2023/06/03(土)

今日は天気が回復したので、朝から買い物に行って、午後はベランダの整理。強風ではなかったので物は散乱していなかったが、寄せ植えの鉢が水浸しになっていた。

小説に出てきた「巴旦杏」って何かと思ったら、アーモンドのことだった。読みは「はたんきょう」で、ペルシャ語の"badam"(アーモンド)を音訳したものだとか。ただし「巴旦杏」はスモモの一種のことも指すらしい。一方、キバタン(黄巴旦)、コバタン(小巴旦)など、オウムの仲間のことも「巴旦」と呼ぶことがあるらしいが、これはスマトラ島のパダンやジャワ島のバンタムから出荷していたことに由来するのだとか。つまりは偶然の一致で、アーモンドとは無関係。なお、アーモンドには「扁桃」という名前もあるが、こちらは種子が扁平であることに因むらしい。そして「扁桃腺」というのは、アーモンドに形が似ているからとのこと。因みに巴旦<杏>や扁<桃>という名称は、アーモンドがモモの仲間ゆえのこと。実際、アーモンドの花はモモによく似ている。

英語の"almond"はギリシャ語"amygdale"がラテン語、古フランス語を経由して入ってきたものだが、ラテン語では元々"amygdala"だったのが、中世になって"amandus"(愛されるべき)という語の影響で、"amendla"や"amandula"に変わったらしい。それが古フランス語では"almande"となったが、これは"al-"で始まるアラビア語由来の語の影響で、語源と関係なく"l"が挿入されたらしい。この"l"が現代英語にまで引き継がれたが、現代フランス語では"amande"と"l"のない形になっている。調べてみるとスペイン語でアーモンドは"almendra"と"l"が入っている一方、イタリア語では"mandorla"と語頭音が消失している。