる。釧路駅が繁華街(幣舞橋周辺)から離れているため、店そのものが少ないんだよね。今夜も濃霧注意報が発令されているが、明日の天気はどうなるのだろう。