2008/11/16(日)

坂本石段

予報通り雨が上がったので、交通センターに荷物を預けてから氷川ダムゆきのバスに乗る。南熊本、甲佐経由で1時間半近くで坂本石段前に到着。3333段を数える日本一の石段に登るのが今回の目的で、一昨年は天気が良くなくて断念したため、二度目の挑戦ということになる。バス停の名前からすると、すぐ目の前から石段が始まっているように思えるが、実際は300メートル先だということを現地に行ってから知る。バス停付近に案内がなかったので最初は戸惑ったが、程なく自動車用の標識を見付けて、木立の中に大きな石碑のある石段の入口に辿り着く。軽く準備運動をしてから、いざ出発!

ここで大きな問題がある。バスの本数が少ないので、滞在時間が1時間半か6時間という究極の選択となってしまうのである。バスの本数が比較的多い佐俣まで歩くとしたら約10km。下り坂を普通に歩くだけなら3時間近く頑張れば歩けないことはないが、石段を上り下りした後だとさすがに厳しいだろう。かといってタクシーを呼んだら7千円以上掛かるようなので、とりあえず急ぎ目に登ってみて、1時間半に間に合いそうなペースならそのまま続け、無理そうなら釈迦院や展望台も訪れる“のんびり6時間コース”に切り替えることにしよう。

最上段

石段はさすがに切れ目なく3333段が続いている訳でなく、踊り場や緩やかな坂道を間に挟みながらなので、一塊となっているのは多くても200段くらいである。100段ごとに標識の小さな石碑があるので、現在どの辺りにいるのかを確認するのは容易である。前半はずっと登り続けることになるので、息が上がってきたところで適宜休みながら進むことになるが、一時間半後のバスに微妙に間に合いそうなペースが続いたりするので、つい頑張って進んでしまう。もう少しでも遅いペースだったら、諦めてゆっくり登るところなのだけれど、かなり微妙なのでおちおち休んでもいられない。日本各地や世界各国の石材を使っていて、それぞれに由来を記した石碑があるのだが、それを立ち止まって読む余裕もなく。重き荷はコインロッカーに預けて来たものの、石段の果てしなさに途中でバテてしまうのではないかと心配になったが、今3分の1,あと半分、あと3分の1と節目を数えているうちに、約1時間で最上段に到着\(^o^)/

近くには展望台があるけれど、山沿いは雲がかかっていて視界はあまり良くなさそうだし、頑張ればなんとか次のバスに間に合うかぎりぎりのところだったので、付近の写真だけ撮った後は達成感に浸る間もなくさっさと石段を下り始める。下りは位置エネルギーを利用出来るのので、ほとんど駆け下りるような状態だったが、これだけの長さだと下りても下りても麓はなかなか近付かない。幸い滑りにくい石材だったが、昨日の雨の影響で少し湿っているし、ところどころ落ち葉があるので、足を滑らさないように気をつけなければ。それから足を踏みはずしたりもしないように、急ぎながらも慎重に。
約30分でようやく麓に辿り着いたが、そこからバス停まではさらに300メートル。既にバスの発車時刻は過ぎていたが、もしかして遅れている可能性もあるかもしれないと、最後のもうひと頑張りで走ったら、ちょうど運転手が道案内をしているところでどうにか間に合った。往復1時間半はかなり速い方らしいが、毎日走って上り下りして鍛えている人だと、もっと速いのだとか。佐俣宮前でバスを降りて、「石段の郷 佐俣の湯」まで歩き、のんびりと温泉に浸かる。

そのまま熊本市内に戻ってもよかったのだけど、ケータイでバスの時刻を検索したら、霊台橋に行って来られることが判明したので、暫く待って矢部ゆきのバスに乗る。途中通過した砥用は「ともち」と読むとは知らなんだ。20分足らずで目的地に到着。熊本県の中でもこの辺りは石造りの橋が多く、山都町にある通潤橋が一番有名であるが、美里町にある霊台橋は単一アーチ式石橋としては日本一なのだとか。江戸時代末期に完成し、四十数年前までは自動車も通行していたが、上流側に自動車用の橋を造って、現在は歩行者専用となっている国の重要文化財である。最近の調査で大正と昭和に出来た橋(どちらも大分県)の方が径間が長く、実は3番目ということが分かったらしいが、だからといってこの橋の文化的価値が変わる訳ではない。

霊台橋

水道用の通潤橋には欄干がなくて結構怖かったが、こちらは低い位置ながら手摺が付いているのでやや安心。写真を撮りながら反対側に渡り、川岸に降りて自動車橋を潜り、石橋を見上げる場所に出る。足下の石畳は川面までなだらかな丘のように続いているが、苔に覆われていて滑り易くなっている。ここで川に落ちたらシャレにならないので、安全圏で立ち止まって撮影。それにしても、トラックや重機のない時代に、よくこれだけのものを造ったものである。1時間弱の滞在時間を持て余すことなく、時刻少し前にバス停に戻る。

やって来たバスは熊本交通センター直通だったので、車内では安心して眠って過ごす。終点で降りて、荷物をロッカーから取り出し、空港ゆきのバスに乗り継ぐ。渋滞に巻き込まれて到着が遅れたが、元より搭乗便までかなり余裕があったので全く問題なし。空港内で夕食を取った後、いきなり団子を買って食べるつもりだったが、空港内が混雑しているせいかどの店も売り切れ。それともいつもより遅い便の利用だったせいなのかな。次に来た時は市内で食べるようにしよう。

羽田空港混雑のため、管制の指示により出発を遅らすというのはよくあること。そのため羽田到着が定刻よりも遅れた上、降り口も南ピアの端の方になってしまったが、つくばゆきの最終バスに急げば乗れるという際どい時刻。かくしてターミナル内を駆け抜けることになったのである。券売機には3分前に到着したので、バスには無事間に合ったけれど、明日は間違いなく筋肉痛が.......