2008/11/03(月)

今日も前線の影響で一日中傘マークになっているが、強く降るのは夕方からということは、午前中ならなんとか天気がもつのではないかということで、早めに宿を出て急ぎ足でバスターミナルへ。38番の志喜屋線に乗って、南風原経由で旧知念村(現南城市)を目指す。もともと接続に余裕がなかったのにバスが少し遅れたため、安座真サンサンビーチ入口で下車してから港まで走る羽目になったが、無事に出航前の高速艇に乗ることが出来た。

安座真港から久高島までは約15分。港を見下ろす公園から写真を撮った後、港近くで自転車を借りる。細い路が入り組んだ集落を抜け、細長い島の中央を貫く道を暫く走り、右に曲がって南岸の伊敷浜へ。宝の壺が流れ着いたという伝説がある場所で、良く晴れて海は綺麗なのだけれど、午前中は逆光条件なので写真は少し難しい。南岸沿いの道を辿り、シマーシ浜で再び海辺に出てみる。この辺りには貝塚や星砂の浜があるそうだが、付近を歩いてみてもよく分からなかった。そのまま走り続けて、北東端のカベールに着くと視界が開け、青い海の向こうに一昨年訪れた津堅島や与勝半島を見ることが出来る。暫く景色を眺めてから、元来た道を引き返す。

久高島の海

帰りは北側を中心にということで、地図にある「ロマンスロード」に行ってみる。どの辺がロマンスなのかと思っていたら、崖から見下ろす海には珊瑚礁が広がり、淡く所により緑色を帯びていて、遠くの海は深い青で、本島の上の晴れ渡る空も青。今日は天気が良くない予報だったので、ここまで綺麗な景色が見られるとは思っていなかった。そういえばギリシャでエーゲ海の青を見た時、沖縄の海の青と印象がかなり異なるように感じたのは、地質や植生や街並みの違いによるものだと思っていたが、あちらにはサンゴが生息していないので、青一色になっていたのではないかということに今頃気が付く。さらに進みながら何度か海に出てみるが、北側は順光条件になるので、カメラ任せに撮るだけで非常に綺麗な風景になった。

久高島は琉球神話によると五穀発祥の地で、祭祀の島として知られているが、島の中心にあるクボー御嶽(うたき)は一般人立入禁止の聖域なので、入口にある説明の立て札を読むに留める。近くにあるはずの「記念塔」が見当たらなかったが、後から小さな石碑のことだったと知る。集落に戻り伝承にゆかりの地などを回ってから、自転車を返却して港近くの食堂に行ったら、店の前に行列が出来ていた。連休中だから観光客が多いのだろうか。船の待合所には駄菓子しか売っていなかったので、本島に戻ってから食事にしてもよかったのだけど、次の船まで一時間近くあるしどうしようと思いながら、暫くしてもう一度行ってみたら行列は解消していたので店に入る。丁度客が入れ替わったところのようで、これから注文という人ばかりだったが、時間はたっぷりあるので船に乗り遅れることはないだろうということで気長に待つ。30分くらいで注文したそばが出てきたので、フェリーには余裕で間に合った。ずっと天気を心配していたが、風が少し強くなってきたくらいで、とりあえず午前中はずっと晴れていた。

斎場御嶽

午後から雨が降るようなら那覇にすぐ帰るつもりだったが、船から見た本島上空は厚い雲に覆われていたものの、安座真港に戻ってみると付近はまだ晴れていたので、そのまま暫く観光を続けることに。都合良くバスの時間ではなかったので、国道沿いに坂道を上り続ける。北側はどんよりと曇っているのに南側は晴れていたので、遮るもののない日向を歩いていると汗だくになる。高台となっている場所からは、青い海に浮かぶ久高島の全景が見られる。知念レジャーセンターの前を通って、さらに坂を上り続け、もうそろそろかなという頃合いで斎場御嶽(セーファウタキ)の案内看板を見付ける。国道から少し奥まったところにある「緑の館 セーファ」が入口となっていて、裏手の通路を辿ると御門口(ウジョーグチ)に出る。そこから石畳の道を進んで、大庫理(ウフグーイ)、寄満(ユインチ)、三庫裏(サングーイ)の順に見学。三庫裏には久高島遙拝所があって、先程訪れた島を木々の間から見ることが出来る。ただし遙拝所の石段は立入禁止になっている。巨石が作る三角形の洞門は、記憶にある通りの壮大さである。前回訪れた10年前は世界遺産に指定される前で、今と比べると知名度があまりなくて、同行のバスガイドもここに客を案内するのは5年ぶりくらいと言っていたぐらいで、他に観光客の姿を見掛けなかったが、今は結構訪れる人が多いようである。

ドゥル天

10年前は確か、この先に見えた体育館の裏手からに海を眺めたはずだったけど、さすがに雲行きが怪しくなってきたので行くのは無理かなと思っていたら、地図を見ると意外と近くにあったので、バス待ちの時間を利用して小走りで向かう。知念体育館の裏の階段を下りると知念岬公園となっていて、前方の海はまだ明るく輝いていたが、左手の海には雨を激しく降らせる雲があり、天気の変わり目がはっきり見て取れた。前回来た時はひっそりとした場所で、公園があったという記憶はなかったのだが、後から調べてみると2000年に公園が整備されたらしい。帰り道でいよいよ雨が降り始め、太陽で熱せられたアスファルトから蒸気が湧き上がる。バス停に着く頃には本降りとなっていたが、コンビニで買い物をするうちに一旦止む。現在のバス停名は「斎場御嶽入口」だが、以前は「知念体育センター入口」だったようだ。定刻通りに来たバスに乗って暫くすると再び大雨となったが、終点のバスターミナルで降りた時には既に上がっていた。結局観光中は殆ど雨に降られなかったばかりか、午前中は天気に恵まれたのだから上々である。ただ予想外の晴天で、すっかり日焼けしてしまった(^^; 夜は国際通りの「波照間」で、ナーベラーンブシーやドゥル天を「どなん(30度)」と一緒に。

久美沙織「ここは魔法少年育成センター3 とびます。」読了