2023/04/20(木)

英語のアルファベットの中で、最も使用頻度が低いのはZになるらしい。/z/という発音は頻出してもSと綴る場合が多く、綴りとしてZが出てくるのは、zone, zooなどの外来語や、-izeという接尾辞、zoom, buzzなどの擬音語の他、hazard, freezeなど何かの拍子に綴りが変わったものぐらいになるのだろうか。

ギリシャ文字のζは、古典期には/zd/や/dz/の音を表していたのが、後に発音が/z/に変わったらしい。ラテン語では/z/の音がなかったため、一旦はアルファベットから削除されたが、ギリシャ語からの借入語を表すためにZを再導入している。ラテン語での発音は/z/だったという説(語中では/zz/)がある一方、/dz/だったという説もあるようで、よく分かっていないらしい。ただしZはギリシャ語、ラテン語を通じて二重子音扱いで、現代イタリア語でも二重子音扱い(発音は/ts/または/dz/)というのはその流れを汲むのだろうか。なお、古フランス語のZは/ts/と発音されていたが、現代フランス語では基本的に/z/になっている(語尾では発音されないことがほとんど)。一方、ドイツ語のZは、古高ドイツ語時代から/ts/と発音されていたらしい。

ロワールワイン

今夜のワインはフランス・ロワール地方の、Château Thébaud Muscadet Sèvre et Maine 2018年。