2024/01/23(火)

"checkmate"(チェックメイト)はチェスの「詰み」のことだけど、この語は"mate"(仲間)とは無関係で、ペルシャ語の"šāh māt"(王は驚いた)がアラビア語やフランス語を経由して入ってきたものらしい。前半部分の"check"で「王手」になるのだが、この語はもちろんのこと、"chess"(チェス)という遊戯名も、ペルシャ語の"šāh"(王)に由来するのだとか。そして現代英語の"check"には、「確認する」「抑制する」「小切手」など様々な意味があるが、全てチェス用語「王手」から派生したものらしい。

欧州各国語でもチェス(遊戯名)とチェック(王手)は大概ペルシャ語の"šāh"(王)に由来する語のようだけど、スペイン語ではチェックは"jaque"でも、チェスは"ajedrez"となっている。後者はサンスクリットの“チャトランガ”という遊戯名が、ペルシャ語やアラビア語を経由して伝わったらしい。ロシア語ではチェックはшах(šah)で、チェックメイトはмат(mat)、そしてチェスがшахматы(šahmaty)になるらしい。つまりはチェスのことを“チェックメイト”と呼んでいることになるのか。なお、フランス語のチェスは"(jeu d')échecs"で、チェック(王手)は"échec au roi"と"roi"(王)という語を入れるようだけど、語源からすると「王」を2回言っていることになる。そしてチェックメイトは"échec et mat"と何故か間に"et"(そして)が入っている。