2009/08/24(月)

共和国議会

宿の朝食に魚の酢漬けがあったので、ここも北欧であることを実感。明け方に降っていた雨は止んで、朝食後は晴れ間も見えるようになっていたが、外に出るとまた少し降っていた。その雨もロイガヴェーグルを歩いているうちに、いつしか上がっていた。市内中心部にあるアルシング(Alþingi)は共和国議会で、その建物は日本の国会議事堂に相当するが、ガイドブックにある通り2階建のとても小さな建物である。近くにある市役所(Ráðhús Reykjavíkur)の方は近代的な3階建で、議会に比べるとずっと大きい。その市役所が面するチョルトニン湖(Tjörnin)を一周すると、雨が降っていなくても風が強くて、すっかり体が冷えてしまったので、近くの喫茶店に入って暖を取る。

ペルトラン

一息ついた後は、緩やかな坂道を上って郊外を目指す。丘の上にあるのが半球ドームを6つの円柱タンクが取り囲むという、印象的な形をしたペルトラン(Perlan)である。英語に直訳すると"The Pearl"となる複合施設は、温水供給施設と観光施設の役割を兼ね備えていて、1階(アイスランドの階数表示は米国式なので地表にある)にはタンクの一つが改造された博物館があり、3階には展望台とカフェテリア、4階には回転レストランがある。天気は回復傾向にあるようだが、まず最初に3階の展望デッキに出てレイキャビク市街地や国内線空港など周囲360度を見渡しておいてから、1階に戻ってサーガ博物館(Sögusafnið)に入る。最初の入植や新大陸の“発見”(コロンブスよりも500年早い)など、アイスランドの歴史の各場面を蝋人形を使って再現しているのだが、入場料に含まれるオーディオガイドを借りてみると、英語の解説が早口でついていくのが難しかったりする。見学後に3階のカフェテリアで昼食を済ませると、外は陽が射すようになっていたので再び展望デッキに出る。今度はレイキャビクの街並の向こうに、エーシャ山(Esja)の連なりがくっきりと浮かび上がっていた。

塔の展望台より

思ったよりも天気が良くなったので、明日の予定を前倒ししてハットルグリムス教会(Hallgrímskirkja)を訪れる。モダンなデザインの建物は現在改装中で、塔の部分が足場に覆われていたが、塔の展望台は公開していたので入口横の売店で入場券を買ってエレベーターに乗る。上階に着くと円形窓は全て塞がれていたが、そこからさらに階段があったので登ってみたら、確かに展望は開けた。がしかし、視界は足場で遮られている上、四方の窓のうちレイキャビク市街方面だけが塞がれていた。ペルトランよりもこちらの方が市街地に近く、ガイドブックに載っていた写真のような街並を見るのを楽しみにしていたのだけど、工事中なのだから仕方がない。とりあえず隣の窓から色とりどりの屋根の連なりを垣間見ることが出来たので、残りの景色は次回(何時なんだ?)の課題としておこう。

丘の上の教会から坂道を下りると、通りの向こうに海が見えたので何枚か撮影しなが宿に戻る。部屋で無線LANが使えるとのことだったので、フロントで1時間分のアクセス権を購入して、iPod touchで試してみると問題なく繋がった。ネットサーフィンを終えたところで、ロビーに下りて予約していたツアーの送迎車を待つ。ほぼ定刻通りにやって来た車に乗り込み、旅行会社で下車してクーポンをチケットに引き換えてから、程なくやって来たミニバスに乗車。空はすっかり晴れ渡り、小旅行には勿体ないくらいの良い天気となったが、折角晴れたのだから鮮やかな車窓を楽しんでおく。昨日来た道を逆に辿り、空港の手前で進路を南に変え、一面の溶岩の原野の中にたなびく湯煙が見えると、程なくアイスランド屈指の観光地であるブルーラグーン(Blue Lagoon/Bláa lónið)に到着。

ブルーラグーン

その名の通り青みがかった乳白色の温泉で、世界最大と言われる5千平米の露天風呂は人工池だが、隣の地熱発電所用にくみ上げた温泉水は紛れもなく天然である。入場料はユーロ現金での支払いが可能で、水着着用の混浴。建物の中でまずシャワーを浴びることになっているが、外気温は10℃と少ししかないので、扉を出てから温泉までの僅か数メートルが結構寒かったりする。冬場の夕方だと温泉に浸かりながらオーロラが見えるという、オーロラ鑑賞地としては世界で最も暖かい場所なのだそうだが、その頃に来るとこの数メートルをもっと震えることになるのかなと思いつつ、一旦湯の中に入ってしまうと寒さも忘れてしまうものである。これだけ広いと湯の温度にばらつきがあるが、沸き出し口の近くはかなり暖かい。不透明の湯で見通せない足下はぬめり気味で、たまに大きめの石があったりするので泳いだ方が安全なのかもしれないが、疲れそうなので慎重に歩いて移動。地熱発電所側では泥パックをすると美容に良いということで、男女を問わず実行している人が多かったが、一度きりでは大きな効果はなさそうだったのでやめておく。ぐるっと一回りしたところで建物に戻る。湯上がりはカフェテリアで軽食を取った後、展望デッキからブルーラグーンの全景や周囲の溶岩の荒野を撮影。1日4便ある最終バスでレイキャビクに戻り、バスに乗ったまま直接宿に送って貰う。