2002/09/06(金)

朝、宿を出てピガール広場に行ってみる。夜のお店の看板がそこかしこにあったけれど、午前中はひっそりとしていた。そのままモンマルトル(Montmartre)の丘に登り、付近を散策。画家や観光客で賑わうというテルトル(Place du Tertre)も時折通勤客が早足で通り過ぎるだけで、がらんとしていた。時間が来たのでモンマルトルのシンボルともなっているサクレ・クール寺院(Basilique du Sacré Coeur)を訪れ、今日もやっぱり塔の展望台へ。下りはフュニキュレール(Funiculaire)というケーブルカーで。地下鉄と共通運賃体系なので、ここでも一日乗車券(5ユーロ)を販売していたけれど、20ユーロ札を出したら釣り銭がないと言われた。のでカードで支払い。3千円以上じゃないとカードが使えない店とかが結構ある国から来ると、なんだか不思議な感覚。

地下鉄2号線で、北駅の最寄り駅に行ってみる。う~ん、北駅の構内には近いけれど改札の反対側だから、1キロぐらいあるぞこりゃ。とりあえずRERの乗り場を確認してから地下鉄を乗り継いで、パンテオン(le Panthéon)へ。フーコーが巨大な振り子を吊って、地球の自転を目に見える形で表す実験をしたのがこの場所で、普段なら振り子が設置してあるのだけれど、謎のモニュメント展示のため一時的に取り外してあった。地下にはフランスの偉人が眠っている。ビクトル・ユーゴー(Victor Hugo)やジャン・ジャック・ルソー(Jean Jaques Rousseau)など教科書で習った名前から、日本では知られていない名前まで。キュリー夫人(Marie Curie)も夫君と一緒に眠っていたが、女性としては初の「殿堂入り」なのだとか。

地下鉄駅に戻るべく、坂道を下っていると足が音をあげた。うみゅ~さすがに連日歩き尽くめで、塔にも登ったしね。階段ならまだしも、坂道は足に負担が掛かるだけに。地下鉄で中心部に戻ろうとしたら、乗換駅が工事中で閉鎖されていた(;_;) ので隣の駅に行って、別ルートでアプローチ。途中バスティーユ(Bastille)で乗り換えになったので、バスティーユ広場(Place de la Bastille)を見学。フランス革命の発端となった政治犯の牢獄があった場所である。そういえば中学の社会の試験で、「こうしてフランス革命の(  )は切って落とされた」という穴埋め問題が出たけれど、これは国語の問題であって社会の問題じゃないのでは~と不正解だったから余計に鮮明に覚えている訳である(正解は「火蓋」)。

ルーブル美術館(Musée du Louvre)に着いたところで、カフェテリアで昼食。ここだと気軽に色々食べられるからと、メインディッシュの他に、サラダ、デザート、チーズにワインとここぞとばかりにトレー積載量の限界に挑む。フランスはイギリスに比べて物価が安いというか、イギリスが高すぎたというべきか。交通機関にしても食事にしても、両国で大体見かけ上の値段(表示される数字の部分)は同じくらいだったりする。即ち、ポンドとユーロの差(約1.5倍)が実際の価格差といったところかな。

噂には聞いていたけれど、やっぱりルーブルは広い。むちゃむちゃ広い。それを数時間で回ろうという計画自体が無謀なのだろうけれど、そして足が疲れていたけれど、やっぱり一通りは回らないとね~と3翼をほぼ制覇。それにしても、入口で手荷物検査をしてるからといって、こんなに名画や名作が無防備に展示してあって大丈夫なのかしら~。流石にミロのビーナスやモナリザは近寄れないようにしてあったけどね。欧州では基本的に撮影禁止ではないところは日本の美術館と大きく異なるけれど、フラッシュの使用は当然厳禁。なのに平気でみんな使っているし(怒) 彫刻でも良くはない筈なのに、絵画にまで浴びせるなんて。人類の貴重な財産に損傷を与えているという認識はないのだろうね。モナリザにだけはガラスの覆いがしてあったから、光量が規定値を超えるとその瞬間だけ真っ黒になるようなガラスとか開発できないのかしら:-P

有名どころは大体抑えたので、後はハムラビ法典だけ見たら終わりにしようと思って、そちらに行こうとしたら、途中の通路が閉鎖されている。それならちょっと遠回りしてこちらから。あれ?こっちもダメだ。う、エスカレーターが補修中だからまた遠回りして階段へ。ようやく逆側に辿り着いたらまた閉鎖中。そこにあった掲示を見てみると、曜日ごとに一部を閉鎖しているとのこと。そして目的の区画が閉鎖されるのは金曜日と判明(T_T)

ガラスのピラミッドを見てルーブルを切り上げ、地下鉄を乗り継いでトロカデロ城(Palace de Trocadéro)へ。ここから見るエッフェル塔が最も素晴らしいというか、撮影の名所(笑) 橋から一直線に延びる通りに覆い被さるように聳える塔は、確かに絵になる。次の場所に行こうとしたら、逆方向の列車に乗ってしまった(;_;) 丁度中心方面に向かうことになったので、そのまま帰ろうかという誘惑に駆られたけれど、気を取り直して目的地へ。地下鉄の駅からセーヌ川沿いに歩いて辿り着いたのは「自由の女神」。米国に贈られニューヨークに設置されている像の試作品で、あちらに比べたらかなり小振りだけれど、それでも高さは10メートルはありそう。あれ、なんか赤い帽子を被っているけれど、何かのキャンペーンなのかしら。

帰りはマドレーヌ駅で下車して、フォーション(Fauchon)本店へ。そう、日本でも黄金色の包みで有名な紅茶専門店である。さすがにこちらまでどれが日本で扱っている商品かどうかは分からなかったけど、とりあえず日本ではお高い紅茶が割安だから、とお気に入りの銘柄を中心に。うーん、いくら軽いとはいえ、こんなに買い込んで大丈夫かな。既にイギリスで買った紅茶が大量にあるのに。宿に帰って荷物を詰め直したら、どうにか収まりそうだったので一安心。