2006/08/04(金)

今日もすこぶる良い天気。出来るだけ多く見て回るために、一番早くから開いている博物館の開館時間に合わせて、駅前からバスに乗って郊外へ。ヴァイキング船博物館(Vikingskipshuset)に到着したのが、丁度9時少し前。既に観光客が集まっていて、大型バスも次からやって来た。館内には発掘された3隻のヴァイキング船が展示されている。貴人の巨大な棺として泥炭層にと共に埋められたため、腐ることなく保存されていたのだとか。副葬品のうち宝飾品は盗掘されていたものの、武器や生活用品、服飾品などが残されていて、当時の風習を知る貴重な手掛かりとなっている。

民俗博物館

続いては隣のノルウェー民俗博物館(Norsk Folkemuseum)へ。こちらの開館は都合良く10時から。ノルウェー各地から集められた古い建物が屋外に展示されていて、早い話が明治村。デンマークでも似たような施設に訪れたことがあるけれど、こちらは建物を展示するだけでなく、職員が民族衣装を着て昔の作業を再現したり、楽器演奏など様々なイベントを行っている。また田舎の建物のみならず、首都オスロの3階建てアパートもあった。こういう博物館ではじっくり見てしまい、予定していた以上に時間が過ぎてしまうので、地域別の農家集落はなるべく早足で見て回ることにした。屋根に草が生えているのが、ノルウェー農家の特徴なのだろうか。一番印象的だったのが、800年前の木造教会(Sravkirke)。全て木材だけで作られた背の高い建物で、そういえばいつぞやの新聞記事でも紹介されていたっけ。

夏場はバスがビュグドイネス(Bygdøynes)を経由しているので、次の博物館までバスで移動。桟橋前には3つの博物館が顔を並べているが、まずはコンチキ号博物館(Kon-Tiki Museet)から。ヘイエルダール(Heyerdahl)が“ポリネシア文化は南米から渡来した”という自説を実証するための航海に用いたバルサ製筏「コンチキ号」などの実物が展示されている。小学校の夏休みの宿題で「コンチキ号漂流記」を読んだのを思い出した。続いて訪れたフラム号博物館(Frammuseet)は、ナンセン(Nansen)の北極探検およびアムンゼン(Amundsen)の南極点到達に使用された巨大な船が展示されている。ノルウェーは海洋国家であることをつくづく実感。この地区にはもう一つ、ノルウェー海洋博物館(Norsk Sjøfartsmuseum)もあったけど、時間がないのでパスして夏季運航の船で市街中心部に戻る。

オスロ市庁舎

かなり空腹だったので昼食の店を探したけれど、今ひとつだったのでテイクアウトの店でフォカッチャを買う。船着き場のある市庁舎前広場(Rådhusplassen)から少し歩いて、オスロ湾に面した高台にあるアーケシュフース城(Akershus Slott)へ。近くにまたしても豪華客船が停泊していたけれど、展望台からの視界の妨げにはなっていなかった。城は現在でも王室の公式行事に使われることがあるらしい。順路に従って城内の礼拝堂や会食の間を見学してから、城外の建物の間を通って広場に戻る。広場に面したオスロ市庁舎(Oslo Rådhuset)に入ったら、見学者入口は反対側だった。巨大な絵画に囲まれた大広間では、ノーベル平和賞の授賞式が行われるのだとか。

ヴィーゲラン公園

広場から路面電車に乗って、郊外にあるヴィーゲラン公園(Vigelandsparken)へ。数多くの彫刻が配された幾何学庭園は花が咲き乱れ、多くの観光客で賑わっていた。まだまだ陽射しが強いが、時刻は既に午後5時近く。朝から動き回って疲れていたし、博物館も閉まり始めているので、路面電車で中央駅に戻り、宿に帰って帰りの支度をする。