2008/08/17(日)

ミュンヘン滞在2回目にして、朝食で地元名物の白ソーセージを初めて食す。あっさりしていながら、それでいてスパイスも利いていて、とても美味だった。

リンダーホーフ城

ミュンヘンからの日帰り旅行として、ガイドブックに載っていたドイツアルプスの登山列車も非常に魅力的だったが、今回は古城巡りのバスツアーを事前に申し込んでおいた。昨夕確認しておいたツアーの集合場所に10分前に行ったら、既にバスが停まっていて大勢の客が乗り込んでいるところだった。夏場の休日ということもあり2階建てバスは2台とも満席。ガイド氏はドイツ語と英語を切り替えながら早口で喋るので、注意して聞いていないと時々聞き逃してしまいそうになる。ミュンヘンを出て高速に乗り、1時間半程でリンダーホーフ城(Schloss Linderhof)に到着。小さな城の内部を言語別で見学することになっていたので、チケット売り場から暫く歩き、城の入口で日本語ツアーの開始時間を待つ。時間になったところで入場し、日本語の解説アナウンスを聞きながら係員の指示に従って各部屋を巡る。小さいながらも各部屋がそれぞれに意匠を凝らした内装になっていて、ロイヤルブルーの寝室は豪華で、鏡の間の視覚効果は圧巻だった。1階で用意した食事をテーブルごと2階に運び上げるという「魔法の食卓」はもっと大きいのを想像していたが、よく考えてみれば人間嫌いのルードヴィヒ2世のことだから、当然一人分の食卓だった訳やね。内部を見学した後は、あまり時間がなかったので足早に周囲の庭園を見学。裏手の斜面にある東屋まで登れば、眼下の城の向こうに山の稜線が見える。

オーバーアマガウ

バスに戻って次に訪れたのが、すぐ近くのオーバーアマガウ(Oberammergau)。10年に一度催されるキリスト受難劇(Passionsspiel)で知られる街で、家々の外壁の壁絵が印象的である。ここで小一時間の自由行動となったが、持参したガイドブックには載っていない街だったので、迷わないように道順を頭に入れながら賑やかそうな通りを選んで歩く。装飾的な窓枠を壁絵で表現している他、宗教画を描いた家も多い。窓や道端には花が咲き乱れ、背後には山並みが控えている。景色を眺めながら歩いているだけで十分楽しめる街である。

バイリッシェクレーム

再びバスに乗って約1時間でホーエンシュヴァンガウ(Hohenschwangau)に到着。城のチケット発売窓口には長蛇の列が出来ていたが、バスツアーだとチケットは予約済みなので心配無用。入場時刻が記されたチケットを受け取ってから、これまたツアーとして貸切になっていたレストランで昼食。折角ドイツに来たのだから、「ドイツビール部」の活動もしておかないとね~ということで鳥のソテーと一緒に地元のビールを注文。デザートメニューにバイリッシェ・クレーム(Bayrische Creme)が載っていたので、食後の別腹に迷わず注文。直訳すると「バイエルンのクリーム」ということになるが、英語で言うと"Bavarian creme(バヴァリアン・クリーム)"となり、フランス語で言うと"crème bavarois(クレーム・バヴァルワ)"となる。即ち日本では「ババロア」として知られている菓子のことである。ガラス容器に入って果物やソースが載っているので日本で食べる物とは印象が異なるが、味は紛れもなくババロアである。

新白鳥石城

指定された入場時刻までまだ余裕があったので、食後の散策としてホーエンシュヴァンガウ城(Schloss Hohenschwangau)がある丘に登る。今回のツアーではこちらの城の内部見学はないが、3年前に来た時に既に見学しているので無問題。あの時は連日の土砂降りで、10メートル先もよく見えない状態だったが、今日は晴れているので城からの景色が良く見えること。麓に降りて早めにバスの行列に並ぶと、2台目のバスに乗ることが出来た。反対側の丘を登るバスを終点で降り、脇道に入ってマリエン橋(Marien Brücke)を途中まで渡ると、フォルゲン湖(Forggensee)とシュヴァンガウ(Schwangau)の集落が広がる盆地を背景に、ノイシュヴァンシュタイン城(Schloss Neuschwanstein)の優雅な姿が目の前に。写真で見たことはあっても、実物はこんなに素晴らしい眺めだったとは! なにせ3年前にこの場所に立った時は、雨雲や霧に覆われた城が辛うじて垣間見える程度だったからね。バイエルンを再訪した甲斐はあった。とにかく晴れていて良かった。でも残念ながら城は今回、外壁補修中のためこちら側の半分近くが足場で覆われていたりする。これはさらにもう一度来なくてはならないということなのだろうか(汗)

脇道を引き返して坂を上って城の入口に向かう。麓からこちらが見えたということは、こちらからも麓が見えるんだよね。前回は大雨の中で時間待ちをした入口前の広場も、天気が良ければ間近の城を見上げて過ごすことが出来る。入場時刻になったところで自動ゲートを通り、係員の指示に従ってオーディオガイドを受け取る。内部を見学するのは2度目となるが、相変わらずの荘厳さである。そして各部屋の窓から見える景色の素晴らしいこと。内装と景色と両方合わせてこその「夢の城」だったのだと実感する。見学を終えて城を出て、帰りは歩いて麓に戻ることに。城からバス停への道は上り坂続きなので、景色を見ながら歩くというのがガイド氏のお勧めだったのである。あれ、それにしてもまだ5時前だというのに、何だか暗いなぁ、と思いながら歩いているうちに雨が降り出した。途中で本降りになったので傘を広げたが、麓に着いた時には既に止んでいたので単なる通り雨だったようだ。バスに戻る前にアルプ湖(Alpsee)の岸まで行って写真を撮っておく。

帰りは少し渋滞に巻き込まれたものの、ミュンヘン中央駅到着は午後7時頃。空腹だったら中心部のビアレストランに行くつもりだったけれど、昼は遅めで結構しっかり食べたので、駅構内でほうれん草のパイ(Spinatstrudel)を買って軽く済ませる。