2021/10/10(日)

鏡山展望台より

朝早く宿をチェックアウトして、7時前の筑肥線直通の地下鉄に乗車。1時間と少しで虹ノ松原に到着し、事前に調べておいたルートに従って山の方に歩き始める。国道を渡ると左手に鳥居が見え、山頂方面への車道が分岐するが、自動車に合わせた勾配ゆえ距離が延びることになるので、道なりに住宅街を進む。30分ほどで登山口の石碑が見えたところで左折し、山の斜面に向かう。検索しても“登山道”の様子は分からなかったのだけど、一部区間を除いて舗装されていたので、予想よりもずっと歩き易い。林の中をえっちらおっちら登って、最後の方は連続する石段を登って、麓から約30分で鏡山展望台に到着。博多出発を早くしたのは、少しでも気温が低いうちに、また人が少ないうちに登っておきたかったからである。眼下には唐津湾と、その岸に沿って続く虹の松原の全景が、そして左手には唐津市街地が見える。一昨日から足を痛めている状態で来るのはちょっと無茶だったかもしれないけれど、景色も天気も申し分ないのでやっぱり頑張った甲斐がある。山頂には佐用姫像があって、登山道の途中にも「さよ姫桜」があったけど、後から調べるとこの辺りの伝承らしい。山上には神社や「ひれふり展望台」もあるのだけど、案内図がなくて方向さえ定かでないし、足の痛みもあるのでそのまま麓に降りる。下りは10時前になっていたので、すれ違う人がちらほら。すぐ近くで何かが動き、金属光沢のない褐色のトカゲのような生き物が目に入る。って、これが「月迎え」の歌詞に登場するカナヘビなんだよね。慌ててカメラを構えてなんとか望遠側で撮影。

旧高取邸

鏡山を降りて元来た道を引き返し、駅前を通り過ぎて虹の松原の内部に入る。今度は海岸から松原を眺めるつもりだったのだけど、中央部は車通りの多い県道になっていて、ぱっと見た限り浜辺に出られるような場所はない。あてもなく彷徨うには足が疲れ過ぎているので、諦めて駅のホームに座って次の列車を待つ。やって来たのは改造しているけれど懐かしの103系。東日本と中京地区からは完全に引退し、関西でも一部路線に残るのみとなっているが、ここ筑肥線では筑前前原-西唐津で現役である。松浦川を渡って、終点の唐津で下車。まずは駅構内のコンビニで軽食を調達し、少し休憩してから観光開始。市役所の前を通って、唐津神社に立ち寄ってから、旧大島邸を見学。旧唐津銀行の創立者の邸宅で、西に300mの場所にあった建物を現在地に移転している。次の目的地に向かう途中に河村美術館があって、ここに来るまでノーチェックだったのだけど、常設展示は青木繁コレクションという案内を見て中に入る。建物は外装工事中だったが、館内は平常通り公開中で、目当ての常設展示の他、国内画家の作品やドイツのビアマグコレクションを鑑賞。続いて訪れたのが国指定重要文化財の旧高取邸。杵島炭鉱などの炭鉱主の邸宅で、広大な敷地に二棟の家屋があり、各所にある欄間や杉戸絵が見事なだけでなく、邸内には能舞台も備えているが、残念ながら内部は撮影禁止。見学後は係員の薦めに従って敷地内を一周し、庭や付属の施設群も見て回ったが、ワインセラーがあったのに気付かなかったことを後から知る。

唐津城天守閣

東に向かって歩いて高校の前を通り過ぎ、25年ぶり二度目となる唐津城に向かう。有料のエレベーターもあったけど、頑張って階段を登る。階段の終点に覆い被さるように藤棚があったので、咲いた時はさぞや見事だろうと想像してみる。天守閣に入って、中の展示を一通り見てから最上階へ。前回もここから虹の松原を眺めたことだけは、四半世紀前でもはっきりと覚えている。そういえば今朝の鏡山展望台からも、唐津城は確認出来ていた。城を降りた後は、時の太鼓と三の丸辰巳櫓を見て、旧唐津銀行の内部を見学。駅に戻る途中で、唐津ふるさと会館アルピノの中にある、曳山展示館に立ち寄る。唐津神社の近くにある本来の建物が工事中のため、現在は一時的に場所を移して展示している。

駅に戻った時は前の列車が出た後だったので、駅前で暫く休憩してからホームに上がる。西唐津始発の筑肥線に乗り、筑前前原で地下鉄直通に乗り換え、博多で一旦下車してロッカーの荷物を取り出してから空港入り。特に買うものもなかったので、そのまま保安検査場を通り、ラウンジに一瞬滞在してから搭乗口に進む。帰りの機内食は和食だったので、いつものように白ワイン(ソーヴィニョン・ブラン)を注文。伊丹には定刻通りの到着で、コンビニで買い物をしてから帰宅。だいぶ眠かったけど、docomoメールに海外からアクセスがあったという通知が来ていたので、念のためパスワードを変更してから就寝。