2008/08/18(月)

今日のフライトは夕方前だったので、宿をチェックインする前にミュンヘン市内を散策。時間があるとはいっても、郊外のニンフェンブルク城(Schloss Nymphenburg)はちょっと遠かったので、とりあえず旧市街の中心にあるマリエン広場(Marienplatz)まで歩く。今日は昨日よりもさらに天気が良くて、空は雲一つない快晴。真っ青な空を背景に広場の写真を撮ってから新市庁舎(Neues Rathaus)の塔に登るつもりだったが、あれれ、ガイドブックでは夏場は朝9時からとなっていたのに、実際は10時からだった。ということで予定の順番を入れ替えて、先にカフェ・クロイツカム(Café Kreuzkamm)で休憩。さすがにこの時間だとケーキの種類が少なかったが、ザッハトルテ(Sachertorte)があったので注文。

フラウエン教会より

10時前に店を出て、近くのフラウエン教会(Frauenkirche)に向かう。内部を先に見学してから、入口近くでチケットを買って、螺旋階段とエレベーターで南塔の展望室へ。塔の上り方が記憶と違うような気がしたが、後から調べたら前回は上っていなかったようで、どうやらウィーンのシュテファン寺院(Stephansdom)の北塔と勘違いしていたようだ(^^; 良く晴れているのでミュンヘン市内は勿論のこと、遠くドイツアルプスの稜線まではっきりと見渡すことが出来る。売店には各国語のミュンヘンガイドが並んでいて、フランス語でも英語と同じく"Munich(ミュニック)"というのは予想の範囲内だったが、イタリア語で"Monaco"というのには驚いた。ミュンヘンもモナコ公国も同じ地名になってしまうんだね。まぁ、それを言うと、英語ではジョージアもグルジアも"Georgia"になるのだけどね。

ミュンヘン空港

まだもう少し時間があるので新市庁舎の塔にも上ろうか迷ったけれど、すぐ近くだと景色としてはそれ程違わないはずだし、前回来た時に上っているので、早めに切り上げて宿に戻る。中央駅の地下から近郊鉄道に乗って空港入りし、第2ターミナルで搭乗手続きを済ませる。この空港には展望デッキがあるとのことだったので、案内に従って2つのエスカレータの乗って、入場料を機械に投入して長い通路を歩き、ようやく辿り着く。横一列に並んだ搭乗橋を上から見下ろせる場所だったが、時間帯のせいなのか飛行機の数は少なかった。ターミナルに戻って手荷物検査を受け、出発時刻までラウンジで過ごす。

ヘレンキームゼー城

今日はビジネスクラスの利用といっても、A320-200型機の前方席はエコノミーの3列席の真ん中をブロックしただけのものだったが、食事等のサービスはしっかりとビジネスクラス。中距離だとメインのホットミールも2種類から選べるようになっていた。飛行ルートの天候は概ね晴れで、地上の景色を窓からずっと楽しむことが出来た。離陸後暫くして湖に浮かぶ庭園のある島のすぐ近くを通ったが、あれは間違いなくヘレンキームゼー城(Schloss Herrenchiemsee)のあるキームゼー湖(Chiemsee)だろう。遠くからとはいえ、これでルードヴィヒ2世の城は一通り見たことになる。南東に飛行を続けていると、景色はやや乾燥した植生に移り変わり、ギリシャ上空まで来ると特徴的な地形が判別出来るようになる。ガイドブックの地図と見比べながら、きっとあれがハルキディキ(Χαλκιδικής)半島、この島の連なりはスポラデス(Σποράδες)諸島かな。エヴィア(Εύβοια)島の上空で旋回して、アテネ(Αθήνα)の市街地が見えると着陸態勢に入り、アテネ・エレフテリオス・ヴェニゼロス国際空港(Διεθνές Αεροδρόμιο Ελευθέριος Βενιζέλος)に到着。効率を重視してミュンヘン到着直後に乗継いでいれば、アテネにはその日のうちに到着出来たのだけれど、市内中心部に着く頃には日付が変わってしまうし、ミュンヘンも再訪したかったので途中降機することにしたのである。

涼しかったミュンヘンとは異なり、アテネは午後7時前でも気温は30℃を越え、快晴の空から西日が射してかなり暑く感じる。ターミナルを出てから郊外鉄道の駅までは結構距離があり、暫く歩いた後は動く歩道を幾つか乗継ぐことになる。券売機はコインしか使えないようだったので、窓口で切符を買うことになるが、ガイドブックの駅名にはアクセントが記されていなかったので、適当に平板に発音したら一応通じたようだ。ホームに降りてみると2面3線で、1時間に2本の地下鉄直通は中線で折り返し、1時間に4本の郊外鉄道は外側で折り返すようになっていた。新型の地下鉄車両に乗り込んで、市内中心部に向かう。念のため駅の数を数えていたけれど、英語のアナウンスやラテン文字の電光掲示もあるので降り損なうことはないだろう。ドゥキシス・プラケンティアス(Δουκίσσης Πλακεντίας)という舌を噛みそうな名前の駅から地下鉄区間に入り、空港を出てから約1時間でモナスティラキ(Μοναστηράκι)に到着。アクセントは後ろから2番目だったので、“モナスティラーキ”と発音すればよかったんだね。なお、現代ギリシャ語は文字の発音が大きく変わっているが、書いてある文字を発音するのは規則的だし、ラテン文字の祖となったギリシャ文字自体に馴染みがあるので、地名を読むことはアジア諸文字に比べればそれ程難しいことではない。

地下鉄を降りて地上のどこに出たのか一瞬分からず戸惑ったが、大きな通りの名前とアクロポリスの丘を頼りにホテルを探し当ててチェックイン。荷解きをして洗濯とシャワーを済ませたら、午後10時になっていた。ドイツとギリシャは1時間の時差があり、例によって欧州滞在中は明け方から起きているので、かなり眠くなっている。という訳でさっさと寝床に入ったものの、繁華街に近いため夜中を過ぎても窓の外は騒がしく、22℃設定でも日本製エアコンはあまり効かず、途切れ途切れの浅い眠りになってしまった。