2002/07/14(日)

果たして一夜明けてみると、颱風はさらに速度を上げて、今日は一日中那覇空港が閉鎖されるとのこと。航空会社に電話したところ、空きがある石垣―那覇便は早くて明日の夕方。そこから乗り継げる大阪便は設定がなく、火曜日の昼に関空に到着するのが最短コースとのこと。さすがに変更可能なのは一度きりなので、これを押さえたら早い便のキャンセル待ちは掛けられなくなる。さりとてキャンセル待ちしても確実に乗れる保証はなく、その間に今空いている便が満席になる危険の方が大きい。ということで急がば回れの法則に従って空いている便に変更。

かくして空港に行く必然性はなくなったので、宿に滞在延長を告げてから、島内一周の観光バスに乗る。昨日は海に潜ることを選択したので、今回は陸上観光を諦めていたのだけれど、期せずして機会に恵まれる。沖縄本島はじきに暴風雨圏突入だけれど、同じ県内とはいえ八重山諸島は本島から450キロも隔たっているため、風が少し強いだけで、悲しいほどお天気。石垣の市街地は都会の様相だったけれど、暫く走ると信号はなくなり、サトウキビ畑も尽きると緑濃い山が青い海に迫り、川沿いにはマングローブ林と風景は一変。唐人墓を経て川平(かびら)湾へ。

ここでグラスボートに乗船だけれど、船着き場に阿檀の木を発見! さすがに市街地では見掛けなかったから、感激。ちゃんと実も生っていたし。珊瑚なら昨日も見たけれど、ここのはダイノウ(大脳)サンゴやジャガイモサンゴ等、種類が異なるものも多かった。下船後は遊歩道を辿って真珠販売センターへ。とても手が出る値段じゃなかったけど、養殖モノでも黒真珠と金真珠は見事。わぁい、黒韶(ヘイシャオ)娘々と、■花(ユイホウ)娘々だぁ(河惣益巳「火輪」参照/“ユイ”は“日”の下に“立”)。白玲(パイリン)娘々は昔鳥羽で対面しているからオッケーということで(^^;

バスのガイド役はボランティアのオジイ。時折三線(さんしん)を取り出して演奏。これを蛇味線(じゃみせん)と呼ぶ人もいるけれども正当ではなく、それなら本土のは猫味線になってしまうのだとか。開放弦はド・ファ・ドに調弦してある模様。途中で一曲だけ中の弦の高さを変更。大体リズムに合わせながら、時折ベースを交えてメロディーラインをなぞる奏法だった。昼食は川平湾を望むレストランで郷土料理。滞在中食べられないものにはまだお目に掛かっていないのは偶然なのか、それとも本土ほどシーフードを食べる習慣がないのか。

食後はまず米原(よねはら)のヤエヤマヤシ原生林の見学。駐車場売店でサトウキビジュースを飲む。素朴で少し不思議な味。平久保半島の付け根、伊原間の玉取崎展望台でハイビスカス越しに、珊瑚礁に護られた海岸風景を眺める。

バスターミナルに戻る前に、空港に立ち寄る。どうやら那覇を経由しない便は運航している模様。宿に戻ってから最新情報を確認すると、那覇から東京・大阪へ明日の臨時便が設定されたとのこと。電話を掛けてみたけれど、当然のことながら既に満席。それに取れたところで、明日の夕方まで石垣を出る手段がないので、どうしようもない。それでも諦めきれずに携帯電話で空席確認を続けているうち、偶然明日の石垣―名古屋便に空席を発見! 迷わず予約して特割で決済。余分な出費は避けられないけれど、那覇を経由しない方がよさそうだし、明日中なら颱風もまだ関西に接近する前だから。