2008/12/22(月)

英国式庭園

朝食を済ませてから宿を出て、近くのクイーンズタウン・ガーデン(Quennstwon Gardens)を散策。湖に突き出た小さな半島が丸ごと公園になっていて、中央の高くなっている所が池のある英国式庭園になっている。アイリスやスカビオサなどもちらほらと咲いている。大きな木々が立ち並ぶ斜面を下りると湖岸に出ると遊歩道があり、朝から散策やジョギングをする人達が時折行き交う。道はこの先何キロも続いているようだ。山の上の方には雲がかかっていたが、それ以外はほぼ快晴。ディア・パーク(Deer Park Heights)側の景色を眺めてから、街に戻る。

続いて桟橋にあるアンダーウォーター・ワールド(Underwater World)へ。階段を下りて、その名の通り水面下にある部屋に入ると、水族館のように窓から水の中を見ることが出来る。大きな鮭の仲間が沢山泳いでいたが、時々鳥の形をした影が視界をよぎる。何かと思えばニュージーランド固有のカモの仲間で、潜水が得意なのだとか。

湖岸の平地は広くないので、街中を5分も歩けばすぐ坂道となる。標識の案内に従って、キーウィ&バードライフ・パーク(Kiwi & Birdlife Park)へ。ここは昔、街外れのゴミ捨て場となっていたところを、野鳥園として整備したのだそうな。日本語のオーディオガイドを装着して、各施設を順に巡る。獲物が来るまで微動だにしないトカゲを見た後は、キウイハウスへ。キウイ(kiwi)は言わずと知れたニュージーランドの国鳥で、果物のキウイ(kiwi fruit)に似ているが、名前としては鳥の方が先。そして果物の方もニュージーランド名産であるが、原産地は中国である。鳥のキウイは夜行性なので、キウイハウスでは昼夜を逆転して、活動中の様子を見られるようにしている。光に敏感なので、中は暗室のような環境になっている。当然のことながら撮影禁止。音にも敏感なので足音を忍ばせるようにして中に入り、暗闇に慣れるまでじっとしていると、ガラス越しにちょこまか走り回っているのが見えてきた。空を飛べない分、足はかなり速いようである。愛嬌のある鳥の動きを暫く眺めてから外に出て、他のニュージーランド固有の鳥を観て回る。いたずら好きのオウムや、やたらと大きなハト、昨夜飲んだエールの銘柄の由来となったトゥイ(tui)もいる。マオリ文化の紹介として、ヒスイ(green stone)や炊事場や狩りに使う罠なども展示されていた。

ワカティプ湖

見学を終えて入口から外に出ると、ゴンドラ乗り場はすぐ目の前。往復運賃と山上レストランの昼食のセット券を購入してから、4人乗りゴンドラに乗り込む。街から遠ざかるにつれ景色は雄大になってゆく。荒々しい山並みに囲まれたワカティプ湖は空にも負けない青さで、手前にはクイーンズタウンの街並が広がる。今朝散策したガーデンやディア・パークが特徴ある湖岸線を形成している。頂上のボブズヒル(Bobs Hill)にあるのが、スカイラインコンプレックス(The Skyline Complex)で、レストランや土産物屋の他、パラグライダーやリュージュなどのアクティビティも楽しめるようになっている。ちょうど昼食時間が始まるところだったので、早めにレストランに入って角にある見晴らしの良い席に座る。ビュッフェ形式だったが、食べ過ぎにならないよう程々にしておこう。食後は屋上のテラスに出て大パノラマを心行くまで観賞。パラグライダーがひっきりなしに舞い降りてゆく中、眼下からバンジージャンプに挑戦する人の叫び声が聞こえて来る。そうするとなんだかこちらまで不安になって、思わず手摺を掴んでしまった(^^; 後から調べたところ、バンジージャンプはバヌアツの通過儀礼が元となっているそうだが、アクティビティとしてのバンジージャンプはここ、クイーンズタウンが発祥なのだとか。

アロータウン

麓に戻ったところで、クイーンズタウンの観光は一通り済んでしまったので、バスに乗って少し遠出をすることにした。細長いS字型をしたワカティプ湖の枝(Frankton Arm)に沿って進み、空港を経由し、さらに小さな湖(Lake Hayes)を通り越して、一時間足らずでアロータウン(Arrowtown)に到着。ここは百年以上前のゴールドラッシュで、一時賑わった町である。既に金は採り尽くされているが、古い建物が多く残されている。最初にバス停近くの湖水地方博物館(Lakes District Museum)で、町の歴史に関する展示を見学。国立銀行として使われていた建物を反対側に出ると、その名もバッキンガム通り(Buckingham Street)という目抜き通りで、昔ながらの佇まいが残っている。青空の下に続く通りの先に山が聳えているのが印象的である。町外れのその先まで歩いて、中国人村(Chinese Village)の跡を見学してから、再び町の中を散策。そろそろバスの時刻かなと早めにバス停に戻ってみたけれど、一時間に一本の運転なのに時刻表の掲示がなかったりする。大体このくらいのはずだけどと少々不安になりながらも、別段急ぐ訳ではないので木陰に座って20分くらい待つと、折り返しのバスが到着。後で確認するとほぼ時刻通りだったようである。車内では眠ってしまい、気が付くと終点の手前だった。

エニシダ

クイーンズタウン観光の締め括りとして、街の背後の高台を目指す。歩行者専用になっている目抜き通り(The Mall)から続く道を歩くと上り坂になり、途中から急勾配になる。スキーのジャンプ台ぐらいの急斜面といっても過言ではないくらいで、歩道部分は階段になっている。息を切らしながらも登る目的は、エニシダを近くで見ることだったのだが、突き当たりまで行ってもエニシダは見当たらない。少しは歩きやすそうな登山道経由でさらに登って、開けた場所に出るとようやくオレンジ色の群落が見付かった。舗道を歩いて近寄るとフェンスの向こう側だったが、やはり紛れもないエニシダが斜面に密生していた。振り返ると道沿いに咲いている淡黄色のルピナスの向こうに、ワカティプ湖が広がっている。これだけの景色を観ることが出来たのなら、登った甲斐はあったというものだろう。下りは別の急斜面の歩道を辿って街に戻り、スーパーでサンドイッチを買って帰る。

暗くなってもまだ晴れていたので、今夜も湖岸に出て星空観察。エリダヌス座α星のアケルナルも確認出来たのので、これで全天の一等星は一通り見たことになるのかな。部屋のベランダから裏手の林の上空に垣間見えていた星を改めて確認すると、南十字星やケンタウルス座α、β星、そしてカノープスだったことが判明。