2003/08/25(月)

出来る限り早く出発したかったので、朝食が6時からなのは有難い。しかし昨日と同じ系列のホテルなのに、朝食の内容が寂しいのが残念。ボーっとした頭でも“飲食物の持ち込みはご遠慮させて頂きます”という掲示を見ると、店が遠慮してどないすんねん!~とツッコミを忘れない関西人(笑)

宿を出て駅に向かい、昼食と土産を購入してから富山地鉄の立山線直通列車に乗車。これまた10030系ということは、地鉄ではかなりの主流派だったりするのだろううか。約1時間で終点の立山に到着。ここからが「立山黒部アルペンルート」が本格的に始まる。乗車券は電鉄富山-信濃大町間を購入済みだが、立山ケーブルのみ乗車整理券が必要とのことだったので、窓口に並んで受け取る。午前8時半でも既に、大型バスで乗り付けたツアー客で改札ホールはごった返している。指定されたのは一本後だったけど、10分毎のピストン運転中だったから程なく乗車出来た。

頂上の美女平から室堂まではバスを利用。ハイブリッド車を使用している模様。バス1台当たりの定員は多くないのだが、続行運転していたのですぐに乗り継ぐことが出来た。終点の室堂までの所要時間は約1時間。許可車以外は通行禁止なので、六甲山上のように渋滞することはない。巨木の混じる森林地帯を抜けると眺望が開け、立山連峰を眺めながら高原を走る。

立山室堂

終点室堂の標高は2,450メートル。ここまで来るとさすがに肌寒い。それでも屈指の観光地だけあって、ちゃんと携帯は使用可能。バスターミナルのコインロッカーに荷物を預けてから、付近の散策。出発前の長期予報では今日は雨だったのに、雲が少しあるもののしっかり晴れてるし(^o^) 散策路沿いだけでも数多くの高山植物が見られる。時間さえ許せば半日以上滞在しても飽きない場所だけど、今日中に帰宅する計画なので先を急ぐことに。

室堂から大観望までのトンネルに運行されているのは、日本の街からは消えて久しいトロリーバス。同じアルペンルート内の関電トンネルが長らく現存唯一だったが、室堂トンネルも環境保全のため近年ディーゼルバスからトロリーバスに置き換えられたのである。バスを4台連ねて立山の真下を潜り抜けた先は大観望。絶壁に建てられたターミナルビルがあるだけで、外を散策することは出来ない。建物の屋上の展望台は、残念ながら改築中だったので、そのままロープウェーに乗り継ぐ。このロープウェーは景観に配慮して、途中支柱なしという日本唯一のワンスパンロープウェー。急勾配を一気に下って黒部平に到着。こちらは地名が示す通り、わずかながらも平坦な場所に位置している。ここから東側は二十年前、中学の修学旅行で訪れているのだが(信濃大町-黒部平間を往復)、黒部平の記憶はほとんどないなぁ(^^;;;

後立山を見ながら持参したパンを食べて、旅を続行。大観望に向かうロープウェーは整理券乗車になっていたが、東ゆきのケーブルカーはまだ大丈夫だった。夏休みとはいえ平日でもこれだけ人が多いのだから、紅葉シーズンともなると、乗り継ぎの度にかなりの順番待ちが必要なのだろうな。それにしても、これだけメジャーな観光地の待合室が禁煙になっていないとは(T_T) ケーブルカーなら記憶に残っているあたりが「鉄」なのだろうか(^_^;) こちらも景観に配慮して、全線地下区間となっている。以前は恐らく日本でここだけだったのだろうけど、現在は青函トンネル内のケーブルカーもあるので、“日本では珍しい”と案内されていた。

黒部湖からはダムの築堤を介した徒歩連絡で関電トンネルに続いているのだけど、ここまでに時間は稼げたので、しっかり観光することに。まずは黒部湖の遊覧船「ガルベ」乗り場へ。だいぶ下に降りて来たので、日差しが暑く感じられる。整理券乗船になっていたが、早めに窓口に行けたので、程なく乗船出来ることに。湖面へと続く階段を下りたところにある艀から水上バスに乗船。因みに「ガルベ」とは、諸説ある黒部の語源のうちの一つとされるアイヌ語に由来するのだとか。両側に聳える山々を見ながら黒部川を遡上して往復半時間の旅。船着き場から黒部湖駅を経由して、ダムの築堤を渡る。

黒部ダム

二十年前は単純往復しただけだったが、今回は少し離れた場所からダムを眺める展望台にも行くことにする。さすがに荷物が重いので、コインロッカーに預ける。数が少なかったが幸いにも空きがあった。階段を延々上り詰めた場所からダムを見下ろす。間近で見た時とはまた違うスケールの大きさ。展望台の売店では「地上の星/ヘッドライト・テールライト」を流していたので、思わず聞き入ってしまう。「プロジェクトX」のDVDやビデオと一緒に、ここでもシングルとベスト盤を販売しているのである。すっかり“ご当地ソング”になっていたんだねぇ(^o^) ダムに戻る途中に分かれ道があって、新展望台へと続いている。こちらは築堤を見上げる場所にあって、放水の迫力を実感出来る。巨大な壁に針金のような作業通路が張り巡らされているが、なんとなく宮崎駿のアニメに登場しそうな舞台装置かも:-)

トロリーバスの発車案内があったので、駅に急ぐ。トロリーバスも広義の鉄道で、標識や計器も鉄道のものをつかっているし、タブレット交換もすることまでは知っていたが、“この列車は扇沢ゆきです”と案内していたのにはびっくり。こちらは6台くらい連ねてトンネルを下る。最後尾の車両に乗ってしまったため、扇沢では移動に時間を要してしまった。信濃大町ゆきバスは満席ですぐに乗れなかったが、10分後の臨時便に乗車。なんとか新宿直通特急に間に合いそうだ。信濃大町駅に到着するや「みどりの窓口」に駆け込む。禁煙指定席は満席と聞こえてきたが、30分後の普通に乗ると松本から特急に乗り継いでも、帰りは1時間半遅くなってしまう。さりとて自由席に挑戦する体力はない。ので贅沢とは思いつつもグリーン車に乗ることにした。ら、意外と安い料金に驚く。あ、そういえば、JR東日本が値下げキャンペーンをやっているのだったっけ。ということで、新宿までのグリーン料金が3000円。繁忙期の指定料金が720円だから、実質の差額は2280円だからかなりお得かも。座席は車端の一人掛けで快適(^o^)

松本付近は夢の中。目が覚めたところで持参した文庫本でも読もうと思ったが、さすがに制御振り子車では酔いそうになった(@_@)ので、ぼーっと車窓を眺めることに。山梨県下を走り抜け、高尾から市街地に入り、大町から約3時間で終点の新宿に到着。やっぱり都心は蒸し暑い。中央線で東京に出て、高速バスで帰宅。自動散水機は無事に働いていてくれた模様。頑張って買い物には出掛けたが、力尽きて就寝。