2008/08/20(水)

朝食の始まるのが7時で、ツアーの集合は近くのホテルに7時半過ぎと、少々タイトなスケジュールだったので、出掛ける準備を済ませてから手早く朝食を取って、集合場所に向かう。十数分遅れてやって来た係員の指示に従ってバスに乗り、オリンピックスタジアムの近くを通ってクルーズ船の待つ港へ。すぐに出航となったのでどうやら一番最後に到着したバスだったようだ。乗船まではずっと英語による案内だったが、日本語のアナウンスがあって指定場所に行ってみると、日本語を流暢に話す係員が旅程やオプショナルツアーの説明をしてくれた。ツアーはサロニコス湾(Σαρωνικός κόλπος)の3島を巡る一日クルーズで、島を訪れる順番はその日の天候等で決まるそうだが、今日は真ん中のポロス島(Πόρος)、一番遠いイドラ島(Ύδρα)、そしてアテネに一番近いエギナ島(Αίγινα)の順になるとのこと。船内のアナウンスはマルチリンガルで、英仏伊西希日中露語がひっきりなしに流れていた。

ポロス島

最初の船旅は約2時間。エーゲ海(Αιγαίο Πέλαγος)の島影を眺めたり、ガイドブックで各島の予習をしたりしながら、船内でのんびりと過ごしているうちに、ポロス島に到着。まずはポロスの町の高台にある時計台を目指す。適当な路地の階段を上って少々迷いつつも、途中に標識があったので程なく見付けることが出来た。すぐ対岸はペロポネソス半島(Περιφέρεια Πελοποννήσου)で、青い空と青い海に挟まれて、山の麓に港町が広がっている。下りは反対側の道を使ったが、どうやらこちらがメインルートだったようだ。僅か40分の滞在時間だったので、港に面した通りを少し散策してから早めに船に戻る。船内の昼食は前後二部制で、乗船時に渡されたチケットの色で指定されたのは前半だったので、ポロス島とイドラ島の間の1時間のうち大部分は食事をしている間に過ぎる。

イドラ島

イドラ島は自動車やバイクの乗り入れが禁止されていて(ゴミ回収車を除く)、島内移動はロバかボートに限定されているとのこと。イドラの町は港を囲む山の斜面に広がっていて、船はその東側に接岸。すぐ近くに見張り台があったので、まずはそこに上って町の全景や背後のエーゲ海を眺める。その後は港に面した通りを歩いて、町の反対側に出る。道はさらに続いていて、岬の風車小屋を越えて夏枯れの斜面に入り、その向こうに瀟洒な住宅地が見えて来たところで引き返す。今日は朝からずっとエーゲ海を見て来たが、この辺りの海の何と青いこと。一言でいえば群青だが、濃くて鮮やかである。地質や風景、気候が違うせいか、沖縄の海の青とはまた違う色に見える。これが「一期一会(中島みゆき)」で言うところの“見たこともない海の色”なのだろうか。そういえば土産物屋で売っている風景画も、空と青と海の青が目立っていた。

真白な路地

帰りはあちこちの路地を辿ってみる。ポロス島の路地も全体的に白っぽかったが、イドラ島の路地はいずれも家という家の壁や路面までもが真っ白で、青く塗られた扉や窓枠との組み合わせが非常に印象的である。垣間見える空も勿論青い。そういえばギリシャの国旗も青と白だったよね。短時間とはいえ、写真で見て憧れたギリシャの真白な路地を実際に歩くことが出来て感激である。後から聞いた話によると、壁を白く窓枠を青く塗ることが決まっていて、漆喰は年に数回塗り直すとのこと。そうしないとあの真っ白な色は保てないのだろう。2時間弱の滞在もあっという間だった。イドラ島から折り返してエギナ島までの船旅は約2時間。上階のデッキで過ごす人が多かったようだが、日に当たりっぱなしになるのはかなり暑そうだったので、ずっと空調の効いた船室で過ごす。

アフェア神殿

エギナ島の滞在時間は2時間と少し。遺跡と海水浴の2つのオプショナルツアーがあって、遺跡ツアーの方に参加。港で待機していたバスに乗り込むと、日本語と中国語のガイドが船からそのまま移って来て交互に案内を始めた。途中の山道からは近くのサラミス島(Σαλαμίνα)が見える。エギナ島はピスタチオの産地で、道の両側にはピスタチオの畑が広がっていて、茶色い実がなっているのが確認出来たが、走行中のバスから写真を撮ってもシャッター速度が追いつかなかった。島の反対側にあるアフェア神殿(Ναός της Αφαίας)は約2500年前に建てられたもので、大理石ではなく石灰岩を使って漆喰で塗ったのが他では見られない特徴となっている。神殿を見学した後は、向かいの売店でピスタチオ入りのアイスクリームを食べる。再びバスに乗って、途中の聖ネクタリウ修道院(Μονή Αγίου Νεκταρίου)に立ち寄ってから港に戻る。

帰りの船旅はグリークダンスのショーを見て過ごす。メインのダンスよりも謎のコメディア出番の方が長かったような気もするが(^^; アテネの港からバスに乗って、市内中心部のシンタグマ広場(Πλατεία Συντάγματος)で下車。宿に帰り着いたのは午後9時頃。夜は船で食べた携行食で十分だったので、明日に備えて早めに就寝。