2008/04/27(日)

ワットアルン

バンコク発の日帰りツアーは渋滞を避けるため、いずれも朝早く出発することになっている。ということで、今朝の集合時間は7時前。その分早起きをしなければならないのだが、日本時間の7時に起きるようにすれば、現地時間の午前5時になるのでそれほど苦ではない。迎えのバスに乗って、他のホテルにも立ち寄ってから、主要名所が集中する王宮地区へ。まずは王宮近くの船着き場から、渡し船に乗ってチャオプラヤ川の対岸に渡る。対岸近くに聳えているのが、高さ75メートルの仏塔。表面が陶器で覆われ、朝日に輝く様から「暁の寺」を意味するワット・アルン(Wat Arun)と呼ばれている。対岸の船着き場から歩いてすぐのところにあり、近くで見ると規則的に並ぶ複雑な模様が印象的である。そしてでかい。仏塔の半ばまで登れるようになっていて、階段は非常に急であるが、周囲の屋根や向こう岸を見渡す眺めは良い。

渡し船で東岸に戻り、ワット・ポー(Wat Pho)を訪れる。この寺は大きな涅槃仏で有名で、その長さは46メートル。金箔に覆われた仏像を堂内に並ぶ柱越しに見るため、写真は自ずとガイドブックと同じアングルになる。螺鈿細工に覆われた足の裏を回ると、裏側には108個の鉢がならび、順に硬貨を入れる音が堂内に絶えず響き渡っている。時間があまりなかったので、本堂周辺の建物を足早に見学してから、バスに乗って移動。短時間の乗車だったが、車内の冷房が有難い。

ワットプラケオ

続いて訪れたのがワット・プラケオ(Wat Phra Kaew)。本堂に安置された仏像は、光輝く台座の遥か上方。「エメラルド仏」という通称だが、実際は翡翠製とのこと。タイの寺院はいずれもきらびやかな装飾が施されているが、この寺院は王室専用ということもあり、建物は金色を中心とした華麗な装飾で煌めいている。中には外側の全てが黄金色という建物もある。境内にはアンコールワットの模型もあり、こちらは砂色一色ながらも精緻で見事。寺院に隣接した敷地は王宮となっているが、現在は居住や日常公務には用いられていないとのこと。建ち並ぶ宮殿群の外観を見学してから、バスに戻って中心部にあるホテルで解散。

回転展望台より

ラチャダマリ(Ratchadamari)通りを北に向かい、運河を渡って大きな交差点に出たら歩行者は横断出来ないようになっていたので、隣の交差点まで迂回してから戻るとそこはプラトゥナーム(Pratunam)市場の外縁となっていて、歩道に所狭しと店が並んでいてかなり歩き辛い。ようやく市場を抜けて枝道に入り、先程からずっと見えていた超高層のバイヨークスカイホテル(Baiyoke Sky Hotel)にたどり着く。エレベーターでホテルのフロントがある18階に上がり、そこから展望台の受付を経てエレベーターを乗り継ぎスカイレストランへ。2つのフロアのうち案内されたのは76階。席は窓際ではなかったのでとりあえずビュッフェ形式の昼食に専念した後、さらにエレベーターと階段を使って84階にある回転展望台へ。展望台は一部工事中で回転機構も停止していたようだが、周囲より抜きん出て高い場所なので展望はどこまでも広がっている。チャオプラヤ川からは離れているので、川面が一部見えるのみで王宮地区は大体の方角でしか分からなかった。

ジムトンプソンの家

ホテルを出て高架工事中の線路を渡り、少し歩いてスアン・パッカード(Suan Pakkard)宮殿へ。高床式の伝統建築を集めた博物館となっていて、遺跡の土器や仏像、楽器や鉱物等が展示されているが、屋内は撮影禁止。順路に従って一通り見学した後は、近くにあるスカイトレイン(BTS)の駅に出る。自動券売機は硬貨しか使えないので、紙幣は窓口で両替してから券売機を利用することになるが、混んでいたのでどちらにも列が出来ていた。改札は自動でホームは上階。道路に沿って建設された全線高架の鉄道で、日本だとモノレールか新交通になるところだけど、こちらは第3軌条の鉄道規格。サヤーム(Siam)駅でスクムウィット(Sukhumvit)線からシーロム(Si Lom)線に乗り換え、一つ隣の終点で下車して、ジム・トンプソンの家(Jim Thompson's House)まで路地を歩く。ジム・トンプソン氏はアメリカ人実業家で、タイの絹製品を世界に広めたが、40年前にマレーシアで失踪したとのこと。かつて居住した屋敷で、氏が収集した美術品を公開している。屋内はガイドツアーによる見学となっていて、日本語ツアーとして指定された時間に受付に行くと、日本人客は他にいなかったのでマンツーマンのガイドとなった。美術品はタイだけでなく、ビルマやカンボジア、中国の物もあり、詳しい解説を聞きながら鑑賞。

再びBTSに乗って、サーラーデーン(Sala Daeng)駅で地下鉄に乗り継いだが、両者の駅は結構離れていた。こちらの券売機は紙幣もOK。片道切符に相当するシングル・ジャーニー・トークン(Single Journey Token)はオセロ・ゲームの駒のような円盤で、乗車駅の自動改札ではカードリーダー部にタッチし、下車駅の自動改札では挿入口に投入することになっているが、ガイドブックの事前情報がなければかなり分かり辛いかも。終点近くのチャイナ・タウンを散策してから、地下鉄で宿に戻る。気温は35℃を越えとても暑かったが、大方曇っていて湿度もそれ程高くなかったので、バテてしまう程ではなかった。カメラのSDカードにPCで書き込んだ情報が残る状態で撮影を始めたため、本来の容量の4割程度しか使えず控え気味の撮影となったが、今日の分はなんとか収まった。明日から使うカードを忘れないうちに初期化しておこう。朝昼はしっかり食べたので、夜は携行食で済ませる。