2004/02/22(日)

9時前にチェックアウトして、宿の前からバスに乗って海洋交流館(ガリンコステーション)へ。すぐにカウンターに行って、砕氷船「ガリンコ号」の乗船券を購入。観光最盛期で、土日はどの便も満員御礼だけれど、事前に9時半の便を予約済み。それより早い方の便なら事前申し込み可能だったし、日の出クルーズというのもあったりするが、極寒かもしれない朝に早起きするだけの気合いはなかったりする(^^; 空は相変わらず雲に覆われているものの、幸い今朝も非常に穏やかな天気だったので、船に乗り込んでも船室には入らず、デッキの手摺り際に陣取る。気温もさほど低くないので、一眼レフデジカメも問題なく作動。

オジロワシ

先日ようやく接岸した流氷は少し後退していたが、沖に向かってしばらく進むと、船は一面の氷の中へ。遙か北方から流れ着いた氷塊の上にも雪は積もっていて、隙間は再氷結した薄氷になっている。船が進むと氷に亀裂が入ったり、氷塊が裏返しになって青く光る。氷が厚い場所では船が揺れ、時には一旦後退してから僅かに角度を変えて進む。船を追って沢山のカモメが飛び交い、黒い姿はウミガラス(オロロン鳥)なのかな。船の向かって左側にオジロワシがいます~とのアナウンスに驚く。えっ!本当だ。遠くを見る鳥、オジロワシだ。やっぱり尾が白い(笑) 感激してシャッターを切っていると、今度は右にいるとのアナウンス。左側にもまた出現して、あれ、複数いるのかな。どうして猛禽がこんなにいるのだろう、と思っていたら、船から何かが投げられて、それを攫ってゆくツンドラ・バード。餌で呼び寄せていたんだね(^^;;; まぁ、それでも野鳥であることには変わりないわけだし。

クリオネ

船は海洋交流館に戻る前にオホーツクタワーに立ち寄るので、そちらで下船してタワーを見学。海中に建てられた氷海展望塔は桟橋と陸橋で結ばれている。海上部の1階は受付や売店、2階は資料室、3階は展望室になっているので、順次見学。条件が良ければ3階からは一面の流氷が見えるらしいが、下船前から降り出した雪が本降りになり、流氷も沖の方。しかも3階は開放空間に喫煙コーナーがあったりするので、居辛くてエレベーターに乗ってさっさと地下に降りる。海底部の窓から流氷を下から見上げられるようになっているが、今日は勿論タワー付近に流氷はない。時たま魚などがひょっこり現れることもあるらしいが、滞在中には見られなかった。栄養分の豊富な海水は濁っているので、視界もほとんどない。その代わり室内には水槽があって、様々な生物が展示されている。その中でも一番人気は、“流氷の妖精”クリオネ(^o^) しかも沢山。小さな“羽”を羽ばたかせて泳ぐ姿は確かに妖精だけど、捕食の時には獰猛になるらしい(^^; う~ん、やっぱり撮影は非常に困難というか、全然ピントが合わないし(汗)

タワーを出てから防波堤を歩いて海洋交流館に向かう。途中、ゴマフアザラシのプールがあったので、しばし見学。人が集まって来るとしきりに水を跳ね上げて泳ぎ回るのは、観客サービスだったのか、悪戯だったのか。交流館で昼食を取ってから、バスで空港に向かう。周遊バスが路線バスを兼ねているのでガイドさんが添乗。普段は羽田との間の1往復のみしか就航していない紋別空港(2月のみ千歳にも1往復)のことを、“日本一閉まるのが早い空港”と形容していたけれど、羽田ゆきの紋別発は午後だから、沖縄県の波照間空港(石垣との間に午前中1往復のみ)の方が閉まるの早いのでは~と心の中でツッコミ。多分“日本一開くのが遅い空港”というのが正解かも。

次第に強まる雪は既に吹雪と化している。機材の到着が大幅に遅れているので、羽田ゆきの出発は遅れる見込となっているが、千歳ゆきは「定刻」との案内。念のためカウンターで聞いてみたところ、千歳からの便が女満別着になるかもしれないし、紋別発も函館着になる可能性はあるものの、今のところ運航予定とのこと。一安心してターミナルで待つが、窓の外の吹雪は強まるばかり。滑走路を除雪し続けてもなんだか追いついていない感じだし、何よりも視界がかなーり悪いような。それでも1時間前には搭乗手続きが始まったので、安心して手荷物検査を受けて待合室に入ったところ、欠航を知らせるアナウンスが(T_T)

慌ててカウンターに戻って状況を確認。とりあえず陸路で札幌に向かうのが最善のようだったので、高速バスの予約を入れて貰うことになったが、次のバスは満席なのでキャンセル待ちにして、ダメなら空席のあるその次のバスということになった。千歳発を明朝に振り替え、紋別発の航空券の払い戻し手続きをしてから、ターミナルを出てみるが、路線バスはいつ動くか判らなさそうな状況。少しでも早く移動しておきたかったので、タクシーで紋別バスターミナルへ。路線バスだと300円のところが、タクシーだと冬季割増運賃で2,600円。ターミナルで窓口に行くと、キャンセル状況は発車前に決まるということだったので、それまでの時間を利用して飲食物を調達しておく。こんな天気の日だから、長期戦は覚悟しておかないと。幸いすぐのバスに乗れたので、一安心。早速札幌の宿をiモードで予約。

真っ白な景色の中、バスはひた走る。渚滑、滝上って旧国鉄渚滑線の起終点だったよね。途中上川のレストハウスで休憩。これだけの雪が降っていても、これまでのところほぼ定刻通りの運転だなんて、さすがは北海道。旭川市街に入る頃にはすでに暮れ始める。通常は旭川から高速道路経由になるのだが、今日は砂川-旭川間が通行止めになっているので、そのまま国道を走り続ける。1時間以上を要して深川、滝川を経由し、ようやく道央道に入る。吹雪の中にしては快調な走りだと思っていたら、隣の車線を自家用車が追い越したりする。ひょえ~さすが地元の人は慣れているのかな。

所定5時間弱のところ、6時間掛けて札幌に到着。宿の最寄りのバス停で降りたら目の前だった。直前にコンビニを見掛けたので、雨の中、水たまりを走ってゆく。夕食と新聞と携帯電話の充電用電池を購入。一泊二日のつもりで充電器を持って来なかったので、ずっと残量が心配だったが、これで一安心。宿にチェックインして、可及的速やかに就寝。