2004/08/26(木)

朝から雨。ネットで天気予報を調べてみたが、「今日は雨」という予報と気温しか見付からなかった。予想天気図を見たらストックホルム上空に低気圧が鎮座ましましているが、これって何時なのだろうか。とりあえず今日は一日中天気が悪いと覚悟しておいた方が良いだろう。

中央駅に行ったら、有人の切符売り場はまだ開いていなかったようなので、自動券売機を操作。英語表示に切り替え、往復を指定して行き先を選択したら、行き帰りとも乗る列車を選ばされた。でも出て来た切符は座席指定なし。これって指定された列車に乗らなかった場合は無効になるのだろうか。

リンネ庭園

ストックホルムから北に向かう列車に乗り、約45分でウプサラ(Uppsala)に到着。途中で止んでくれないかなと期待してみても、雨脚は強くなるばかり。でもここまで来て引き返すのは勿体ないので、市内散策を強行。まずは高台にあるウプサラ城(Uppsala Slottet)まで行って、木々越しに市内の風景を眺める。別の道を降りてウプサラ大学本館の前を通って、煉瓦造りの聳える大聖堂(Domkyrkan)へ。中に入って少し休憩。それでも雨は一向に弱まる気配がないので、再び外に出てリンネ庭園(Linnéträdgården)に向かう。植物分類学の父と呼ばれるリンネを記念したもので、世界各地の植物を系統的に植えてあったが、30メートル四方くらいの小さな庭園。悪天候で時間も限られていたので、広さ的には丁度良かったかも。

もっと時間があれば大聖堂博物館やリンネ博物館とかにも入れたのだが、名残を惜しみつつ駅に戻って指定された列車に乗ってストックホルム中央駅に帰還。雨は次第に弱まり、ストックホルム到着時には止んでいた。急げば次の目的地に向かう船に乗れるということで構内を走ったが、一番南まで行ったらそこは行き止まり。慌てて朝に利用した中央部の階段まで引き返し、駅とオーバークロスする道路に入り、横断歩道を渡って下に降り、ようやく乗船券発売所にたどり着いたのは出航3分前。息を切らせながら“りた~んちけっとふぉ~どろっとにんぐほるむぷり~ず”と言いつつ、割引して貰うためにストックホルムカードを提示するのだけは忘てはいけない(笑) とにもかくにも1時間に1便だけしかない船には間に合った。

ドロットニングホルム

乗船場を離れた船は進路を西に取り、雨上がりのメーラレン湖(Mälaren)に進むのを、デッキからのんびりと眺める。建物は疎らになってゆき、いつしか森に囲まれる。地下鉄とバスを乗り継ぐ方法もあったが、やはり船の方が“森と湖の国”を実感できてよい。約1時間でドロットニングホルム城(Drottningholms Slott)近くの船着き場に到着。この城を含む付近一帯は世界文化遺産となっていて、なおかつ現王室の居城となっている。こちらも内部は撮影禁止だったが、それぞれに趣向を凝らした部屋は見事で、青と金で装飾されたゴシック調の寝室が一番印象的だった。城の表側は湖に面していて、反対側は広大なゴシック庭園に面している。対称的な設計が、一直線にずっと続いている眺めは壮観。

城を出てすぐ近くの宮廷劇場(Drottingholm Slottsteater)にも行ってみたが、ガイドツアー限定公開。誰でもその場で申し込めるのだが、開始時間が決められているのでパス。今度は庭園を階段からとくと眺めようと思ったら、その辺り一帯は立ち入り禁止だった。少し回り道をすると庭園内部には入ることが出来た。という訳で城の側から庭園を撮影することは叶わなかったが、しばらく歩けば庭の反対側から城にまっすぐ伸びる庭園を撮影することは出来た。庭園を出て左手にしばらく行くと程なく、森の中から中国の城(Kina Slott)が姿を現す。その手前に古い民家風の喫茶室があったので、少し休憩。中国の城というのは18世紀にアドルフ・フレデリック王が、王妃の誕生日にプレゼントした建物で、内装を当時流行だった中国風に統一してある。そういえばコペンハーゲンのローゼンボーにも中国風の装飾が少しあったが、こちらは壁紙や置物、絵画や調度品まで徹底している。写真もなかった時代、蒐集したコレクションから想像するしかない遙か彼方にある国は、どんなものだったのだろうか。

ゴシック庭園を横切って隣接する英国庭園へ。こちらは対照的に自然を生かした構成。奥にもいろいろ見所があったようだが、再び降り出した雨が強くなり、ついには土砂降りになってしまったので、早々に船着き場に戻る。ストックホルムカードの元はこれで十分取れたことになるし。船に乗り込み今度は船室に入ると、複数の団体客が乗り込んでたちまち満員に。日本人団体客もいたが、こちらにはイタリア人団体が。今回の旅行では観光名所でもホテルでも、あちこちでイタリア人団体を見掛けたが、今イタリアでは観光ブームなのだろうか。相席になったイタリア人に身振りで話しかけられたので、イタリア語で返したら驚いてくれた。でも単語が全然出て来ない(^^; 因みに北欧では英語がかなり通用するとは聞いていたが、東洋人相手だと必ずといっていいほど英語で話し掛けてくれたので、意思の疎通には苦労せずに済んだ。しかもネイティブのような早さや癖がほとんどないので、イギリスやアメリカよりも楽だったりする。

市内に戻って、ちょっと休憩してから食事に行つもりにしていたが、宿で確認したところ船のデッキに座った時の服の汚れが思ったよりも酷かった。これじゃ明日の飛行機どころか今夜の食事の店に入るのも躊躇われるので、コンビニで買い物を済ませてから慌てて洗濯。少しでも早く干しておかないと、明日の朝までに乾かなかったら困るし。