2005/08/25(木)

予報通りの晴天。太陽を見たのは本当に久しぶりのような気がする。地下鉄に乗ってシェーンブルン宮殿(Schloss Schönbrunn)に向かう。人気の観光地は早く行くに越したことはない。駅から少し歩いて正門から入り、チケット売り場を探したら前庭の奥の建物の中だった。何種類かあるチケットのうち、ゴールド・パスを選ぶ。これだとほとんど待たずに入ることが出来る。入口で日本語のオーディオガイドを借りて見学開始。栄華を極めたハプスプルク(Habsburg)家の居城だけあってどの部屋も見事だが、内装の保存状態が良くて手入れも行き届いているのか、古びた感じは全くない。城内撮影禁止なのが残念。壮大な広間も素晴らしかったが、一番印象に残ったのは、青い中国のサロン(Blauer Chinesischer Salon)。当時欧州各地の王族の間に中国趣味が流行ったようだが、この城では珍しいものをひたすら集めてごてごてと飾ったりはせず、自分たち流に格調高くアレンジしている。展示やガイドは女帝マリア・テレジア(Maria Theresia)と皇后エリーザベト(Elisabeth)の時代を行ったり来たりするので、ちょっとややこしいかも。

シェーンブルン宮殿

城内の見学を終えて庭園に出る。雨が降っていないのは非常に有難かったが、今日は日差しが強くてかなり暑いので、なるべく木陰を選んで歩く。城の名の由来となった泉(Schöner Brunnen)やローマ風の廃墟(Römische Ruine)を見てから、ネプチューンの泉(Neptunbrunnen)へ。ここから幾何学花壇越しに宮殿を振り返ると見事だが、この城の見所はこれだけではない。まずは泉の裏に回って、水幕越しに宮殿を眺める。そして急な坂を登って丘の上に辿り着くと、城の背後の街並みも見えてくる。さらに丘の上に建つグロリエッテ(Gloriette)という建物に登ると、絶景になる。勿論、城の側からネプチューンの泉越しに、グロリエッテを眺めるのも良い。とにもかくにも天気が良くて、眺めは最高! 庭園に降りて、売店で調達した軽食をかっ込んで、見学を続ける。迷路、バラ園、日本庭園と巡り、温室もあったけれど、中は暑そうだったのでパス(^o^;) 庭園を出て、皇帝専用だった地下鉄駅を外から眺めてから、城の前を通って元来た駅に戻る。

地下鉄で市中心部に出て、王宮近くの老舗菓子店に行ってみたが、昼過ぎだったので既に店内は満席。そこで順番待ちの行列やリストがあったならまだ待つ気にもなるけれど、そこら中で立っている人達がたまたま開いた近くの席に殺到しているようでは、とても待つ気にはなれない。ガイドブックを見たら、ちょうど近くに伝統的なカフェがあったので、そっちに行ってみると店内は空いていた。皮が薄くて中身がぎっちり詰まっているアップルパイ(Apfelstrudel)とブラウナー(Brauner)というミルクコーヒーを注文。コーヒーと一緒にコップに入った水が出て来て、その上にスプーンが置かれていた。そういえば日本の喫茶店で水を出す習慣というのは、ウィーンに倣ったと聞いたことがある。歩き疲れていたので、甘いものがなおさら美味しい(^_^)

目抜き通りの一つグラーベン(Graben)を歩いて、ウィーンのシンボルと言われるシュテファン寺院(Stephansdom)に行く。南北2つの塔があって、どちらにも登れることになっていたが、エレベーターが使える北塔を選ぶ。ゴシック様式の建物に、屋根はカラフルなモザイク模様。上まで行くとそれが間近に見ることが出来る。勿論ウィーン市内の展望も。とにかく天気が良いので、かなり遠くまで見渡せる。

大観覧車

モーツァルトが住んでいたフィガロの家(Figarohaus)は、現在改修工事中だったので外から眺めた後、地下鉄に乗ってウィーン北駅に隣接するプラーターシュテルン(Praterstern)で下車。駅から少し歩いて、プラーター公園の入口にある大観覧車(Riesenrad)を見に行く。映画「第三の男」に登場する観覧車なのだが、写真撮影だけして駅に引き返す。

フリー乗車券なのでこまめに乗り降りするのはお手の物。ということで、今度は2つ隣のドナウ島(Donauinsel)で降りてみる。ウィーン市内で「ドナウ」を名乗る水路は4つあって、中心部に近いドナウ運河(Donaukanel)、少し離れて細長いドナウ島の両側を流れるドナウ本流(Donau)、新ドナウ川(Neue Donau)、そしてかつての本流を堰き止めた旧ドナウ川(Alte Donau)となるので、ドナウ島に降りると本流と新ドナウの両方が見られる訳である。国際航路ともなっている大河川で大型船も幾つか見られたが、この辺りも大雨の影響を受けたのか濁流となっていて、残念ながら美しくも青くもなかった(汗)

ドナウ塔より

次の国連都市駅で降りて、新市街の高層ビル群の中を歩き、公園を通り抜けてドナウ塔(Donauturm)へ。エレベーターで一気に150メートルの高さにある展望台に出ると、視界は360度。夕方近かったので、市中心部は逆光で霞んで見えたが、ドナウ各流や郊外の住宅地、高速道路や遠くの山並みまで見渡すことが出来た。塔の麓には日墺友好の桜並木もあった。

折角なのでさらに足を伸ばしてもう一駅先まで行って、旧ドナウ川も近くで眺める。さっき塔から見たとおり、こちらは他地域からの流入がないため、水は青かった。岸辺には木々が茂り、ヨットが多数浮かぶ保養地となっていた。夕食は市内に戻って名物の仔牛ののシュニッツェル(Schnitzel)。見た目に凄い量が出て来たと思ったら、薄く叩き伸ばされていたので、付け合わせの野菜と一緒に食べきることが出来た。今夜は赤ワインと一緒に~(^o^)