2009/05/03(日)

宿を出て新バスターミナルからダブリンゆきのバスに乗車。帰りは列車を利用することも考えたのだけれど、運転本数が少なくて所要時間がバスと余り変わらず、運賃が3倍以上でダブリン側の駅が宿から遠いということで断念。車内のネットで情報収集した後は、時折外を眺めながら文庫本を読んで3時間を過ごす。ダブリン市内ではゴールウェイゆきとは違う場所に停車したが、リフィ川(River Liffey/An Life)を挟んで反対側だったので、宿までの道はすぐに分かった。チェックインの時間には少し早かったようで、準備が整うまでしばし待ってから部屋に入り、少し休憩してから半日市内観光に出掛ける。

トリニティー大学

税関(Custom House)の近くを通ってリフィ川を渡り、トリニティー・カレッジ(Trinity College)へ。大学図書館で公開されているのが「ケルズの書(Book of Kells/Leabhar Cheanannais)」と呼ばれる8世紀の聖書の写本。時代背景や製作技術に関する展示を見学した後は、いよいよ実物との対面。保存状態は非常に良く、華麗な挿絵や文頭の飾り文字の彩色も、1200年を経た今でも鮮やかである。同時代の本2冊と共に公開されている実物2冊は、半年ごとに開いているページを変えるのだとか。続いては階段を上ってロングルーム(Long Room)に進むと、65メートル続く通路の両側にずらりと書架が並び、上階に相当する部分も吹き抜けになっていて、そこにも書架が並んでいる。ここには20万冊の蔵書が収められているが、場所が足りなくなって1860年に上階部分を増設したのこと。先程の「ケルズの書」の展示コーナーだけでなく、書庫も含めて全面撮影禁止なので、この荘厳な眺めは記憶に留めるのみである。通路脇には1916年の「共和国宣言(Proclamation of the Irish Republic)」や、アイルランド最古のハープ(15世紀頃)などが展示されている。このハープの形が国章となり、アイルランドのユーロコイン全種の裏側にも刻まれているが、実物には精巧な装飾が施されている。張ってある弦は古びているが、もし演奏可能ならどんな音色なのだろう。通路の途中にある階段から下の売店に出て、見学コースが終了となる。

聖スティーブン公園

昼はバス車内で携行食をかじっただけなので、途中のコンビニでサンドイッチを買って食べてから、国立考古学博物館(National Museum of Ireland-Archaeology)へ。こちらは月曜休館なので、今日のうちに見ておかないとね。ケルト文明関連の展示が中心であるが、バイキングやエジプト文明のコーナーもある。中世のブリテン島だけでなくアイルランド島にもバイキングは来ていて、ダブリンの街の起源もその入植地なのだそうな。古来アイルランドは金を産出していたので金製品が沢山展示されていたが、「タラのブローチ(Tara Brooch)」などケルト模様の精巧な金細工もあった。博物館を出て、近くのセント・スティーヴンズ・グリーン(St. Stephen's Green)を散策。今日は天気が良いけれど、明日はどうなのかな。歩行者で賑わうグラフトン・ストリート(Grafton Street)を通って、飲食店が集中するテンプル・バー(Temple Bar)の"Gallaghers Boxty House"で夕食。薄手のパンケーキで包んだ料理ボクスティ(Boxty)の専門店で、具材はビーフを選択。食後は勢いでチョコレート・ムースとアイリッシュ・コーヒーを注文。すっかり満腹になったところで、川沿いを歩いて宿に戻る。