2007/08/28(火)

今日は朝から良い天気で、気温もかなり上がる予報のようだ。まずは市内散策ということで、カルメン広場(Plaza del Carmen)から、「熊とヤマモモの像(El oso y el madroño)」のあるプエルタ・デル・ソル(Puerta del Sol)へ。この不思議な取り合わせの像は、マドリッドの紋章なのだとか。朝9時過ぎというのはマドリッドでは“早朝”になるようで、マヨール広場(Plaza Mayor)の観光客もまだまばら。サン・イシドロ教会(Iglecia de San Isidro)、市庁舎(Ayuntamiento)の前のビリャ広場(Plaza de la Villa)を経て、アルムデーナ大聖堂(Catedral de Nuestra Señora de la Almudena)の前に出る。この辺りは高台になっているようで、すぐ近くから西側の展望が開けている。

スペイン王宮

大聖堂の隣にあるのが王宮(Palacio Real)。思っていたほど混雑はしていなくて、すぐに入場することが出来た。大階段(Escalera Principal)に続く豪華な部屋の数々は、部屋ごとに趣向を凝らしていて~というのはヨーロッパの他の国の王宮と同じだが、ストラディバリウスのバイオリンやチェロが数台ずつあったのには驚いた。武具博物館(Real Armería)や王室薬剤局(Real Farmacia)も併設されていて、試薬や薬草の瓶がずらりと並ぶ古風な実験室が特に興味深かった。

プラド美術館

オリエンテ広場(Plaza de Oriente)を通って地下鉄に乗り、プラド通り(Paseo del Prado)に出てプラド美術館(Museo Nacional del Prado)に向かう。かなり暑くなってきているが、湿度が低いので、日陰を選んで歩けば楽である。「三大美術館」と並び称されていても、他の2つは15年前の開館と実はかなり新しいが、プラドは19世紀から続く歴史の長い美術館。ゴヤ(Goya)、エルグレコ(El Greco)、ベラスケス(Velázquez)などスペインの作品は勿論、イタリアやオランダ、ドイツなど、様々な時代の作品が数多く展示されている。巨大な作品が端から端までずらりと並んでいる部屋はパリのルーブル美術館を思い出す。400年前の絵でも色あせずに残っているだけでも驚きなのに、まるで写真のような精緻な写実画があって、それがまるで最近描かれたかのように見えたのにはびっくり。他に印象的だったのは、ありとある色の細かな石を貼り合わせて制作された風景画のコレクション。途中、地下のレストランで昼食を取ったのを含めて、約3時間の滞在。

チュロス

再び炎天下の外に出て、すぐ近くのティッセン・ボルネミッサ美術館(Museo de Thyssen Bornemisza)へ。まずは併設のカフェで一休憩しようかと思ったら館外だったので、そのまま展示室に入る。この美術館は時代順の展示になっているので、上階から順に部屋を進めば美術史を辿れるようになっているのだけど、途中で新館にも立ち寄ったので時代は一部前後してしまった。王宮に続いて2つの美術館を見て回ると、さすがに足がくたびれてしまったが、これで三大美術館は一通り見学したことになる。夕方前でまだまだ暑さの続く街路を歩き、プエルタ・デル・ソルを通り越して、老舗のチョコレート店(chocolatería)に入って、名物のチュロス(churros)とチョコラーテ(chocolate)を注文。チョコレートドリンクといっても、ココアのような“薄い”ものではなく、湯煎で溶かしたチョコレートのような濃さである。それと一緒に油で揚げたチュロスを食べたらもう、夕食はなくても十分という状態になったので、早々と宿に引き上げる。