2022/06/15(水)

関東の葛餅は関西とはかなり違うことを知って驚く。関西では葛粉から作った透明な餅にきな粉を掛けて食べるけど、関東は小麦粉を発酵させてから作った白い餅に黒蜜ときな粉を掛けるらしい。そしてその違いが蕨餅にも反映されていて、同じメーカーでも関西ではきな粉だけ、関東では黒蜜ときな粉を添えて販売しているのだとか。

どうしても餃子を焼くと形が崩れてしまうので、12個入りの冷凍餃子を2回に分けて焼いてみたら、水や油を加えなくても形を崩さずに取り出すことができた。やっぱり8個並べるのが精一杯のフライパンに、無理やり12個押し込んでいたのが敗因かな。フライパンを深型にして容積は稼げるようになったので、パエリアやビビンバ、炒飯は問題なく作れるのだけど、焼き目を入れる必要があるレシュティや餃子は、当然のことながら底面積が必要ってことか。

今夜のワインはChâteau Citran(ACオー・メドック)の2016年。クリュ・ブルジョワ級らしいが、ラベル(エチケット)には記載なし。「クリュ・ブルジョワ(Cru Bourgeois)」は格付けシャトー(グラン・クリュ)に対抗して出来た制度なのだけど、長らく非公式だったのがようやく公式化された途端に無効化され、その後再出発したという紆余曲折があるらしい。

ブルジョワ(bourgeois)というのは元々"bourg"(街)の派生語だったのだけど、「中産階級」(貴族階級と労働者階級の間)から「資本家階級」を意味するようになり、「金持ち」や「俗物」などの意味にも転じている。"bourg"はゲルマン語由来で、ドイツ語の"Burg"や英語の"borough"と同語源。ドイツのHamburg(ハンブルク)やフランスのStrasbourg(ストラスブール)、イギリスのCanterbury(カンタベリー)やEdinburgh(エディンバラ)など、地名の語尾にもよく見られる。一方のクリュ(cru)は「ブドウ畑」や「ワイン産地」と訳されるけれど、元々は"croître"(成長する)の過去分詞"crû "を名詞化したものらしい。"croître"の現在分詞は"croissant"で、“成長するもの”ということで「三日月」という意味になり、三日月型のパンの名前「クロワッサン」にもなっている。そしてイタリア語の"crescere"(成長する)も同語源で、音楽用語のクレッシェンド(crescendo)にも繋がっている。